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栞 ~最強なのは書店のレジ横に置いてあるアレ~

 さて、前回は装飾的な栞の話をしたわけだが、今回は『実用的な栞』に的を絞って語ってみようと思う。ハードな環境で読書することの多いアザとーの場合、どちらかというとこっちの栞を愛用している派だったりする。

 実用的な栞に求められる要件は以下の通り。


 1. 検索性能

 2. 廉価であること

 3. 操作性


 1について言うならば、例えば電車の中で、あるいは仕事の休憩中に読みかけのページを開こうとする場合に、指をかけてパッとめくるだけで目的のページにたどり着くという検索性能はとても大事なものである。

 もっともそれだけの機能でいいのなら、ページの間に何か挟めば用は足りる。もとから背表紙に貼り込まれた栞リボンでもいいし、手元にあるメモなりレシートなりを挟み込めば十分だ。

 ただし、栞リボンは素材的に頼りなく、すべての本に装備されているものではないのだから、毎回これを使うというわけにもいかない。レシートや不要メモは本を汚す恐れもある上に貧乏くさい。

 ただ、こうした不要な紙を使うというやり方は2の廉価であることという要件も満たすため、栞を秒でなくすクラスのうっかりさんにはお勧めだ。本をどこにでも持ち歩き場所を選ばずに読むということは、栞を紛失するリスクも高いということで……高価な素材で作られた栞なんかだと、落とした時にお値段思い出して泣けちゃうでしょ? だから実用に限っていうならば不要レシートも悪くはないのである。

 さて、不要レシート唯一の欠点は3の操作性だ。財布やポケットをあさって、レシートを並べてみてほしい。お分かりだろうか、長さがバラバラなのである。レシートの横幅というのはよほど特殊なレジを使っている店でない限り、すべて統一されている。しかし縦幅は買ったモノの品数や店のロゴ、それに書きこまれた宣伝文句によってめっちゃバラバラになる。まとめ買い派の主婦がスーパーで買い出しした時のレシートといったら、ちょっとそこらにほおり出しておいたら蛇かと見間違えるくらいに長いのだ。

 もちろん折りたたんで使えばよいのだが、レシートに使われる感熱紙はツルツルしているため、次のページに挟もうと本から引っ張り出した時にバラリと広がってストレスになる。かといって短いものを選べば、今度は紙が薄すぎて栞としての存在感がない。一時しのぎとしての代用品なら

 ば良いが、長く使うにはちょっと頼りないもの、それがレシートである。

 ならば逆に栞として適しているモノとは……実は書店のレシート横に置いてある『ご自由にお持ちください』がベストアンサーなのだ。

 まずは1の検索性能、これは本に挟める形に作られているのだから何も問題ない。特に読んでいる最中はこの栞の先っちょをほんの少し本からはみ出させて挟む人も多く、ここに指を置いておりゃっとめくれば読みかけていたページがすぐに開ける。

 さらに無料でもらえるのだから2の廉価性も満たしている。少しハードに使ってボロびてきたら新しいものをもらえばいいし、電車の中で落としたことに気がついても焦って探し回る必要はない。

 見た目的にもレシートなんかより美しい。それがたとえ書店の宣伝文句であっても、最初から栞として印刷するためにデザインされたものであるのだから、貧乏臭く見えないのだ。

 且つ3の操作性……実はこれ、ストレスなく読書するには一番大事だったりする。要するに電車で夢中になって読書をしていて、次が目的の駅だというアナウンスでハッと我に返ったとき、栞を挟んであったページから引き抜いて新たに読みかけのページに挟むという動作が軽量に行えるか、ということなのだが。

 こういうことは物理赤点だったアザとーが解説することじゃない気がするが……実は紙は摩擦抵抗の大きな物質で、しかも書籍状に閉じると圧力も加わってノドの近くは相当硬くなる。ここに挟んである栞をスイと抜くには、しおりが手でつまみやすい厚さであることと圧力の影響を大きく受けないように薄手であることの二点が必要になる。この相反する二点の丁度良いバランスが薄手の厚紙で、ツルツルした表面にカラー印刷を乗せた無料栞なのだ。

 ちなみに大きさも文庫本に挟んで使うならばベストサイズ。栞として市販されているモノに比べるとやや小さく感じるが、それは文庫本サイズだからであり、きちんと文庫本に挟んで使えばいかにそれが計算されつくしたサイズなのかを思い知るはずだ。

 文庫本は小さいから、ここに大きくて分厚い厚紙を挟むと片手で本を持った時にページに厚紙の形が浮いておさまりが悪い。その点無料栞はページを浮かせるほど熱くもなく、また大きくもないから手に対して座りが良い。

 かといってこれ以上小さいと、ページに影響は出ない代わりに栞がページの間に埋没して探しにくい。目立たず地味過ぎずというのを考えるなら、これがちょうど良いサイズなのだ。

 とはいえ、この栞にも弱点はある。宣伝用なのでデザイン性がちょっとね、ということだ。もっともそれは自分の感性の問題であって、例えば新刊のキャラが印刷されていたり、文字ロゴでおしゃれにデザインしてあったりと、「お、これならば使ってもいいかも」と思えるものが必ずあるはず。何しろ宣伝用ではあってもきちんと栞用にデザインされたもの、絵面としては良くまとまっているのだから。


 実用的な栞の王道は『書店のレジ横にあるアレ』、ということで、お会計のついでに、あなたもお気に入りの一葉を探してみてはどうだろうか。書店へ足を向ける新たな楽しみとなること請け合いなのだ。


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