お姉さんになりたい後輩ちゃん
短編書いてみました!!恋愛ものは書いたことないので稚拙かもしれませんが読んでいただけると嬉しいです!
いきなりだが俺、犬木 優は年上お姉さんという属性をこよなく愛している!
というか年上お姉さんしか好きになれない。
会話の節々に感じる大人の余裕、語尾に感じる優しさ、、正直最高としか言いようがない。
まぁ、すべて生まれてからの17年間一度も付き合ったことの無い俺の妄想なんだが。。
かっこ悪く思う人もいるかもしれないが、俺は甘えられるより甘えたいしうで枕をするよりひざ枕をされたい人間なのだ。
「好きです!付き合ってください!」
そんな俺はいま、放課後の校舎裏で人生初の告白されていた。
相手は同じ美化委員会の後輩、猫葉 葵だ。
少しつり上がった大きなくりくりした目と透き通るような白い肌をもった美少女で、その美貌から学校で名前を知らない人はいないほどだ。
肩まで伸ばしたサラサラの黒髪が風になびく様がとても絵になっている。
え??なんで!?
正直おなじ委員会とはいえ関わりはほとんどない。
おそらく話したのは一度委員会による掃除の当番が被った時に軽い世間話と彼女の有無を聞かれ、見栄を張って「今はいない」と答えたくらいのものだろう。
さらに俺は冴えない普通の高校生で別に美少女の隣にならべるようなイケメンではない。
猫葉が俺をすきになる理由に全く検討がつかない。
あ、もしかしたらこの告白は罰ゲームかなにかなのかもしれない。最近そーゆう遊びが流行ってるって聞いたことあるし。。
ふと猫葉の方に目を向けると、初夏の穏やかな温かさの中、両手が小刻みに震えていた。
きっと罰ゲームなんかじゃないんだろう。
たとえ罰ゲームだとしてもすごい勇気を振り絞ってここに立っていることは間違いない。
ならせめて俺も、覚悟を持って正面から正直に話そう。
すうっと息を吸ってゆっくりと言葉をはく。
「ごめん、俺、、年上のお姉さんが好きなんだ。」
「……そう…ですか…お時間とって下さってありがとうございました」
猫葉はショックを受けた顔をした後、すぐにそれを取り繕うようにぎこちない泣きそうな笑顔をうかべそう言い、去っていった。
あんな顔を見せられると罰ゲームかもなんて思ってた自分が恥ずかしくなってくる。
心苦しい。告白を振るのってこんなに辛いのか。
しかも、正直でいようとしたらめちゃくちゃ気持ち悪い振り方になってしまった…
せめてこれで猫葉が俺のことを嫌いになってくれればあんな顔をさせてしまったことへの罪悪感が少しは薄れる気がする。
そんなことを考えながら、重い心を引きずって帰路に着いた。
あれから1週間がたった。
いつものように帰り支度を整え、下駄箱にしまった靴を取りだしていると、
「先輩!一緒に帰りませんか?」
もう二度と話すことは無いと思っていた少女が笑顔で話しかけてきた。そう、猫葉 葵だ。
どーゆうこと?なんで??
はてなマークが頭中に浮かんできたが、とにかく断ろう。
ここで気軽に提案を受け入れるのは思わせぶりみたいだし。
「わかった。」
無理だった。断れなかった。
萌え袖にしているブレザーから出た指先があの時とおなじ震え方をしているのが見えたからだ。
そうして二人で校門を出て帰路に着く。
どうやら猫葉は俺と同じ徒歩通学で、学校から15分ほど歩いたところで帰路が別れるらしい。
15分か、気まずいな。
そもそもほとんど話したことないのに加えて1回振ってるしまともに会話が続く気がしない…
などと思っていると猫葉が口を開いた。
「先輩」
「ん?」
「どうして振ったのに一緒に帰ろうとしてるんだって思ってます??」
「え、あ、、うん正直」
「やっぱり」
猫葉は思った通りだというような声音でそう言い、足を止めこちらを向いてにこっと笑う。
「私、諦め悪いんです。年下だけど、きっと先輩に振り向いてもらいます!」
その笑顔があまりに眩しくて、心臓が大きく脈うった。
俺のどこをみてそこまで頑張るほど好きになったんだろう。
「あのさ、猫葉」
「なんですか?」
「俺なんかのどこをそんなに好きになってくれたの??」
「んーー、ひみつ」
猫葉はそう言いながら目を細め、静かに、とジェスチャーをするような仕草で口に人差し指を当てた。
驚きで時が止まったかのような感覚を覚える。
その仕草と表情に感じる大人の余裕や声音に表れる優しさは、まさに俺が想像していたお姉さんそのものだったのだ。
色々な感情がごちゃ混ぜになって頭が上手く働かない。
と、いつの間にか分かれ道まで歩いていたようで、手を振りながら猫葉は去っていった。
いったいなんだったんだろう。。
今日の猫葉が目に焼き付いていて別れてから数分は経つのにまだ心臓がドキドキしている。
「先輩!今日も一緒に帰りましょ!」
次の日も下駄箱から靴を取りだしている俺にそう声が掛かった。
相手は言うまでもなく猫葉だ。
正面から諦めが悪いと言われているし、断る理由もないので応じることにする。
***
それから、約半年が経った。
12月も間近にせまりクリスマスを控えて街全体が浮き足立っている。
「先輩!今日も一緒に帰りましょ!」
「おー! てか別に言われんでも一緒に帰るのに」
「いいんです!これは私にとって魔法の言葉なんですから!」
「どゆこと??まぁ猫葉がいいならいいんだけどさ」
などと話しながら、いつもの道をふたりで歩く。
あれから俺と猫葉は毎日のように一緒に帰っている。
最初は若干気まずさも感じていたが、面白いし馬も合うため今では一緒に帰るのが楽しみになっている。
今日もいつもの場所まで着いたので手を振って別れた。
俺が猫葉にお姉さんみたいだと感じるのはあの日だけじゃなかった。
テストの点数が良かった、という話をしたら偉いですねと頭を撫でようとしてくる。
友達関係での悩みを打ち明けると私がついてます、と両手で俺の手を包もうとしてくる。
他にも数え切れないくらいたくさん、俺が妄想していた理想のお姉さんならやるであろう行動をしてきた。
そんな風に毎日おなじ15分を過ごすようになって、いつしか俺は猫葉のことが好きになっていた。
年上しか好きになれないなんて豪語していたが後輩を好きになってしまったのだ。
でも仕方ないことだ。後輩とはいえ猫葉は精神的には大人なお姉さんなんだから。
近いうちに告白をしよう。あの時猫葉がそうしてくれたように。
次の日の昼休み、喉が渇いたのでジュースを買うために1階の自動販売機まで降りることにした。
階段をおりると、同級生の女の子と談笑している猫葉がいた。
こちらには気づいておらず、肩を軽く小突いてじゃれあっている。
年相応な女の子の姿だ。
猫葉は余裕あふれる大人のお姉さんなんかじゃない。
どこにでもいる高校一年生の女の子だ。
きっと最初から気づいていた。
年上のお姉さんが好きだと言った俺に振り向いて貰えるようお姉さんだとアピールしてくれていたんだ。
友達とじゃれあって無邪気に笑っている猫葉を見ると、胸がきゅっと締め付けられるような苦しさを感じた。
俺は猫葉に甘えてた。
俺の理想を演じてくれる彼女に。
好きになる理由を作ろうとしてくれていた彼女に。
そんなんじゃない。
本当は別に猫葉が大人っぽいから好きになったんじゃない。
初めて一緒に帰った日、ジェスチャーをとってひみつと言う彼女が大人のお姉さんを感じさせたから別れてからもしばらく心臓がドキドキしてたわけじゃない。
もっと前、諦めが悪いといってにこやかに笑う彼女の笑顔が眩しくて、可愛かったからだ。
今日、告白しよう。
そう覚悟を決め、猫葉にばれないようそっと階段をあがった。
そうして放課後がやってきた。
急いで準備し、早歩きで下駄箱に向かって猫葉の姿を探す。
緊張で体と心がかたくなり、今日じゃなくてもいいんじゃないか、と覚悟がにぶりそうになる。
いや、今日頑張らなきゃだめだ。
そう心を奮い立たせ、靴をはこうとしている猫葉に声をかけた。
「今日も一緒に帰ろ」
猫葉はぱあっと明るい顔をして「はい!」と元気よく答えた。
なるほど、たしかに魔法の言葉だ。
やるしかないと、好きな人に向かい合う覚悟をくれる。
いつもと同じ道をふたりで歩く。
それにしてもやっぱり可愛いな。
もう半年ちかく一緒に帰っているのに、俺の誘いに嬉しそうな顔をしてくれるところ、そんなところも好きだ。
やっぱり俺
「猫葉のことが大好き、俺と付き合って欲しいです」
「え?…ん!?!?」
「ほんとに?ほんとのほんとに??」
泣きそうな顔で猫葉が言う。
「ほんとのほんと」
「うれしい、好きになって貰えたんだ。私、ちゃんとお姉さんになれてたんだ」
「もっとお菓子我慢しなきゃって悩んでるとこ
おすすめのドラマを熱弁するとこ
そんな猫葉の年相応なところが好き。
壁に張り付いたカタツムリ見て顔を輝かせる少年みたいなところも、コーラ飲んで「ぷはぁー」とか声を出すおっさんみたいなところも、全部が好き。
俺は猫葉がお姉さんみたいだから好きになったんじゃないよ。ありのままの猫葉が好き。俺と付き合ってください。絶対幸せにする」
猫葉は涙をこらえきれずに鼻をすすりながら手であふれる涙をぬぐっている。
嗚咽しながら涙声で続ける。
「ありのままの私、凄くめんどくさいですよ??愛が溢れてきっといっぱいLINE送っちゃいますよ?」
「すぐ既読つける!俺もいっぱい話したい」
「すごく欲張りだから帰りの15分だけじゃ満足できなくなっちゃいますよ?」
「一緒に登校もしよう!土日はふたりで遊んだりもしたい」
「うう、、私もうすでに世界一幸せです、こちらこそよろしくお願いします」
たった今から俺が葵の彼氏になるんだ、、!
告白をOKしてもらったことへの喜びを噛み締めながら、涙をぬぐいおわった葵の手を取りかたく繋いで残りの道を歩く。
あの時よりずっと寒いのに、葵の手はもう震えていない。
初めてできた彼女の手は、想像していたお姉さんの手よりずっと小さかった。
ご愛読ありがとうございました!批判でもなんでも気軽に感想いただけると嬉しいです!!
評判良かったら連載するかも、!




