「離縁なさるならすだれ一枚でございます」と番頭が笑った朝、芝居を二十四度譲らされた私は桟敷ひとつで付き合いを取り戻します
帯が、ぎゅっと肋へ食い込んだ。
鏡の中で、妻は笑っていた。新しい帯は上々、襟も左右ぴたり、髪の乱れもなし。ここまでの支度を手間賃に直せば、芝居茶屋の弁当が三つは買える。しかも上等な方。焼き魚の端が薄くない方!
膝元には、今朝こしらえた小さな包みもある。幕間につまむための栗菓子だ。夫は甘いものを好まないから一つ、妻には二つ。夫婦の好みを正しく勘定した、たいへん円満な三つであった。
背後で夫が咳払いをした。
「妹の目が悪いので」
出た。弁当三つと栗菓子二つを、一息で冷ます呪文である。
「まあ」
妻は鏡越しに夫を見た。
「今朝、お義妹さんのお具合が?」
「いや、暗いところでは見えづらいそうだ。私が隣にいた方がよい」
「昨日は、わたくしと二人でとおっしゃいましたでしょう」
「次がある。お前は気にしないだろう」
二十四度目にもなれば、言う方の舌もよく馴染むらしい。夫はもう妻の返事を待たず、羽織の紐を結び直している。あの羽織なら帯が三本は直せますわ。三本ぶんの手を使えるお家が、わたくしの支度だけ数えない。不思議な算術ですこと。
廊下から義妹が顔を出した。
「お義姉様、ごめんなさい。兄様のお隣、またお借りしますわね」
借りる、とは返す人の言葉である。四年、いまだ返却なし。利息だけで芝居が一本打てそうだ。
「どうぞ、お気をつけて」
妻が立つと、夫は満足そうにうなずいた。その左へ義妹が並ぶ。義妹は夫の袖を取り、夫は歩幅を緩める。なるほど、あの二人は隣り合わせの具合がたいへんよろしい。妻は人の並びを見る癖があったが、今日は採点が早かった。百点。妻が入る余地、零点。
二人を送り出し、妻は帯へ指をかけた。一度きつく締めた帯は、ひとりでは緩めにくい。爪を差し込み、息を吐き、結び目を崩す。ほどけた帯にはくっきり皺が残った。皺は約束を覚えている。夫よりよほど律儀だ。
栗菓子の包みは棚へ置いた。明日になれば固くなるだろうが、栗の方が夫より事情を聞き分ける。茶に浸せば、まだ食べられる。
台所には朝の汁が残っていた。温め直すほど腹を立てていない顔をしようとすると、火を使う手間まで惜しくなる。妻は冷えた椀を持ち、硬くなった芋を箸で割った。
芝居の幕が上がる頃、あちらの弁当からは、まだ湯気が立っているだろう。
妻は汁を飲んだ。冷たい。芋も冷たい。二十四度目の朝としては、たいへん行き届いていた。
* * *
「お義姉様は芝居がお嫌いだから」
義妹は茶を飲みながら、ころころと笑った。
町の客たちも一緒に笑った。妻は菓子を切り分けながら、義妹の分だけほんの少し大きくする。厚意ではない。口へ入っている間は喋れないからである。砂糖ひと匙ぶんの静けさ。安い、安い。
「兄様が誘っても、いつも譲ってくださるんですの。わたくし、申し訳なくて」
「まあ、優しい奥さんだこと」
「ほんとうに、できたお嫁さんねえ」
妻はにこりと頭を下げた。
「恐れ入ります」
芝居が嫌い。優しい。できた嫁。三枚も札を貼られて、妻の中身が見えなくなってゆく。大した見世物だ。木戸銭を取りたい。
夫の従兄を祝う集まりでも、義妹は同じ話をした。客の目が集まるほど、義妹の声は弾んだ。夫の右には従兄、左には義妹。妻は少し離れたところで燗の具合と膳の空きを見ている。人の隣を整える者には座る暇がなく、整えてもらう者ほど隣を当然と思う。こちらも見事な算術だった。
「二十四度も譲ってくださったのよ。お義姉様は本当に気になさらない方なの」
「二十四度とは、また大したものだ」
夫の従兄が感心すると、夫まで誇らしげに笑った。
「妻は細かなことを言わんからな。家の者同士、譲り合えばよい」
その譲り合いとやら、譲る者が四年間ずっと同じでも成立するらしい。いっそ夫の羽織も二十四度ほど譲っていただきたい。売れば温かい汁どころか、芝居茶屋ごと煮炊きできる。
「奥さんは芝居より、お家を整える方がお好きなんでしょう」
町の客が悪気なく言った。
「ええ、まあ」
妻は曖昧に笑った。外へ向けた笑みは端正に。内側では、二十四度ぶんの帯の皺を一本ずつ夫の額へ移している。なかなか似合う。見栄っ張りには横皺がよく映える。
祝いの膳が下がるころ、義妹は妻へ空の銚子を差し出した。妻が受け取ると、夫の従兄が「よく気のつく嫁だ」とまた褒めた。妻が気をつかい、義妹が褒められ、夫が胸を張る。三人ぶんの利益を一人の手で賄うとは、我ながら働き者にもほどがある。
帰り道、夫は上機嫌だった。
「皆がお前を褒めていたぞ」
「そのようでございましたね」
「妹にもよくしてくれて助かる。次の芝居も、もし目の具合が悪ければ——」
妻は道端の反物屋へ目をやった。藍の反物が風に揺れている。あれなら帯を一本仕立てても余りが出る。余りで袋を作り、夫の言葉を全部詰めて口を縫えば、たいそう暮らしやすかろう。
「あなた様」
「何だ」
「次は、いつでございますか」
夫は振り返り、当然のように日を告げた。
妻は覚えた。期待するためではない。良い桟敷は、早く頼まなければ埋まるのである。
* * *
妻は一番の外出着を選んだ。
夫に見せるために仕立てたものではない。自分が真っ直ぐ歩くための着物である。帯も自分で締めた。結び目へ手を回し、きつすぎず、緩すぎず。今日の手間は、誰にも譲らない。
芝居茶屋を訪ねると、老番頭は朝の店先で暖簾の具合を見ていた。五十年も桟敷を扱ってきた男は、人の顔より、まず履物の向きを見る。帰りを急ぐ客か、腰を据えて頼みに来た客か、それで分かるのだという。
「番頭さん。次の芝居に、桟敷をひとつお願いできますか」
「婚家でお使いのところがございますでしょう」
「そちらには触れません。別に、普通のお客として取りたいのです」
老番頭は妻の帯から足元までを一度見た。品定めではない。何人で来て、どれほどの広さが要るかを測る目だった。その仕事の目が、妻にはありがたかった。可哀想な女の値札をつけられたら、今朝の帯までほどけてしまう。
「おひとりで?」
「はい。それから、婚家の桟敷のお隣が空いておりましたら、そこを」
「離縁なさるなら、すだれ一枚でございます」
老番頭は笑った。いつもの、目尻に幾筋も皺を寄せる笑いだった。
妻も笑うつもりだった。気の利いた返事をして、銭を置き、さっさと帰る。隣を取るだけ。夫の桟敷を奪うのでも、義妹を追い出すのでもない。たったひとつ、自分の座る場所を買うだけだ。
ところが、老番頭の笑い皺を見た途端、頭の中の算盤が動かなくなった。
反物にも、手間賃にも、弁当にも換えられないものが、喉につかえた。
「二十四度でございます」
老番頭は何も尋ねなかった。
妻は帯の結び目へ手を添えた。今朝、自分で締めたところだった。
「……わたくし、毎度、帯を締め直しておりました」
暖簾が風に押され、妻の肩へ一度だけ触れた。店の奥では湯が沸いている。道を行く荷車の音も、呼び売りの声も聞こえたのに、値段の一つも浮かばなかった。
老番頭の目尻から、笑い皺が消えた。
「左様でございましたか」
それだけだった。
「当日は、わたくしがすだれの具合を確かめます。古い小屋でございますから」
「お仕事で?」
「仕事でございます」
妻は銭を置いた。老番頭は受け取り、数え、いつもと同じように頭を下げた。誰に聞かせるとも、誰へ話すとも言わなかった。
妻も頼まなかった。
店を出ると、帯はまだきちんと締まっていた。ほどかなければならない帯ではなかった。
* * *
幕の上がる前、小屋は人の熱と弁当の匂いで満ちていた。
焼いた魚、甘い卵、醤油の染みた飯。妻の腹は律儀に反応した。真情を差し出した翌日だろうが何だろうが、空腹は遠慮しない。たいへん結構。生き物として満点である。
妻の桟敷と婚家の桟敷との間には、すだれが一枚垂れていた。向こうの姿は輪郭しか見えない。こちらには妻と、縄の滑りを確かめに来た老番頭がいた。老番頭は端へ座り、すだれの上げ下ろしを二度試したあとも、開幕までは具合を見るのが仕事ですから、と動かなかった。
妻は自分の膝と、老番頭との間を見た。茶を運ぶ者が通れる。弁当を広げても袖が触れない。向こうとはすだれ一枚、こちらとは気遣い一つ。隣とは本来、このくらい互いに手を使うものなのだろう。
向こうから義妹の声がした。
「兄様、さすがに今日は、お義姉様も何か言わなかった?」
「妹の目が悪いので、と言っておいた」
「でも、この前、次の芝居はいつかって聞いていたでしょう」
「言っておくから心配するな。どうせ、あれは気にせんよ」
義妹が小さく笑った。
「そうよね。お義姉様は芝居がお嫌いだもの。皆もそう思っているわ」
「二十四度も黙っていた女だ。今さら一度増えたところで同じだろう」
(あれは芝居が嫌いなのだ。二十四度も黙っていた女が、今さら何を——)
老番頭の手が、すだれの縄から離れた。
妻は老番頭の横顔を見た。朝に戻りかけていた笑い皺が、今度は一本も残らなかった。五十年、人を座らせてきた顔が、隣を間違えた者を見る顔になっていた。
向こうでは、夫が弁当の蓋を開けている。
「この魚、少し冷めているな」
「兄様が遅いからよ」
「茶を呼ばせよう」
妻は口を閉じたまま、膝の上で指を重ねた。
あら。四年かけて隠した惨めさが、向こうから歩いてきましたわ。拍手代まで惜しい芝居ですこと。
老番頭は妻へ何も言わなかった。妻も老番頭へ何も言わない。夫と義妹だけが、すだれの向こうで普段どおりに喋り続けた。
やがて拍子木が鳴った。
老番頭は立ち上がり、妻へ一礼した。仕事へ戻る顔だった。先ほどまでの顔と違うのは、妻だけが知っている。
幕が上がった。
妻は舞台を見た。最初から最後まで、ひとつも見逃さなかった。隣の桟敷では、夫と義妹がよく笑っていた。
* * *
翌月から、婚家の玄関が静かになった。
初めは見舞いの立ち寄りが一つ減った。次に、寄合の使いが来なくなった。夫の従兄は道で会えば挨拶をしたが、門をくぐらなくなった。芝居茶屋からは、次の桟敷を確かめる声が届かなかった。
いつも届いていた菓子折りも来ない。茶碗は減らず、炭も減らず、妻が客の好みを思い出して茶葉を選ぶこともなくなった。働かずに済んで楽でしょう、と言う者はいない。使われなかった手間は、楽ではなく、ただ値のつかない在庫になった。
誰も理由を置いていかない。置いていかないものは、拾いようもない。
「このところ、皆が忙しいらしい」
夫はそう言った。町中が同じ月に同じ忙しさへ罹ったなら、たいした流行である。薬屋が儲かりそうだ。
妻が買い物へ出た日、町の客たちの声が角の向こうから聞こえた。
「二十四度だってねえ」
「あの家は隣を間違えた」
それきりだった。誰が誰から聞いたのか、妻は知らない。尋ねもしなかった。町の耳には足がある。しかも妻より足袋をすり減らさず、よく歩く。
夫はついに芝居茶屋へ出向いた。
「代々使ってきた桟敷だ。次も同じところを頼む」
老番頭は頭を下げた。
「あいにく、その日は空きがございませんので」
「家の名を承知しているのか」
「五十年、承知しております」
老番頭は声を荒らげなかった。夫の家格は、暖簾を揺らす風ほどの役にも立たなかったらしい。少なくとも風なら、夏には涼しい。
義妹は兄より先に町の具合を悟った。
客が来なくなって半月、義妹は実家へ戻る着物を畳み始めた。手がたいそう早い。妻が二十四度、帯をほどいた手間など、やはり想像もしないのだろう。
「しばらく向こうへ帰るわ」
「なぜだ。目の具合はどうする」
「昼なら見えますもの」
義妹は妻を見なかった。
「お義姉様、兄様をよろしくね」
返却されるのは夫だけらしい。しかも礼の一つもつかない。ずいぶん場所を取る品である。
「承りかねます」
妻が端正に答えると、義妹は初めてこちらを見た。唇がわずかに開いたが、何も言わずに出ていった。自分の不利益には目がよく利く。結構なご快復であった。
夫は妻を責めた。
「お前が何か言ったのか」
「何をでございます?」
「皆がおかしい。桟敷も取れん。妹まで帰った」
「わたくしは、どなたにも何も」
それは本当だった。
妻は自分の着物と帯だけをまとめた。婚家の桟敷も、家の仕事も、人の付き合いも持ち出さない。「好きにしろ」
夫は片手を振った。
夫が妻の沈黙を了承と数えたように、妻はその一言を離縁の承知として受け取った。
「じきに頭を冷やして戻るだろう」
夫は最後まで、自分が何を承知したのか分かっていなかった。
妻は帯を締め、ひとりで門を出た。今度は開幕に間に合う時刻だった。
* * *
「あなたに頼みたいのよ」
講の女衆は、妻の前でぱん、と膝を叩いた。
老番頭の口添えで、妻は町の講が取った桟敷を見に来ていた。頼まれたのは、人を気持ちよく迎えること。誰の右へ誰が座れば菓子が公平に回り、誰の隣なら芝居の最中に喋らず、誰を端へ寄せれば厠へ立つたび五人の膝を踏まずに済むか。妻の目には、もう答えが見えていた。
「こちらのお二人は離しましょう」
「仲が悪いのかい」
「仲がよすぎて、役者より先に筋を喋ります」
女衆がどっと笑った。
「では、こちらの方は通路のそばへ。膝がおつらいのでしょう。後ろには背の高い方を。お弁当を配る方は中央ではなく端から動いた方が、蓋を三枚ひっくり返さずに済みます」
「三枚も?」
「去年は四枚でした」
「見てたのかい!」
見ていた。妻はいつも隣を見ていた。夫と義妹の具合を測り、自分の入る余地を削り、人の邪魔にならない場所ばかり探していた。その四年が、ここでは腕になる。手間には手間賃がつき、目には礼が返ってくる。世の中、算術を間違えない人もいるではないか!
別の女衆が、銭の入った小袋を妻の前へ置いた。
「今日の手間賃。次の分は、また別に払うよ」
「このくらいのことで?」
「このくらいができなくて、毎度誰かの弁当が膝へ落ちるんだ。腕をただで使わせる気はないよ」
妻は小袋を両手で受け取った。帯一本を締めるより短い時間で、その手間に初めて値がついた。軽い袋なのに、袖へ入れると背筋が伸びた。
「次も頼むよ。あんたがいると、皆が芝居を見られる」
「あの家の奥さんだからじゃないよ。あなたに頼みたいんだ」
妻は一度、帯の上へ手を置いた。
「はい。お任せくださいませ」
開幕の半刻前には、皆が座った。通路は詰まらず、菓子は片寄らず、筋を先に喋る二人の間には、芝居が始まれば梃子でも動かない女衆が入った。完璧。これなら役者も安心して驚ける。
弁当の蓋が開いた。
湯気が立った。甘い卵、焼き魚、煮た筍、それに汁気を含んだ貝。妻の腹が、これこそ待っていたと主張する。四年ぶんの恨みより、今この貝の方が大事。たいへん健全、たいへん美味!
「ほら、あんたの場所を空けてあるよ」
女衆が妻を招いた。
妻は開幕前に座った。誰かが退けば空く場所ではない。最初から、彼女のために取ってある場所だった。
温かい飯を口へ運ぶ。汁が舌へ染みた。妻は慌てて飲み込み、上品な顔を取り戻した。危ない。働く女の評判より、食い意地の評判が先に立つところだった。
「おいしいかい」
「ええ。これですわ。芝居は湯気が命ですのよ」
女衆がまた笑った。隣から漬物が一切れ足され、向こうからは卵が半分寄越された。妻の弁当だけが増えてゆく。これはいけない。手間賃より先に、腹回りへ報酬が積み上がる。
拍子木は、まだ鳴っていなかった。
* * *
小屋の裏口に、夫が立っていた。
妻は足を止めた。手には講の女衆から預かった弁当が二つ。どちらもまだ温かい。長話ひとつにつき、焼き魚の温度が半値ずつ落ちる。夫の話に払える値は、せいぜい半句である。
「戻ってくれ」
夫は前置きもなく言った。
「どちらへでございます?」
「家に決まっている。お前が出てから、誰も寄りつかん。寄合にも呼ばれない。桟敷も取れないままだ」
妻が戻れば、人も桟敷も戻ると思っている顔だった。妻ではなく、妻の後ろにいる人の足音だけを見ている。相変わらず隣を見る目がない。
「わたくしが戻れば、元どおりになると?」
「お前は皆に評判がよかった。できた嫁だと言われていただろう。お前が家にいれば、誤解も解ける」
「何の誤解でございましょう」
夫は答えなかった。
「妹も、いずれ戻る。目が悪いのだから、私が付き添うほかない。お前は今までどおり——」
今までどおり。
冷えた汁。ほどいた帯。開幕の音だけを想像した二十四度。夫の言葉は、そこまで並べてもまだ、自分の椀だけ温かい。
妻は笑った。婚家で覚えた、端正な笑い方だった。
「すだれ一枚でございます」
「何?」
妻は答え合わせをしなかった。
夫を残し、裏口から小屋へ入る。背後で一度、名を呼ばれた。妻は振り返らない。弁当の湯気は待ってくれないし、今度の場所には、妻を待つ人がいる。
桟敷へ戻ると、講の女衆がきっちり一人ぶんを空けていた。
「遅いよ。汁が冷めちまう」
「まあ、それはいけません」
妻は急いで座った。隣の女衆が膝を寄せ、弁当を置く場所を広げてくれる。向こうの女衆は、妻に見えるよう舞台の方へ身体をずらした。
温かい椀が手へ渡る。蓋を取れば、白い湯気が鼻先をくすぐった。幕より先に弁当が冷める暮らしは、もう御免だ。今度はどちらも、きちんと間に合った。
拍子木が鳴った。
「皆様、お待たせいたしました」
妻は自分の声で客を迎えた。
幕が上がる。湯気はまだ、まっすぐ立っていた。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
「悪くなかったな」と思われたら、★や感想を残していってもらえると、とても励みになります。
作者ページには他の短編も並んでいます。よろしければどうぞ。




