第二のすゝめ:男の子より、女の子の方がしっかりしてて頼りになるよ
「お兄ちゃん・・・・・・」
「どうした。茜」
茜は妹のことです。まだ中学生だというのに、ヤクザに追われてこんな公園でボーっとしているのは確かに辛い状況だろうな・・・・・・
「大丈夫だ。俺がいたらヤクザに殺されることは無い」
さぁ言い切ってしまったぞ・・・・・・だってさっきのヤクザ無能だったし。あんなの1万人いてもおれ大丈夫だわ
しかし腹減ったな・・・・・・カップラーメンすら買えねぇよ。ホームレス兄妹だよ。貧困兄妹じゃないか・・・・・・
「あれ? なにしてんの?」
あ? ヤクザ・・・・・・? そんなわけないか。だいたいヤクザが優しく俺たちに声などかけるものか・・・・・・
で、誰ですか一体・・・・・・
「あぁ。青木か・・・・・・どうしたの?」
青木こと青木優。俺との関係は幼馴染、というか腐れ縁。なんだかんだ幼稚園から一緒にいる
まぁ幼馴染だね
「どうしたのはそっち。だからなにしてんの?」
ヤクザに追われて、家に帰れず路頭を彷徨っているんですよー・・・・・・
って言えるか! もう帰れよめんどくさい!
「てか、家来る?」
「あぁ・・・・・・いいや。迷惑になる」
「いや大丈夫だし。昔からの仲じゃん」
「そうじゃねぇ・・・・・・」
できれば青木は巻き込みたくねぇし・・・・・・一応大切な親友だと俺は思わせてもらってるんだし
それに女子の家に泊めてもらうとか、照れくさくて頼めねーし
「そう? じゃあ私帰るけど・・・・・・」
「あぁ。またな」
「いたぞ! 我島んとこのせがれだぁ!!」
「この糞せがれ!!」
糞息子が糞せがれに!? もうどっちでも良くねぇ?
てか空気読め! 人が自分の苦労を親友に掛けさすまいとしているこの、我島力という男の人生で一番カッコいいこと言ってる時に・・・・・・
無能なヤクザが・・・・・・絡んでんじゃねぇ!!
「青木。帰れ」
「帰んないし」
「いや、帰るって言っただろ?」
「でもあいつ等・・・・・・」
なんだ・・・・・・俺を心配してくれているのか? 泣けてくる・・・・・・親にも捨てられた俺には効く・・・・・・
でもあのヤクザは無能中の無能だし、女のお前が足手まといにでもなれば、それこそ勝てるものも勝てなくなっちまうんだよ・・・・・・
「オイ! 無能共! この子は関係ねぇからいらん事すんなよ! 我島小英の息子の力は俺だ! やるなら俺だけをやれ!」
と・・・・・・言っても、お前みたいなの1万人いてもかわんねーよ。バーカ!
というわけなので、青木さんは手を出さないでねー・・・・・・
「おーいチンピラ! 1対1でやれないのはかっこ悪いし、しゃばいぞー!」
彼らはチンピラではなーい! チンピラの方がまだ有能かもしれんけど、あいつらはヤクザでーす! あと青木は敵を煽るな!
は? おっさんたち何を青木に触ろうとしてんだ?
「女は黙ってろ」
「てかいい女じゃん。女子高生?」
「テメェ等・・・・・・青木に触れんじゃね「触れんなチンピラ」
え、えー? 青木? 昔からそんなんだった?
「イテェ!」
「ぐほぉう!」
「きゃひん」
青木つよっ! なんでそんな強いねん!
てか三人目の奴、あきらか見たことあるぞ!
「こいつら・・・・・・弱いね」
「だろ? 無能なヤクザなんだ。てか青木強すぎ」
「私空手とカンフーやってるの!」
「いやいや・・・・・・強すぎるって、いくらなんでも」
「あんなのだったら1万人来ても私が返り討ちにするから! うちに泊まってきなよ!」
「いや・・・・・・俺でもやれんだけど・・・・・・ま、いっか。じゃあお願い♪」
「キモイ・・・・・・」
普通に傷つくわ! キモイとか言うな!
まぁ、迷惑かけるのは悪いけど、青木がここまでやれるのなら大丈夫だろう。でもこれからはせめて無能の相手は俺がするようにしよう
しかし、青木の家か・・・・・・もう何年も行ってないな
あいつも昔とは違うだろうしなー・・・・・・特に腕っ節とか・・・・・・