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第四話 『LINE交換』

「どーしたの?」


 みーちゃんはすごく不思議そうな顔で俺を見つめている。

 俺は取り出したスマホを片手に固まっている。

 正直みーちゃんは俺のことをすごく好きでいてくれている。

 いつか時が来たら俺の趣味を明かすことになるだろう。

 

「あ、あーそうだったな。LINE交換だったな」


 俺はスマホを開き、LINEのアプリをタップした。

 この際しょうがない……!

 みーちゃんだってきっと理解してくれるだろ!

 それにまだみーちゃんは小学五年生だ。これがもし仮に中学二年生の女子だったら、変な目で見られて幻滅されるかもしれないが、逆に興味を引くかもしれない。

 ポジティブポジティブ!ネガティブ思考なんか振り払え!

 

「はい。これで読み取ってくれるかな」


 決意とともに俺は、みーちゃんに俺のLINEアカウントのQRコードを見せる。

 みーちゃんはわくわくした顔で俺のQRコードを読み取った。


「完了っ!ってこの女のキャラクター可愛いね!」


 俺のホーム画面のキャラクターに対してったのだろう。

 やはりというべきか、好意的に捉えてくれていてほっとした。

 これで「あーくんそういう趣味なんだ……。キモ……」って言われた日には……。


「俺はみーちゃんの方が可愛いと思うけどなぁ」


 心に余裕が生まれた俺は、そんな感じでみーちゃんをからかう。


「あーくんはすぐそうやって私をからかう!」

「事実を述べたまでさ」


 頬を風船のように膨らませて、俺の腰辺りをぽかぽか叩いてくる。もちろん痛くはない。

 そうしてLINE交換を終えた俺たちは、LINE交換する前の予定通り帰ることにする。

 そもそも俺が告白されたのが学校帰りなのもあって、もう辺りは薄暗くなってきていた。

 そして、そんな中小学生を一人で帰らすわけにもいかないと思った俺は、みーちゃんの承諾を得てみーちゃんの家まで送ることになった。

 歩道の道路側を俺、その隣をみーちゃんが歩く。

 これができる男の気遣いってやつだ。

 嘘です調子に乗りました。


「あーくんはさぁ」


 不意にみーちゃんがこちらを見て言う。


「どーしてOKしてくれたの?」


 確かに俺はなんでOKしたんだ?

 普通ランドセルを背負った小学生に急に告白されたら、それを本気の告白と捉えれる高校生はまずいないだろう。

 小学生のジョークだろうと軽くあしらってバイバイするのが普通だ。

 じゃあなんで俺は真剣な告白としてそれを捉えた?

 確かに俺はロリコンだ。こんなかわいい子に告白されたら舞い上がってOKしてしまうかもしれない。

 だが今はそこじゃない。なぜそれを小学生のジョークと捉えなかったかだ。


「みーちゃんが真剣だったからだ」


 そう。みーちゃんの告白がすごい真剣だったから、俺もみーちゃんが小学生ってことを忘れて、真剣に回答したのだ。


「真剣?」

「みーちゃんがすごい真剣な目で告白してくれて、本当に俺のことが好きなんだなって思って、だからみーちゃんを小学生の女の子じゃなくて普通に一人の女性として向き合った結果、こうなったのかもしれない」


 本当に思った言葉がそのまま出てしまった。

 自分でも何言ってるかわからないけどみーちゃんに伝わったかな?


「……ばった甲斐が………った」

「ん?」


 みーちゃんは何故か涙をこぼしていた。

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