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ギャラクシーフォース  作者: こうえつ
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図書館での戦い

 十二次元の上空より、現代の図書館にモイラが封印された、その瞬間から異空間となった、薄暗い閉鎖された空間では激しい戦いが起こっていた。


 フレイヤとモイラが対峙している。新しい神となったモイラの力は圧倒的だった。三次元である現代の空間では光の神といえども、その力は制限され、フレイヤにとっては精一杯の戦いが続いていた。既にモイラの攻撃で、致命的なダメージを受けている。


 モイラの右手では光の魔法陣が力の循環を始め、小さな光の弾丸が散弾銃の弾のように撃ちだされた。フレイヤは光の盾を左手に発現させ、光の弾丸を受け止める。連続して襲って来る衝撃に踏ん張るフレイヤ。だが、盾を突き破った弾がフレイヤの身体を貫通する。


「くっ」

 痛みでバランスを崩したフレイヤをさらに数発の数弾が襲った。膝をつくフレイヤは、もう動けそうになかった。現代の制限された能力では、既に限界を越えているのだ。

 フレイヤの目の前にモイラが立った。その手には、”Stars Logbook”から抜いたハウリングソードが握られていた。


 ハウリングソードは、愛莉が光の時空から持ち込んだ精神の剣、持つ者の精神を力に変える。

 モイラは動けないフレイヤに向かい、何も言わず静かに、ハウリングソードを振り下ろした。すると、ハウリングソードが弾かれた。

「なに!?」

 シールドの魔法がフレイヤを守っていた。

「シールドだと!」

 モイラは、後ろに数歩さがった。

「この世界の人間がシールドの魔法を使えるわけないわ! 誰かいるの?」

 モイラは辺りを見回した。モイラがもう一度ハウリングソードを構えたとき、フレイヤの後ろの空間が一瞬歪み、風が巻き起こった。モイラは後方に吹き飛ばされる。部屋の上部に光の渦巻きが現れ、渦の中心から現れた人影が悠里絵ヘと姿を変える。悠里絵はフレイヤの元に駆け寄った。

「フレイヤ、私、戻りました」

 生気が無い顔でつぶやくフレイヤ。

「なぜ? なぜ帰ってきた。この世界は危険だ」

「いいんです。ここは私が生まれた世界。あなたと私はずっと同じ経験をしてきた。ここは私の大事な場所なの」

 静かに首を縦に振るフレイヤ。話を続ける悠里絵。

「フレイヤ、お願いこの世界を救って。それはあなたのしなければならない後始末よ」

 フレイヤのシルバーグレイの瞳に悠里絵の真剣な顔が映っている。

「そうか、私がしなければならない後始末か。分かった。必ずこの世界を救ってみせる」

「お願い、フレイヤ」

 フレイヤの約束に笑みを浮べた悠里絵。


 吹き飛ばされたモイラは、空中でくるっと身体を回すと静かに着地した。

 パルヒョンはゆっくりと、フレイヤを抱き起した。

「大丈夫だ」

 フレイヤはパルヒョンの手を軽く払う。

「まったく、大丈夫には見えないが……な」

 フレイヤの顔は血の気を失い透き通るような青白色をしている。

 鮮血の口紅がハッとするほど美しい。

「黒き者に助けられるとは。セントラルに知れたら、私は消去されるな」

 パルヒョンの腕の感触を感じながら、初めて身近で見る男の顔を見てフレイヤが続ける。

「黒き者というのは、こんな顔をしているのか」

「まあな。だがオレよりいい男は、そうはいないぜ」

 パルヒョンの言葉に、フレイヤは微かに笑った。

「やりたい事がある。己の後始末だ。付き合ってくれ」


 少し照れたような顔をするフレイヤの言葉に、ニヤリと笑い頷くパルヒョン、なんとか立ちあがるフレイヤを悠里絵が支える。

「フレイヤ、私も一緒に戦います。決着をつけましょう」

 頷いたフレイヤが気合を入れた。

「二人とも、いくぞ!」

 身構えるモイラへ左右から、フレイヤとパルヒョンが飛ぶ。

 フレイヤの拳からはエーテルがモイラに打ち込まれる。モイラを守る防御シールドが音を立て、ヒビが入った。すかさずそこを狙って、パルヒョンの拳が打ち込まれた。黒い強きエーテルにより、モイラのシールドは砕け散る。

 すぐ後ろに飛び下がって距離を取り、再度シールドを張ろうとするモイラに、今度は悠里絵が飛び込む。その姿を見たモイラの動きが止まった。


「バカな……おまえは、私が捨てたはずの」

「そうよ……あなたが捨てた、全ての愛情、フレイヤへの思い。それがこの三次元に現れた……私、悠里絵」

 驚きの表情で動きが止まったモイラをパルヒョンの拳が捉えた。

 シールドが無いモイラは、まともに衝撃をくらい、後方へと吹き飛ぶ。

 よろよろと立ちあがるモイラの体はうまく動かなくなっていた。

「私は……なんで、うまく動けないの?」

 自分の身体と力を急に制御出来なくなったモイラが自問する。

「戻ったのだ。おまえが捨てた半身。人を愛し、苦しみ、切り離したモイラ、おまえの別れていた心が戻ったのだ」

 フレイヤの答えに、悠里絵を見たモイラが首を振る。


「バカな。私は”優れた者”のはず……心だと!? そんな訳の分からないもので動きが鈍るなんて……ありえない!」


 ぎこちなくも動き始めたモイラに向かって、パルヒョンが再度走り込む。気が付いたモイラはハウリングソードを、パルヒョンに向かって振り込んだ。

 左に身体を傾けたパルヒョンの頭を衝撃波がかすめる。パルヒョンの右手が、モイラの顔を直接狙った。反射的に剣で顔を防御し、ガードのなくなったモイラの胸に、パルヒョンのエーテルを込めた左拳が打ち込まれた。衝撃で、モイラの身体は九の字に折れた。


「すまん。女の子は大切に扱わなければいけないが、今は戦闘中だ。許せ」


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