歌による洗脳
ジャンルに悩みました(・ω・)
拙い文章ですが、宜しくお願いします。
〝持っていたのを思うんだ 最後のひとことは
キャンデーをつまらせて
持っていたのを思ってたから
あのチェシャねこがすわっていたので もうたくさん〟
私は歌う。澄んだ、綺麗な声で。私の歌に、誰もが感動して。
皆が涙を流す。私は、それに気を良くして歌い続ける。白いキャンバスにどんどん色がついていく。鮮やかな色彩が私の目の前に広がっていく・
私は、一瞬歌を紡ぎ出すのを止めてしまう。しかし、それも本当にたったの一瞬で。私は再び、歌を歌い続ける。
とても良い気分。
でも、私はどんどん墜ちていく。
深く、深く墜ちていって。
でも、私は歌い続ける
だって、それが私だから。鮮やかだったキャンバスはいつの間にか、真っ黒に染まっていた。それは、何を表してるんだろう?
私の心?
ううん、違う。違うよ。私の心はいつも七色の色彩を放つ歌でいっぱい。
歌は、私。
私はどんどん溺れていく。
歌を歌えば、それだけ私は墜ちていく。溺れていく。洗脳されていく。
でも、私は歌い続ける
〝誰かが私にかまうなら
かまわなくてもいい
助けなくてもいい
結局私はいつも一人ぼっち
でも、私は大丈夫。歌があるから――〟
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「脳波停止しました」
暗い手術室。医者の声が淡々と響いた。その声に合わせて、助手が死亡時刻を記録する。
医者は眼を押さえると、悔しそうに俯く。
「成功するはずだったんだ……。なのに何で……。いきなり、脳波が停止するなんて、こんな馬鹿な事があるのか?」
医者は患者の顔を最後に見下ろす。整った顔立ちをした綺麗な女性だ。
彼女がここに運び込まれてきたのは、つい3時間前。
危ない状況だったが、早急に処置すれば間に合った。いや、実際間に合っていたはずなのだ。それが、こんなにもあっけなく死亡してしまうなんて。
そして、不意に医者は死んだはずの彼女に異変が起こったのを察知した。
醜く笑って呟いたのだ。
「――私は……………」
その先はもう医者には聞こえなかった。
「ああああああああああああ!?」
医者が再び彼女に向き直った時。
それは、もう笑っていなくて驚く程無表情だった。
程なくして、医者は気分が悪いといって手術室を出て行く。
助手も、それに続いて全員手術室を出て行く。
命が燈っているはずのない手術室で。
今にも掠れそうな声が空気に混じって溶けていく。
「――――私は…………歌……」
彼女はフッと笑みを零して、消えていった――。
どうでしたか?
ジャンルはその他にしたですが、どっちかというとホラー??
それでは、連載も書いているので宜しければそちらも。