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ブックバックというぜいたく ~時には特別なお道具を~

 かっこよく横文字にしてみたが、なんのことはない、『本専用のポーチ』である。栞やブックカバーほどの実用性はないため、これこそ読書をファッショナブルに飾るためのぜいたく品であると云って良いだろう。

 まあ、実用性はないわけではない。例えば鞄の中に本をそのまま突っ込むと、財布やら鍵やらスマホやらにあたってページが折れてしまうことがある。しかし本をブックバックに入れたうえで鞄にしまえば、こうしたことは絶対にない。つまり『本は絶対に傷つけたくないマン』にはむしろ必需品なのである。

 しかし、本は消耗品だと思っているアザとーには、そこまでして本の外観を保つ必要はない……のにブックバックを愛用しているのは、他でもない『かっこいいから』なのだ。

 何がかっこいいって、カバンから本専用のポーチを取り出してそれを開いてと、わざわざ手間をかける『読書しています』感、これ最高。

 時にはブックバックだけを手に、スマホと財布は尻ポケットにねじ込んで『読書のためだけに』ファミレスに行くとか、時間の使い方が超贅沢で良くない?

 実は読書というのはこの世で最高の『時間的贅沢』だ。だって、考えてみてほしい、文字を追うのってどうしても時間がかかるし、めんどくさい。アザとーは特に読むの遅いから、ラノベ一冊本気で読むには一時間はかかる。

 パートに行って、家事もして、文章も書いて……その他諸々の雑事をこなす中から捻出する一時間というのは、とてもぜいたくな時間なのだ。その時間をただ読書という文字を追う作業に充てる、これ以上楽しくて贅沢な時間の使い方はない。

 そんな時間のぜいたくを楽しむときに、いつも家事の合間に使っている擦り切れたブックカバーで、いつものようにあわててページをめくるような読書じゃもったいないでしょ? そのぜいたくに見合うだけの手間と演出を――つまり、パーティに行くのに普段着で行かないでしょ、って感覚だ。

 さて、このブックバック、アザとーはちまちま簡単なものを縫うのが好きなので自作のものを使っている。作り方は『封筒型ポーチ 作り方』や『数寄屋袋 作り方』で検索できるので割愛。

 自作する利点は、自分の好きな布地で好きな大きさに作れるということ。アザとーはリサイクルショップで手に入れた着物の端切れや、子供用の明るくてかわいいプリント地で作る。着物地は見るからに高級感があり、何より手触りの楽しさがある。プリント地は、これは完全にかわいい物好きな俺の趣味だが、自分のお気に入りの色味や柄が手元にあるというのは目にも楽しく、心いやされる。

 別に自作せずとも、百円屋へ行けば大小さまざまなポーチが並べてある。特に文具コーナーには紙モノを入れるために作られたポーチがいくらでもあるのだから、好みのサイズも探しやすい。他にもリサイクルショップやきちんとした鞄屋など、要するに『本が一冊入る大きさの好きな入れ物』であれば、何でもいいのだ。

 コツは、逆に『本が一冊しか入らない大きさ』のものを選ぶこと。ぜいたくなディナーに出かけるときに、普段使いの野暮ったいバッグにごちゃごちゃ日用品を詰め込んだりしないでしょ? それと同じ、ここで大切なのは時間をぜいたくに使うための特別感を演出すること。

 ブックバックを本の保護に使う向きにも同じことをお勧めする。本を傷無く保護するためにはピッタリサイズのものの方がカバー効果が高いからだ。

 さて、お気に入りのブックバッグが見つかったら、さっそく本を持って出かけてみよう。向かう先はファミレスやカフェなど、いわゆる『コーヒーいっぱいで粘れる場所』の方が落ち着く。サービスのいい店員さんに邪魔されることがないからだ。

 読む本はもちろんお好きなものを。わざわざ非日常空間に行って読書するのだから、この機会に『普段は読まないもの』をチョイスすると、時間をぜいたくに使っている気分がさらに盛り上がること間違いなし。



 田舎のスタバは程よくすいている、店の一番奥の座席が空いていれば理想的。買ったばかりのトールサイズのカップを小さなテーブルの上において、スタバ特有のこじゃれた椅子に身を投げ出して、少し行儀悪く脚なんか組んでみたりして……それから手にしていた小さなブックバックを無造作にカップの横に並べれば、日常から脱出する準備は完了だ。



 って、カッコイイことを書いたが、忙しい現代人は、そうした特別な一時間を捻出することさえ難しいかもしれない。そして、その忙しさに対して読書という趣味は時間をぜいたくに食いつぶし過ぎる。

 まあ、おれだって、そんな理想的な読書時間を過ごせるのはたま~に、それこそ頑張っている自分に対するご褒美なわけで……

 だが、手元にブックバッグが一つあれば、ちょっとした日常の合間に時間を見つけたときにも、「あ、あの本読も」とブックバックを開けるひと手間の間に物語の世界という非日常に入り込むための心の準備が無意識のうちに整う。ぜいたくな暇つぶしを楽しむための本にはぜひともブックバックを、マジおすすめ。


 と、このように『読書』を特別なものとして演出するためのドレスがブックバック。

 せっかく読書を趣味としているのならば、ぜひとも手元に一枚は持っておきたいぜいたくな逸品なのである。


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