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「アドバイス歓迎」を明言してみませんか?

作者: 花水木

 この1週間ほど、エッセイのランキングで頻繁に目にする言葉があります。お分かりの方も多いのではないでしょうか。はい、「アドバイス罪」です。


 別に、その考え方自体を否定するつもりはないんです。だって、人の気持ちに正解とか間違いとか、ありませんからね。「アドバイスが不愉快」という人の気持ちは、尊重されて然るべきだと思っています。


 その一方で、アドバイスがもらえる方が嬉しい、という人だっているはずなんです。少なくとも、私は嬉しいです。作者の目線では気づかなかったことに気づいて、作品をもっと良くすることができるチャンスですからね。

 もちろん、頂いたものを全て反映させられるわけではありません。慎重な検討の結果、残念ながら採用を見送らせて頂くこともあります。ですが、アドバイスをもらうこと自体がマイナスになることって、ないんですよね。

 よしんばアドバイスを採用した結果作品が悪くなったとして、それは作者の責任であって、間違ってもアドバイスのせいではありませんから。




 そもそも、私はこのサイトを「互いの研鑽の場」と捉えています。喩えるなら、学校の文芸部の延長線上くらいの感じです。文芸部で他人の書いた小説読んで、気になった点があっても指摘しないって、あり得ないですよね。いや、文芸部に入ったことなくてよく分からないんで、イメージなんですけどね。でも、素人だからとか関係なく、お互いに指摘できるところは指摘しあうものだと思っています。


 そして、同じように捉えている方は私以外にもいらっしゃると思います。そういう気持ちで投稿された作品には、できる限り真剣に読んで、一言でも感想や指摘を残したいと思っています。「アドバイス」なんて立派なことができるかは分かりませんが……


 それに、アドバイスを送るということは、「自分だったらどうするか」「ここはこう変える方が面白いんじゃないか」って真剣に考えることですからね。他人様の作品にケチを付ける訳ですから、それはもう真剣に考えざるを得ません。そして、それはきっと自分の創作にも生きてくるんじゃないかな、とも思うわけです。そう考えると、他人の作品を読んで感想を送るって言うのは、むしろ自分へのメリットが大きいのかも知れません。


 その一方で、「アドバイスはいらない」という方がいらっしゃるのも事実です。それに関して、どちらが正しいなんて争うのは不毛です。各人のスタンスからして違うわけですから、どちらも正しいんです。そして、そうした方々にアドバイスを送りつけて不愉快な気持ちにさせるのは、私としても本意ではありません。

 だから、感想の「気になる点」を入力するのに、躊躇いを覚えるんです。


・三点リーダは2つ続けて打つといいですよ。

・句点が打ってあったり打ってなかったりするので、きちんと打った方が読みやすいですよ。


 というような書き方の問題から、


・地の文で表情や声の様子をもっと説明すると良いですよ。

・視覚だけでなくて、聴覚や嗅覚に訴えかけるような書き方をすると、奥行きが出ますよ。


 という、表現の問題、さらには、


・この場面の○○の心の動きが分かりづらかったので、もっと丁寧に書いてあると良いなと思いました。

・△△の心情や背景がもっと掘り下げられていると、感情移入しやすくなると思います。


 というような、構成だったり内容に関する事柄まで、指摘したい、と思ったことを、感想欄に書くかどうか、めちゃくちゃ悩むんです。


 正直、自分が送った感想のせいで、傷つけてしまった人がいるんじゃないかと、不安に思うことがしばしばあります。




 でも、そんな私が何も気にせず指摘ができることもあります。あらすじに「アドバイス・指摘歓迎します」と書かれている場合です。このときばかりは、きちんと作品を読んで、良かったところと気になったところを片っ端から列挙します。

 同じスタンスの方、結構いるのではないでしょうか?


 そんなふうに、「アドバイス欲しいんだけどな」っていう人は、あらすじやキーワードに「指摘・アドバイス歓迎」と明記してみませんか? 指摘したいことがある、だけど伝えていいのかどうか分からない、という人の背中を押す一言になるのではないかと思います。

 それに、皆さんがこれを読んでキーワードに設定して下さる方が増えれば、アドバイスしたい読者さんも、「アドバイス」でキーワード検索して作品を探すこともできるようになるのではないかと思っています。

 私も自作品にキーワードで入れるので、皆さんも試しに入れてみませんか?

 「アドバイス罪」という言葉の流行で、研鑽の機会が失われてしまうことのないように。


 あとは、一般的な話ではありますが、感想を受け取る側、送る側にそれぞれ伝えておきたいことを書いておきます。


○感想を受け取る側


 アドバイスをもらったからといって、それに従えば必ず作品が良くなるという保証はありません。だから、それを採用するかどうかは全て自分で判断する必要があります。どうか、自分の作品の責任を他者に押しつけることだけはありませんように。


 それから、アドバイスと「荒らし」は似て非なる物です。荒らしの定義は、公式にきちんと示されています(https://syosetu.com/man/impression/#vandalism)。荒らしかな、と思ったら感想の削除も躊躇うべきではありません。感想欄を訪れた他の読者さんがびっくりしますからね。


○感想を送る側


 できれば「良い点」を書いて下さい。感想欄までたどり着いたということは、何かしら良い点があったということではないでしょうか? 一言「面白かった!」「丁寧に作り込まれてる!」「キャラクターが魅力的」みたいな言葉があるだけで、モチベーションって大きく変わってくるものだと思います。


 それと、アドバイスが反映されなかったからといって、腹を立てるのは間違っています。読者には作品に干渉する権利はありません。改稿に時間が割けないこともあるでしょう。今の作品はこのままにして、次から気をつけようと考える人もいます。読者がするべきなのは「提案」であって、「強要」ではありません。


 もう一点、当たり前ですがアドバイス歓迎を明言しているからといって、言い方に気を遣わなくて良いわけではありません。無用な誤解で相手を傷つけることのないように、言葉を尽くしましょう。特に、「感想についての注意事項」には目を通してから書き込んで下さいね。



 最後に、予想される突っ込みと、それへの回答をまとめておきます。


①「アドバイス歓迎」って書いたからって、本当にアドバイスもらえるの?


 分かりません。私だって、アドバイス歓迎を明記している作品全てに感想を残すわけではありません。

 最後まで読み切って感想欄までたどり着いてもらえるように、面白い作品にしようと努力するのは大前提で、その上で最後に書くかどうか躊躇っている人の背中を押す一言、という感じですかね。

 でも、少なくとも作品にかけている熱意と真面目さは伝わると思います。


②荒らし増えるよね?


 これは以前活動報告で頂いたご指摘です。「アドバイス歓迎」を錦の御旗にして、誹謗・中傷を書き込む輩が現れるのではないかと。

 これについては、「確かに」と思わざるを得ません。荒らしと判断したものを泥縄式に削除をしていくしかないですね。私は幸いにして荒らしにあったことがないのですが目を付けられたら大変なのかもしれません。


③素人のアドバイスなんて役に立つの?


 そりゃ、素人のアドバイスよりはプロのアドバイスの方が役に立つでしょう。でも、そんなものが得られる場って、ありますか?

 そもそも、一般的に我々は「書き手」としてのレベルより、「読み手」としてのレベルが上回るのが普通です。書き手目線のアドバイスが送れなくても、読み手目線で、「この方が面白い」と伝えることはできるんじゃないでしょうか。もしそれが良いアドバイスでなければ、無視すれば良いだけの話です。作品の責任は作者が全て負うべきものですから、読者が気にすることではありません。

 素人同士でも、お互いに知恵を出し合ったら、良いものが作れるんじゃないかと思っています。


④自分を棚に上げたアドバイスしかできないよ


 アドバイスってそういうものですよね。

 自分ができていないことだからといって、問題点を指摘してはいけないことにはならないと思いますよ。


⑤他人にアドバイスを求めるより自分で答えにたどり着く方が良いのでは?


 確かにそれはそうなんです。もちろん、アドバイス下さいと言うなら、自分で作品を良くしようという努力は大前提ですよ。

 でも、他人からのフィードバックを求めないのであれば、そもそもこのサイトの存在意義がないですよね。自分一人で気づけないことに、他人の視点で気づけることがあるのであれば、その機会は積極的に利用していくべきだと考えています。

 でも考え方は人それぞれですから、アドバイスはいらない、自分で考えたいんだという方に押し売りするつもりはありません。



感想欄を見ての追記


⑥キーワードに設定されても見ないよ


 たしかに、おっしゃる通りです。

 私があらすじ・キーワードを推したのは、小説家に読もうで検索ができるからという理由が一つあります。「自分も入れてみようかな」とキーワードに入れる方が増えることで、「アドバイス歓迎」キーワードで検索してそこから読むような読者さんが現れたら良いなと。

 とはいえ、目に入る場所ということなら、前書きや後書きに書いておく、という方が目に付きやすいとは思います。別に入れて困るものでもないので、キーワード・あらすじと前書きと両方に入れる、というのもアリだと思います。


⑦読み専なのにアドバイスなんて書いて良い物かどうか……


 良いんですよ。

 私だって初投稿から2ヶ月、読み専だった期間の方がずっと長い人間です。このサイトって、書き手の中にもそういう、右も左も分からない人って、私含めて結構いると思うんですよね。

 だから、「アドバイス歓迎」を明言している作品だけで構いません。思ったことがあれば、是非忌憚なく、指摘してみて下さい。

 もし的外れな指摘なら、作者が無視して終わるだけです。怖がることなんてないですよ。

もし何か思うところがありましたら、ご自由に感想欄にお書き下さい。

私に見えていない問題点もあるかも知れないので。

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― 新着の感想 ―
[一言] アドバイスもですが、作者がスタンスを名言するのはいいことだと思います。 後からエッセイや活動報告で愚痴を言っても意味がないと思います。 わからないと感想書くにも気を遣います。 悪意があると…
[良い点] いやはや、ほぼ同意見ですねー。 わたしは色んな物語見てたら、こんなルートあんじゃね?みたいなの考えながらみてます。 んで、すっごい面白い物語みて、失踪だの、コメントで折れただの見るとめっち…
[一言] アドバイス罪……なんだかなぁ(苦笑) と思います。 私が読み専だからそう思うのかもしれませんが、 「なんでアドバイス受ける側が偉そうにマウンティングしてるの?小説書けたら偉いのか?」と言っ…
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