第十一話 『この関係は常識外れ?』
「じゃあ私、みーちゃんを私のベッドに寝かせて来るね」
「ああ、頼んだ」
「んん……」
みーちゃんは半開きの眠い目をこすりながら、咲と手を繋いで部屋に向かっていった。
パンダパジャマの後姿を見届けた俺は、テレビを消して洗面所に向かう。
少しだるいなと思いながらも、もう一度シャワーを浴びた。
ドライヤーで髪の毛を乾かし、二階の自室に戻る。
そこは、一面がポスターやら、タペストリーやら、フィギュアが無数に飾ってあって、本棚には何百冊ものラノベや漫画が収納されてある、いわゆるオタ部屋だ。
時刻は十時を回ったところ。
少し眠いけど、シャワーを浴びて眠気がだいぶ覚めたし、寝るにはまだ早いから、俺は本棚から適当に続きの漫画を六冊ほど取って、ベッドに飛び込みひたすら漫画に耽った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
全部読み終わった漫画を本棚に戻し、時計を確認する。
十二時を回ろうとしているところだった。
「はわぁ~~。歯磨いて寝るか」
あくびをこぼしながら独り言をこぼす。
一階の洗面所に行き歯を磨いて、二階の自室に戻り、軽く学校の準備だけ済ませて、部屋の電気を消した。
ベッドにもぐりこみ、目を閉じながら今日のことを振り返る。
本当にこんなことあるんだなぁ。
なにせ、あんなにかわいい小学生が急に告白してきたんだ。
改めてよく考えるとやばすぎて笑えてくる。
しかし、本当にいいのか?
ふと俺はそんなことを思ってしまった。
確かに俺はみーちゃんが大好きだし、みーちゃんも俺のことを好きでいてくれる。
しかし、小学五年生と高校一年生が付き合うのは、さすがに常識の範疇を超えているのではないかと、言われればそんな気もしなくはない。
常識とは人間を縛るルールであり、それを破る者は世間で後ろ指を指され生きてかなければならない、人間が生み出した最強の縛り。
もちろん常識を否定するつもりはないし、むしろ常識というものが存在しなかったら、日本は、いや世界は、早々に人々が争い滅びていたかもしれない。
そんな俺とみーちゃんの関係は、常識外れな関係なのだろうか。
ガチャ。
ドアが開いた。
俺は一瞬びっくりしたが、よく見るとパンダパジャマのみーちゃんがいた。
廊下の窓から差し込む月の光がみーちゃんを照らしていて、本物の天使がいるみたいだ。
「あ……あーくんだ」
目は半開きで、うとうとしながら眠そうな声で俺の名前を呼んだ。
控えめに言って、めっちゃ可愛いなこんちくしょう!
ぺたぺたと、音が鳴っているような歩調で俺の方に向かって歩いてくるみーちゃん。
「……えいしょっと」
って、みーちゃんが俺の布団に潜り込もうとしてるんですけど!?




