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末っ子  作者: 夏目 碧央
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独り暮らしを始めたら(テツヤ目線)

 僕らは、デビューして7年のボーイズアイドルグループ。最初はメンバー7人全員が一部屋に寝泊まりしていたが、4年前に引っ越し、2~3人部屋になった。そして今年、とうとう一人ずつ別々のマンションに住むことになった。というのも、今年は曲が世界的に売れて、人気急上昇。ファンが家にも殺到するようになって、分散させる必要が出て来たから。つまりは出世したのである。

 一人で住むのは自由があっていい。だが、長くメンバー同士一緒に暮らしていたので、寂しくなることも多々ある。毎日一緒に仕事をしているのに、寝る時に誰もいないのが変な感じがして、メンバーに電話してしまう事もある。


 だが、寂しいとかそういうのとは別に、俺はレイジの家に泊まりに行きたかった。それぞれ引っ越しが落ち着いた頃、早速レイジにそれを伝えようと思ったら、兄さんたちがレイジに、

「今日お前んち行っていい?」

と、聞いているのを目撃した。するとレイジは、

「俺、家に人を入れない主義なんで。」

と、生意気にも断っていたのだ。レイジは一番年下なのに。

 レイジは、兄さんたちに呼ばれれば遊びに行くが、自分の家には誰も入れない。それは分かっているのだが、俺はこっそりLINEを送った。楽屋にメンバー全員がいるところで。

―レイジ、今夜泊まりに行ってもいい?―

俺は、祈るような気持ちで返事を待った。レイジはスマホをいじっていた。俺の方を全然見ないので、既読スルーされるのかと思ったら、

―いいよ。―

と、返事が来た。

「や、やったー!」

思わずガッツポーズをしてしまった。

「何?どうしたの?」

兄さんたちにスマホを覗かれそうになって、慌ててLINEを閉じた。

「ゲームで勝った。」

そうごまかした。


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