4.王宮に呼び出しをくらう。
(アイル=スカーレットよ、冒険の手続きと儀式がある。王宮に来い。日程はこの手紙が届いた日だ。王宮で待っているぞ。 ウィリア=アーズベント王)
冒険の手続き? なんの話しだ?
それに儀式ってなんだよ。
そういえば昔聞いたことがあるぞ。
今からちょうど、百年前勇者になった、アース=ヴォルドは魔王を倒すべく装備を受け取りに王宮に行き王様から装備を授かった。そして魔王のもとにたどり着いた勇者は見事に魔王を倒すのでした。
そんな話があったな。
俺は昔、その勇者に憧れていた。
だって、冒険だなんて男の子が憧れない訳がない。
しかも、華麗に魔王を倒すだなんてカッコよすぎるだろ。
と、小さいころは思っていたのだろう。
だが、今でも勇者に憧れている気持ちは変わっていない。
というか、日程はこの手紙が届いた日だと。
それってつまり今日だろ。
だとしたらはやく準備をしなければ。
行かないと処罰とか言われそうだしな。
そう思い俺は急いで準備をし、家を出る。
「行ってきます!」
日程には詳しい時間は書いていなかった。
つまり、いつでも俺が来ていいように準備は既に出来ているということだろうか。
だとしたらはやく行かなければな。
時間が、書かれてないといえどはやく行った方が待たせなくて済むだろう。
だが、俺の家から王宮まではかなり距離がある。
普通に走って行くと5時間くらいかかりそうだ。
仕方がない、あれを使うか。
実は、俺は習得している魔法がある。
その魔法は通称、身体強化:速、だ。他にも、身体強化:力、身体強化:防、を習得している。
これらの魔法は俺が身体能力をカンストされるために特訓していたらいつのまにか習得していたものだ。
おそらく極限まで身体能力を高めたおかげで身体強化系の魔法を習得できたのだろう。
それじゃあ、早速使うか。
そう思い俺は足に力を集中させた。
すると急激な速さで足に魔力が集まる。
そして、俺は走りだす。すると、1分もしないうちに王宮に着いた。
「着いたか」
俺がそうつぶやくと王宮の兵士らしき人に話しかけられた。
「もしかして、アイル=スカーレット様ですか」
「ああ、俺がアイル=スカーレットで間違いない」
「では、こちらへどうぞ」
王宮の兵士はそう言う俺をどこかへ案内し始めた。
そのまま兵士について行くとなんか、とても壮大な部屋の前のトビラに着いた。
「さあ、中へお入りください」
「ああ」
というか、本当にもう準備できていたんだな。
早く来てよかった。