表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

藁氏短編集

歌による洗脳

作者: 藁氏

ジャンルに悩みました(・ω・)


拙い文章ですが、宜しくお願いします。

             〝持っていたのを思うんだ 最後のひとことは

              キャンデーをつまらせて

              持っていたのを思ってたから

              あのチェシャねこがすわっていたので もうたくさん〟



 私は歌う。澄んだ、綺麗な声で。私の歌に、誰もが感動して。 

 皆が涙を流す。私は、それに気を良くして歌い続ける。白いキャンバスにどんどん色がついていく。鮮やかな色彩が私の目の前に広がっていく・

 私は、一瞬歌を紡ぎ出すのを止めてしまう。しかし、それも本当にたったの一瞬で。私は再び、歌を歌い続ける。

 とても良い気分。

 でも、私はどんどん墜ちていく。

 深く、深く墜ちていって。

 でも、私は歌い続ける

 だって、それが私だから。鮮やかだったキャンバスはいつの間にか、真っ黒に染まっていた。それは、何を表してるんだろう?

 私の心?

 ううん、違う。違うよ。私の心はいつも七色の色彩を放つ歌でいっぱい。

 歌は、私。

 私はどんどん溺れていく。

 歌を歌えば、それだけ私は墜ちていく。溺れていく。洗脳されていく。

 でも、私は歌い続ける


                  〝誰かが私にかまうなら

                   かまわなくてもいい

                   助けなくてもいい

                   結局私はいつも一人ぼっち

                   でも、私は大丈夫。歌があるから――〟





                   =====================

                   



「脳波停止しました」

 暗い手術室。医者の声が淡々と響いた。その声に合わせて、助手が死亡時刻を記録する。

 医者は眼を押さえると、悔しそうに俯く。

「成功するはずだったんだ……。なのに何で……。いきなり、脳波が停止するなんて、こんな馬鹿な事があるのか?」

 医者は患者の顔を最後に見下ろす。整った顔立ちをした綺麗な女性だ。

 彼女がここに運び込まれてきたのは、つい3時間前。

 危ない状況だったが、早急に処置すれば間に合った。いや、実際間に合っていたはずなのだ。それが、こんなにもあっけなく死亡してしまうなんて。

 そして、不意に医者は死んだはずの彼女に異変が起こったのを察知した。

 醜く笑って呟いたのだ。


「――私は……………」


 その先はもう医者には聞こえなかった。

「ああああああああああああ!?」

 医者が再び彼女に向き直った時。

 それは、もう笑っていなくて驚く程無表情だった。


 程なくして、医者は気分が悪いといって手術室を出て行く。

 助手も、それに続いて全員手術室を出て行く。

 命が燈っているはずのない手術室で。

 今にも掠れそうな声が空気に混じって溶けていく。







「――――私は…………歌……」




 彼女はフッと笑みを零して、消えていった――。

どうでしたか?


ジャンルはその他にしたですが、どっちかというとホラー??



それでは、連載も書いているので宜しければそちらも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ