君/私が男なら
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
苦しいよぉ……(´;ω;`)
と思いながら描きました。
私の友達に神様が作ったかのような子がいる。おっとりした顔立ちと性格に、零れ落ちそうな胸をした子。男性特攻を絵に書いた様な子だから、男子には人気だが、女子からは不人気だった。いじめとまではいかないまでも、皆その子の深い仲になりたがらなかった。ただ一人、私を除いては。
そんな彼女と旅行へ出掛けた夜の事、真っ暗の部屋の中で、彼女の方から声が掛かってきた。
「暗い部屋で誰かと寝るのなんて本当に久しぶり」
「そう。貴方に彼氏が出来れば珍しくなんかなくなるよ」
言い方に棘を忍ばせてしまうのは、絶賛失恋した最中だから。私が好きだった子が、横にいる彼女を好きになった。
よくある話。男性特攻とも言える彼女を嫌いになる男は居ない。頭で分かっていても、やっぱり苦しい。苦しいから、彼女と友達でいる間は絶対に好きな人を作らないと心に決めた。全員皆、彼女の事を好きになる。私なんて眼中になくなる。
言葉にはしてないが、そんな気落ちした私を心配して、彼女が遠出しようと提案してくれた。この宿も、彼女が取った。
せめて……性格が悪ければ嫌いになれたのかも知れない。私が男なら、こんなに苦しまなくて済んだのかも知れない。でも現実は残酷で思う様にはならないのだ。
「彼氏なんか作らないよ。絶対絶対作らない」
彼女はムキになって声でそう反抗した。きっと顔はむくれているのだろう。その姿を想像して、思わず笑いそうになった。
良い子なんだ。嫉妬や妬みが無いわけじゃない。でもそれらを凌駕したいと思えるほど、良い子なんだ。だからもっとこの感情が消し飛ぶまで、彼女の善性に触れたいと思う。
「君が男の人なら良かったのに……。でもそしたら、こんなに好きにはならなかったんだろうね……」
彼女の静かな独白が静かな部屋にしっとりと木霊した。聞こえないように言ったつもりかも知れないが、しっかりと耳に届いた。
これに対して同意したい自分がいる。私が男なら、変な嫉妬もせずに、色香に充てられるだけで済んだのに。こんなにも苦しくないのに。
「ねぇ、ずっと友達でいてくれる? こうやって旅行してくれる?」
「そうだね。貴方が生きている限りは」
私は生涯失恋し続けるよ。
可愛い子にはしっかり『可愛い!!』と言います。
でも男性特攻、つまり、おっとりした顔立ちと性格、胸が零れ落ちそうなくらい大きい子にはちょっと息が詰まります。
えぇ、嫉妬と言うもので、複雑なんですよ。
だから、その子と沢山触れ合って、善性に触れまくって嫉妬を消し飛ばすか、関係を持たないかのどちらかに振ると思います。
今回は前者の話ですね。
男の人は皆、彼女を好きになる事はもう、覚悟の上なんです。その上で友達なんです。
こんな良い子が傷付くのを見るのは嫌だから、せめて私だけは味方でいようという気持ちなんです。
そんな彼女の優しさを、お友達も知ってます。
男の人なら恋人にしたいくらい好き。
でもね、男の人なら下心ありで私の事を見るでしょう?
女の子だから下心もなく、傍にいる。
傷付く覚悟ガンギマリで傍にいるの分かってるんだ。
だから『男の人ならこんなに好きじゃなかった』って言うんです。
苦しいね。死ぬほど苦しいよ。泣きそうだよ。