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第十一のすゝめ:最初からそうすればいい

 マフィアがホテルにいる

 俺もホテルにいる。田中さんも佐藤さんもホテルにいる


 マフィアは俺たちを殺そうとする。俺たちはマフィアの手を借りたい、のだがパネファミリーとかいうマフィアのファミリーのボスのタマは俺が取っちゃいました

 激突必死!!


 「ホテルでまで戦闘かよ。勘弁してくれ」

 「言うな田中。俺だって嫌だ。でも金のためだ」

 「いや、俺金には興味ないんだ」

 「あ? 佐藤マジで? じゃあ取り分は俺が十でもいいのか?」

 「ばかやろう。俺を忘れるな」


 現在は目の前にはピストルマフィアが一名。マジで一人で何しに来たんだろう?


 『くそ! くそ! 死んじまえ!!』

 「あー? 何言ってるのかわからねぇよ。訳せ息子」

 「俺が訳せるわけ無いだろうが。佐藤さんに頼めよ」 

 「おい佐藤!」


 ――パキュン!


 「佐藤さん、何言ってるか分かる? おい佐藤さん?」

 「……げふっ」

 「「マジ!?」」


 当たっちまったよ。てかあれだな。銃声が鳴ったらまずビビんないとね

 もう慣れちゃったしな。油断しちゃダメだ

 という教訓を残してくれた、偉大なる佐藤さん

 俺たちはお前のことを忘れない。きっとこの作戦はうまくいく


 「不意打ちしてんじゃねーぞぉ!!」

 『うわっ! 速! グホッ!』


 なんか知らんが分かるぞ……

 田中さんは速過ぎるんだよ


 『チキ……ショウ』

 「ふぅー……佐藤! 無事か!?」


 忘れてたぜ。佐藤さんガチで打ち抜かれてたんだった

 どうも最近は緊張感というか、緊迫感が足りないな


 「ぐふっ……ちきしょう。どうやら俺はここまでか……」

 「まだだよ! 諦めんなよ! 佐藤!!」

 「佐藤さあぁん!!」


 あれ? 雅いたんだ

 マフィアが入ってきた直後いなくなったから、てっきりさらわれたかと思ったけど逃げてただけか


 「ちっ……血がとまらねぇな。できれば札束の山を……拝んでみたかったなぁ」

 「佐藤さん……」


 俺が言うこと。そんなこと一つしかねぇ

 俺にできる精一杯のことは、佐藤さんの心配を取り除いてやることだけだ

 大丈夫だからと!


 「あんた左の腕撃ち抜かれてんだわ」

 「「腕?」」

 「あぁ。どう見ても腕から血があふれてるだろ?」

 「「あ!」」

 「だからあんた大丈夫だ。戦線離脱にはなるけど、死にはしない」

 

 まぁ。佐藤さんが抜けるのは痛手だけど、仕方ないし三人でやっていくか!


 「つーか腕ぐらいなら働け」


 なんて言うか。馬鹿め

 

 「冗談……だろ? 重傷だぜこりゃ」

 「あ? 重傷とか関係ねーよ。ここで死ぬか、働くか選べ」

 「そんな二択!? 冗談じゃねーよ!」

 「あー大丈夫だ。「!」の記号が使えたら心配いらねー」

 「つかここでやめたら、取り分ゼロだぜ」

 「……」


 俺の一言で無言となる佐藤さん

 美しい形で日本に帰ろうとしたのだろうが、そううまくいくか!

 人生うまくいくことなんてない! これが今日の教訓だ


 「……ちっ! 仕方ねぇ。俺が手を貸してやるよ」

 「うざいからそのノリはやめろ。あと別に帰ってもいいぞ? 取り分はゼロだがな」

 「別に俺がいたら佐藤はいらないし」

 「どーでもいいっす」


 よくよく考えてみると、シチリア島まで来てしまった時点で、佐藤さんはただの戦闘要員だし、怪我したらマジで帰ってくれたほうが邪魔にならないかもしれないしな

 また打ち抜かれても面倒だし


 「……ふぅー」


 一度大きく息を吐くと、佐藤さんはせっせと左腕の処置を始めた

 まったく、最初からそうすればいいものを……


 そして、待つこと20分。どうやら佐藤さんの答えは出たらしい


 「怪我も大したことないみたいだ! さぁ! また4人でがんばろうぜ!」

 「元気になっちまって……」


 結局無かったことにして、佐藤さんは残留処置……

 最初からそうすればいいのだよ

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