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ギャラクシーフォース  作者: こうえつ
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青き瞳の魔女

「光の神シヴァから光速通信です。回線開きます」

 旗艦マスティマの”管理する者”がフレイヤに伝えた。

「久しぶりだな、フレイヤ。しばらく見ない間に腑抜けてしまったのか?」

 メインスクリーンに麗しき女性の姿が現れた。”光の艦隊”第九翼の総指令シヴァだ。二人は同時期に光の獣として司令官として着任。同じ宇宙域の作戦にあたっていた。

「久しぶりだな。シヴァ」

 フレイヤの挨拶。シヴァの美しい蒼い瞳が曇る。

「おまえは誰だ? フレイヤのエーテルをどこへやった?」

 怒りを含んだ声でシヴァが言った。

「うふふ、さすがシヴァね。私の名前はモイラ。”優れた者”、新しい神」

 モイラは自分のエーテルをフレイヤの身体に移して、白き艦隊第七翼を率いていた。

「大人しく私の軍門に下りなさい。白き艦隊第九翼総司令シヴァ」

「フッ」直後、一瞬のシヴァの笑顔とともに高速通信は切れた。

 フレイヤの身体を乗っ取ったモイラが艦内の全ての”管理する者”へ指示する。

「全艦戦闘配備! シヴァが来るぞ。予想時間は二百四分後だ、前方の艦隊は……」

 モイラの指示が終わらないうちに、オペレーターが割り込んだ。

「我が軍の防衛線直前にエネルギー反応あり。ジャンプです」

「おお!」

 モイラが感嘆の声をあげる。


「既に準備をしていたのか。さすが”光速のシヴァ”光の艦隊で一番の速さを持つ者」

 モイラのオペレーターが続ける。

「敵二百五十六万隻。我が軍の前衛、シールド艦が攻撃を受けています」

 シヴァは足の遅い艦は捨て、高速艦隊を編成し、一気にモイラの軍の左舷を取っていた。

「我が軍の左舷が集中攻撃されています。このままでは三十五分後に左舷防衛線を突破されます」

 モイラは数秒考えてから作戦指示を出した。

「右舷艦隊回頭。シヴァの艦隊を包囲するように進行。横と後ろに位置をとれ」

「了解しました。シヴァ艦隊の包囲陣を展開します」

「シヴァの艦隊は、こちらの五分の一程度。包囲してしまえば勝てる」

 スクリーンには渦巻き状にシヴァの艦隊を取り囲む、モイラの艦隊が映る。

「こんなものなの? 光速のシヴァ」

 緊急報告が入る。

「警告。我が軍本隊前方に、エネルギー反応あり。ジャンプです」

 モイラは艦隊の四方に、巡洋艦など小型の戦艦を広く隙間なく配置することで自軍の防衛力を高めていたが、シヴァを包囲するために中軍を動かし、そこに少しの隙間が生じさせてしまった。

「シヴァ軍、前方へジャンプ。その数八千艦」

 隙間といっても大艦隊がジャンプできるほどの大きさはなかった。

 またジャンプでの移動は多少の障害物であれば破壊できるが、戦艦クラスの巨大な障害物がある場所には危険が伴い、ジャンプできない。


「何を考えている? たった8千だと? 前方に出現した、小規模艦隊を破壊せよ」

 少しの隙間に小隊でのジャンプ。

 モイラはシヴァの考えを読めない。だが敵の数はたかだがハ千だ。

「了解しました。巡洋艦による迎撃を開始に備え、本隊シールド艦のシールドを五分間解除」

 その時、シヴァ軍の姿がマスティマのメインスクリーンに映し出された。 ミサイル艦だった。

「まずい! すぐにシールドを下ろせ。巡洋艦の前進を止めろ!」

 モイラの本隊最前線には、二十万のシールド艦が配備され、艦隊全体をシールドで守っていた。

 ジャンプで突然現れたシヴァ軍の八千隻を攻撃しようと、シールドをおろし、自軍巡洋艦隊が、今まさにシールドラインを越えている最中だった。


「無理です。現在巡洋艦がシールドラインを通過中。シールド下ろせません」

 シヴァ軍の八千のミサイル艦が容赦なく攻撃を開始した。

ミサイルは戦艦の強力なシールドは貫通できないが、シールドが無い艦への破壊力は圧倒的なものがあり、八千艦の数は、戦況を覆すのに十分だった。

 ハ千の艦から、数千万のミサイルが発射され、モイラ率いる軍には爆発の赤い光と衝撃が走る。

 モイラは、司令官の椅子から転げ落ち、椅子に手をかけて起き上がった。

「戦況は?」

「我が軍は二十五パーセントの船をロスト。ミサイルの中に光子チャフが含まれているため、現在スキャン不能」

「やるな、シヴァめ!」

「スキャン回復」


 復活したスクリーンには、銀河にも匹敵する大艦隊、白き艦隊第九翼、シヴァの艦隊が映っていた。


 シヴァは速度の速い光速艦隊で、モイラの軍へ奇襲攻撃を行い、わざと空けさせたスペースにミサイル艦を配置し、一気にダメージを与える作戦に出た。

 そして攻撃で空けた隙に、遅れて後方から来た第九翼の本隊が合流したのだった。


「さて、どうする? 泣いて許しを乞うか……モイラとか言ったか?」

 マスティマのメインスクリーンに、第九翼総司令官シヴァが映った。

「さすが千年以上も戦い続けてきただけのことはあるのね。シヴァ、あなたには戦術では、とても敵いそうにないわ」

 クスリと笑って、顔をあげたモイラ。その瞳は禍々しいものだった。

 第九翼艦隊のシヴァに、オペレーターから報告が入る。

「緊急。我が軍の背後にジャンプする艦艇あり。その数、五千万隻を越えています」

「第七翼は全て出撃済みのはずだ。どこにそんな数の艦隊が隠れていたというのだ?」

 シヴァの考えを覆す、報告が続く。

「スキャン完了。黒き艦隊です。敵艦、五千三百八十万隻」

 モイラが嬉しそうに笑った。


「作戦では勝っても、戦いとしては負けね、シヴァ。今からあなたの軍を制圧して、あなたのことも私の操り人形にしてあげるわ。黒き艦隊の総指令パルヒョン、そして光の戦士フレイヤと同じようにね」


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