07 リリィ式a little 普通じゃないローラー作戦
「ぉ、おぉう……」
その、なんというかですね。取り敢えず本当に普通の生活というものを返して頂きたいとわたくし切に願っております。かなり本気で。そりゃいつも本気で普通を願ってますけど、今日はその軽く5倍は願いが強いですよ。ぶっちぎりで。
ねぇ、ママ?ママの実家ってね───どうしてこんなに大きいの?
いや、いやいやいや、何この絵に描いたような豪邸。お世話しゃんがいる時点で変だとはおもったのよ?それがなくともママさんもパパさんも若いのに立派なお家に住んでらっしゃるし、うん。いやーでもこれはちょっと……ないわぁ………なんかもう頭がショートしそう。普通がどんどん私の元から離れていくの、泣きそう。おんぎゃあ。
現実逃避にママさんのお胸の中でぐしぐし潜り込んでたら誰か来ましたよ?、若い女の人です。
「あら……?あらあら!早かったのねーっ!おかえりーっアリシア、 エミリーっ!!」
スタタタっ────ガシィッ!!
「──おふぅっ!?」
苦じぃっ……私もいるのっ!潰れちゃうっ!?──よく見たらエミリーさんも一緒に巻き込まれてるし、ルティスくんも私と似たようなプラス状態になってるけど!何でっ!?なんでこんな時もそんなにぽやぁっとできるのぉーっ!?貴方やっぱりおかしいよーっ!?
「ちょっと、ママっ!?リリィとルティスが潰れちゃうから落ち着いて、ほら離してー!」
「お、お母様っ!?落ち着いてくださいっ!」
「もー、エミリー?そんなに堅くならなくていいっていっつも言ってるでしょう?ほーら、ママってよぶのっ!」
「マっ……お母様っ!そろそろ離してくださーいっルティが潰れちゃいますーっ!」
「う?」
御宅のお子さん余裕綽々ですけどね!
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本気で死ぬかと思いました。本気と書いてマジです。
ママさんのお母さんって私のおばあちゃんなんですよね??そうだよねぇ、私のママってまだ20歳だもんねぇ……おばーちゃんがどうみてもおねーさんにしか見えなくてもおかしくない……いや、普通じゃないよねぇっ!?おかしくないっ!?なんか、流されかけたけど普通じゃないですよねっ!?
あぶねーっ!なんだよチクショーっ!
「リリィちゃんもルティスくんも写真でみたよりもずいぶんと大きくなったわねぇっ」
──むぎゅうううう
「お、お”ぁあああ」「う?」
苦しいです、お祖母様。
「アルちゃんもまた大きなったねぇっ!」
「うんっ!おばーちゃんはいつもきれいだねっ!」
ほぉ?お兄ちゃん、なかなかやりますねぇ。その歳にして年上キラーですかぁ?
「やぁーんっ!もうっ可愛いっ」
──むぎゅう
「ぐひゅぇっ!?」
今、すごい声出たよね。それ肺から空気が出た音よね?普通に大丈夫じゃないよね今の。
「お母さんっ!?アルつぶれちゃうでしょっ!」
「あら、いけないっ!ごめんなさいねー……だって、可愛いすぎるんだもの」
ちょっとあの、テンション高すぎませんか?私もよくいわれたもんですよ?普通にテンション高いよぅっ!普通に落ち着いてよぉっ!って。もう少し普通に、普通にぃいいいいっ!──いてててっ!?
「リリィちゃんも、ルティスくんもよーっ♪」
──むぎゅうーっ!
「ぅ”ゃぁああぅ」「う?」
「もうっ!」
大母様は見た目だけでなく、中身もかなり若いみたいです。お祖母様というのも烏滸がましいので大母様とお呼びします。おや、奥の方に誰かいますよーっ?
──タッタッタッ
「あら、テオくん!久しぶりねぇ、私のことわかるかしら?」
「おぼえてますっ!こんにちは、アリシアおばさんっ!」
ほぉん?叔母さん?ほぉん?
「お、おばっ……いや本当の事だからいいんだけど……やっぱりしっかりしてるわね。それにしても昔のユルト兄さんそっくりねぇ……」
「うーー?」「………」
「この子はテオ君って言ってあなた達のいとこなの。って言ってもわからないわね」
「あーうー?」「…………」
あちゃあ、ルティスくんぽやぽやモードですか。
ママさんっ!安心してください、私はルティとは違って普通にわかりますよっ!テオお兄様は6歳くらいかなぁ、なんだかすごくしっかりしてるなぁ、普通以上に。ねぇ、この家普通の子いないの?ねぇ?私しかいないの?
──じゃなくて!!!さっきあなた達のいとこ?っていいましたか?
「この子達がリリィちゃんとルティスくんですかぁ?あっ僕アルくんのことはちゃんとおぼえてますよっ!」
「そうよー。そだ、この子達の面倒みてくれる?私達パパとママとお話してくるから」
「はいっ!」
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私とルティス君はおっきなお布団の上に居ます。これがふかふかで気持ちいいんですよー。いっつも赤ちゃん用のベッドの上だったから少し目線が高かったのだけれど、こうして床にいると私って本当に赤ちゃんなんだなぁって改めて感じます。
──はやく、成長したいなぁ。
「ねぇねぇテオ兄ちゃんっ!おじーちゃんはっ!?」
「おじいちゃんはね、今お仕事なんだって。だから僕と遊ぼっか」
「やたーっ!」
アルスお兄ちゃんの事はテオお兄ちゃんに任せておいて良さそうです。テオお兄ちゃんはかなりしっかり者みたいですねぇ。私的には大人達のお話を聞きたいんだけどなぁ。
『あなた達のいとこなのよー!』
ママさんのあの発言もそうだけど、大母様とエミリーさんのやりとりと雰囲気とか見ていて、やっぱりただのお世話さんではなさそうだもんねぇ。──ママって呼びなさい!なんて一介の侍女に対して普通は言わないでしょうし。
でもエミリーさんとママさんに血の繋がりはなさそうだしなぁ……やっぱりこの家の赤子としては普通に気になりますなぁっ!ていうかそうなるとルティと私もいとこ同士?ねぇルティ、私達いとこらしいよ?と視線を交わしてみますが、普通に伝わらないか。この役立たずめ!
気になるなぁっ!もうっ!この好奇心をどこにぶつけてくれようっ!
「………う?」
うーん、ルティでいいや。にじり寄って……足を狙って……えいっ!
「やあああああっ!」
「う?……うゃーっ!」
ははははっ!捉えたぞっ!いくらもがこうが……あーっ!抜けられたぁああっ!おぉおおっ!高速ハイハイっ!?これはすごい技がでましたねぇっ!いいでしょう。私にも考えはありますよ。ふふふふ……寝転んでそのまま──ゴロゴロゴロっ!
「ひょやあああああああっ!」
「う?……おゃぁぁぁぁっー♪」
ははははっ!私の機動性を舐めるなよぉっ!なんてったって私は普通である為に普通を捨ててa little 普通じゃないを極める女ですからねぇえええっ!
「えぇ……最近の赤ちゃんってすごいなぁ……」
「リリィ可愛いなぁ……」
「あ、アルくん……??」
いひひひひひっ!まてーっ!!
「お”ぁあああああああっ♪」「やぁああああああっ♪」
転がり過ぎで盛大に酔いました。ルティス君は疲れて寝ました。
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──バタバタバタバタバタバターっ!ドタドタドタドタっ!
「ねぇ、なんだか子供達やけに賑やかじゃない?」
「アルかなぁ。ほら、最近騎士ごっこにハマってるから、あの子」
ほ、ほんとにアル君なのかなぁ……もしかしてあの二人なんじゃ………?いやいやいや、何いってるの私。あの子たちはまだ1歳にもなってないのに。
「テオだけでお守り大丈夫かしらねぇ……」
「騎士ごっこか……なら私が基礎か──痛い痛いっ!やめてくれサリナっ!冗談だ、冗談!?」
「「……どーだか。」」
「あ、ははは……お変わりないですねお兄様も」
「そ、そういえば父さ──
『ぬぉおおおおおっ!!リリィィイイイイ!ルティスゥウウウウウウっ!!孫よ!!!!会いたかったゾォおおおおおおおおおっ!!!!!』
──ビェエエエエエエンッ!!!ギャァァァアアンッ!!!
「あら泣いちゃったわね……ルティかしら?」
「お父様にびっくりしたみたい……あれ?でもなんかルティにしては………アリシア違うよこれリリィだよ!?ルティじゃないっ!!」
「……えっ!?嘘ぉっ!!あ、本当っ!えーっ!?あの子しおらしく泣くから、こんなに大声で泣いた事なんてそれこそ、ここ数ヶ月はなかったのに………」
『!?!?!?なんだぁっ!?リリィイイイイ!!!!どうしたぁあああっ!?ぬぉおおおおおおおっ!!どこか痛いのかぁぁぁぁぁぁぁあ!!!?!?』
お、お父様ぁ……それは逆効果です……
「これは……とりあえず宥めに行こうかしらね」
「うふふ〜……愛しい孫娘を泣かせるなんて少しお仕置きがいるかしら…?」
「お母様のお怒りモード久々に見ました……」
「さて私は稽古でも……冗談だサリナ、そのナイフを下すんだ。」




