目覚めた場所は・・・
「どうしよう。街に来たのはいいけどどうしたらいいものか・・・」
歩くこと4時間・・・
「お腹減ったよ・・・」
全然食べてなかった私は4時間もすればもうヘトヘトだ。
「もうだめ・・・」
私は倒れた。
「うっ・・・」
目を覚ますと見慣れない天井がそこにはあった。
「ここは?」
起き上がって辺りを見回していると・・・
『コンコン』
誰かがノックした。そして扉が開き、男の人が入っていた。
「お目覚めになりましたか。大丈夫ですか?」
男の人はそう言った。
「いえ、大丈夫です。それよりここはどこですか?」
何と無く敬語になってしまう。
見たところここはとても大きな家だ。豪邸って感じの。
「ここはこの街を治めているヴェルエル様の屋敷ですよ。俺はここの従者です」
「ヴェルエル様の・・・屋敷?・・・って、えぇぇぇ!!なんで私ここにいるの!?」
ヴェルエルといえばこの街を治めているいわゆる領主様だ。なんで私はそんなすごい人の屋敷に居るのだろうか。
「あなたは屋敷の近くで倒れていたんですよ。そこにたまたま出かけていた領主様が見つけてこの屋敷に運んで来たのですよ」
「うそっ!?私のような者がこのような場所にいては悪いです!今すぐ出て行きますので!!」
そういって私は立ち上がった。すると眩暈がして倒れそうになった。
「・・・っ!」
「危ない!!」
そういって謎の男の人が私を抱きしめた。
「・・・あ、ありがとうございます。・・・えーと」
「そう言えば名前を言ってなかったですね。俺はシュウ・ヴェリック。シュウって呼んでくれたらいいよ」
「はい。ありがとうございます、シュウ・・・様」
「呼び捨てでいいですよ。そう言えばあなたの名前は?」
「アリアです」
さすがに元奴隷だという事は伏せておいた。
「そうですか。いい名ですね」
「あ、ありがとうございます」
『グゥゥゥ』
私のお腹が鳴った。
「あっ・・・」
私は顔がみるみる赤くなるのがわかった。
「ふふっ。何か食べ物持って来ますね」
そう言ってシュウは出て行った。
「・・・恥ずかしい。しかも男の人の前で・・・」
私は恥ずかしさのあまりに布団に飛び込んだ。