5 March
中姉弟編です。
冬って風がなければ素敵だと思うんですはい。
私の名前は、中暁といいます。
中学3年生の15歳です。
私には、2つ年上の双子のお兄ちゃんとお姉ちゃんがいます。
お姉ちゃんは料理がとても上手で、よく可愛がってくれます。
お兄ちゃんは、難しい言葉をよく使っていて、聴いててすごく面白いです。
それに……お兄ちゃんは私を守ってくれます。
私のように大人しくて引っ込み思案な子は、よくいじめの対象になっていました。
中学1年生の時から、ずっとです。
私は頑張って泣きませんでした。
家に帰れば、お兄ちゃんとお姉ちゃんが、私の話をしっかりと聞いてくれたから、心はいつも楽でした。
それに、いじめを受けていると聞くと、すぐお兄ちゃんは3年生の校舎から飛んできてくれるので、まるでヒーローみたいです。
そして、お姉ちゃんが中学を卒業する時、私のことを心配してくれて、お兄ちゃんは、私とクラスメイトになってくれたのです。
「姉貴ー」
「お姉ちゃん、朝ですよー」
下の兄妹達が、一番上の姉を朝6時半丁度に起こすのは中家の日常風景であった。
「…………」
「返事がない。ただの姉貴のようだ」
「お姉ちゃん、朝ご飯食べないと1日が始まらないよー」
「…………ひゃ」
もちろん姉は全く起きないので、双子の弟と妹は、くすぐり作戦を仕掛ける。
「……っ…ん……ひゃ、ふにゃあぁぁぁっぁ……ああぁぁ…やめなさぁぁいい!」
兄妹は、姉による朝一の甲高い声で目を丸くし、モコモコした絨毯の上に座り込んだ。
「あ、お姉ちゃんおはよう」
「よ、姉貴。朝から宣々としてるね、処置に困じるから気をつけなよ」
「意味わかんないし……朝から五月蠅くなったのはあんたらのせいでしょ……」
とりあえずベッドから出て、弟たちを部屋からだし、制服に着替えて一階の洗面台に向かった。
洗顔等を終え、エプロンを着用しながらそしてあくびをしながら台所へと向かう彩。
「真っ白いご飯で伊達巻きが食べたいな」
と、妹の暁。
「キッシュが良い。アスパラとブロッコリーちゃんといれろよ」
と、弟の梓。
「コリアントーストサンドにします。白いご飯はお弁当用です」
と、姉の彩。
「「最終的に中華になった!」」
と、弟と妹の声がハモりました。さすが兄妹です。
梓と暁は朝からニュースを交えたバラエティ番組を見ています。
彩はフライパンを熱し、牛肉と共にタマネギなどの野菜を炒めています。
まさに、手伝え、です。
ですが、彩はそうなるとこの台所だけではなく、梓達がテレビを見ているリビングをも吹っ飛ぶと承知の上でしたので、1人で家事を切り盛りです。頑張れ長女。
サンチュ(日本名は「包菜」というレタスの仲間で、韓国では焼き肉料理には欠かせないという一品)を仕上げにトーストに挟み、完成した料理を梓に机へ持って行かせます。
その際、暁には中華風に仕立てたシジミのスープを装わせます。
そして彩はお弁当用の卵焼きやタコさんウインナーなどをサッと調理しておきます。
中家は、動きに無駄をつくらない家なのです。
「「いっただっきまーすっ!!」」
もちろん、朝ご飯は家族揃って食べます。
両親はどうしたですって? きっと物語の終盤には解ることです。
「はい、2人ともお弁当忘れない、今日は帰りに買い物頼んだよ、行ってらっしゃい」
「「行ってきます」」
彩の学校より梓達の学校の方が始まるのが早いのです。
一緒の時間に出て早めに学校に行こうなど、彩はこれっぽっちも思っていませんでした。
朝凪中学校。
これが、2人の通っている学校です。
休み時間。
梓と暁は窓際で他愛もないお喋りをしていました。
そんな彼らの少し遠いところで、ちょっとした輪ができていました。
「やっほー、きたよー」
「あ、坂下に杉坂。まじおつー」
「あれが噂の兄妹じゃんか。初めて見た」
「可愛くね? てか、男の方も何か女顔っぽくね?」
「まさか、去年のいじめが起きないために、梓君が2年も留年するとは思ってなかったじゃん?」
「びっくりだよね」
「妹思いっていうか、異常じゃん?」
「だよねー」
「別に良いんだけどさー、出会った頃暁の方は可愛いなぁーって思ってたわけよ」
「それで?」
「や、何かアイツの本性実はやばいんじゃないかって感じがしてきてさぁー」
「えー見えない見えない。あんな大人しいじゃん」
「昔可愛くって嫉妬した」
「え? まじでー。うんあんたきっと可愛いと思うし」
「ま、私もそういうのよく分からんしてか感だし。女の」
「感かよ」
「まじうけー」
「でもいくらなんでも成績優秀だったとは聞いてんだけど? 梓」
「一応先輩じゃん。どう接してんの?」
「質問そんなに送るなよーむかつきさをあの兄妹にぶつけるぞー」
「あっはー」
「頭回転させろし」
「梓君はまぁ普通に優しいもん。女子にも男子にもね」
「暁の方は?」
「よくわからん。引っ込み思案すぎるっていうかーあんま喋らないしー何言ってるか正直意味不ー」
「そういうのむかつくし」
「ていうかそういういじめこの頃聞かねー」
「まじ平和だよ、凄いって」
「でもさー」
杉坂さんと名乗る女子は、一呼吸置いてから言った。
「妹のために2年留学する兄もアレだけど…………それを恥ずかしがりもせず普通に受け入れている妹もなんか異常に思わんこともないじゃん?」
すみません、意味不ですね。
絵馬は会話文じゃないところは少々苦手なのです。