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閑話 魔法少女になりたいか?

沙羅が異世界に呼ばれるきっかけとなったDMの話です。


読まなくても本編には影響ない部分です。胸クソ回なので飛ばして大丈夫です。

でも、目を逸らしちゃいけない現実でもある。




「もう3時半か…。」

昼と夜が逆転してもうどれくらいになるんだろう。日の光に当たらないと背が伸びないと聞いてたけど、意外と伸びた。

もうおかあさんより背が高くなってしまった。

この前すれ違うときに、おかあさんが小さくなってたのがショックだった。





小学校4年の時、いつもの様に、朝学校へ行ったら誰も口をきいてくれなくなっていた。

「ねえ、どうしたの?」

と聞いても無視された。

昨日まで一緒に遊んでたのに。

誰も私と口をきいてくれない。


給食の時間になって、席に着いたら、私の給食だけお皿にほんの少ししか入ってなかった。先生に言ったら「もう食べ終わったのか?まだ頂きますも言ってないだろう!」と怒られた。


先生も気付いていたのに。『気付かない振り』をした。


クラスのみんながクスクス笑っていた。



家に帰っておかあさんに言おうと思った。

おかあさんが仕事から帰ってきて、おかあさんに「助けて」って言おうとしたら、


「ちょっと待ってね。今、先にこっち済ませちゃうから。」

と言って洗濯をしながらご飯を作り出した。

ご飯なんか食べたくなかった。

おかあさん、おかあさん、辛いよ、悲しいよ、お願い助けて。


言葉が出てこない。


こっち向いてよ。

抱っこして「大丈夫」って言ってよ。


おかあさんが「あー疲れた。」と言って、コーヒーを飲んで、鼻歌を歌いながら片付けをしてる。


おかあさん、私、どうしたら良いの?

言いかけて、うまく言えない。


「気にすることないわよ。」

「そんなの気にしすぎよ。」

「あんたの考え過ぎよ。」

「誰でも不安になるときがあるのよ。」

「早く寝なさい。明日も学校あるんだから。」


信じてもらうには何て言ったら良いの?怖いよ。嫌だよ。


布団をかぶって泣いた。

泣いてるのに、おかあさん、私を無視した。

私が辛いのに、泣いているのに、おかあさんも『気付かない振り』をした。



あれからずっと時間が止まったまま、1人で部屋にいる。

みんな『フリ』をして暮らしている。


シャベッターで『強い人のフリ』、『頭の良い人のフリ』、『美人のフリ』。

私も『死にたい人のフリ』をするようになった。


おかあさんが気付いてくれるまで、誰かが助けてくれるまで、フリをし続けようと思ってた。




折角引きこもってたのに、シャベッターのアカウントがあいつらにばれた。

嫌がらせが始まった。

呼び出されても玄関にカギをかけておかあさんが帰ってくるまで隠れていれば良いと思ってた。


でもダメだった。ある日、

『お前の母ちゃん若くて美人だよな。』

『今度行くわ。』

って入ってた。


怖いよ。

警察に言ったら助けてくれるかな。

でもきっと警察も『問題無いフリ』をする。


だって誰も助けてくれなかったから。


だから裏アカを作って『助けて』って入れた。


あの日、DMが来た。




『ここから出られたら何をしたい?』




って書いてあった。だから私は


『人生をやり直したい。』


と返事をした。





書いてて自分が泣きました。

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