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普通を極めた私が美少女に転生ってそれなんて生き地獄!?  作者: namine
3章〜色々と過ちを犯しつつある幼年期〜
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非凡と非凡の出会い

おはようございます、よく眠れました。


 

 とある一室、二人の幼児が仲睦まじそうに会話を広げていた。かたや超絶普通のジ・アルティメット・ノーマル・幼児。そして……君はなんなんでしょうかルティス?


「はぁ、マジでほんとないわー。ねぇ、ルティ」


「ないないー!」


 凄いですよね、子供って。ちょっと前までまた結構呂律がね、回ってなくて舌ったらずだったんですけどあれから半年過ぎたあたりを境にかなりはっきりと喋れるようになってきたんです。


 まぁ、でも安心してください?これも大いなる普通の一歩、普通の礎となりし偉大なる身体の成長に乾杯せねばなるまい。みてみてほら、バランスも良いんだから!!


 カモンベイべっ!!つって、ほら右手クイクイつって!!やれるもん!だってそら私もティクトックとかちょっとくらいやりたかったもん!!だって!!今時のJKのバイブルみたいなもんでしょう!!まぁ、知らんけど!!私2歳児だからしらんけどさぁ!!!!


 では話戻しますけど。それで中身女子高生の私はさておきこのルティスくんが私も普通の子供と同じように成長してるよ!って教えてくれるわけですわ!!教えてくれるわけですわ!!


 教えてくれるわけですわ!!!


 3カメさん、次はもうちょっと寄ってくださいね。お願いね、私一人でテンション上がってカメラ目線してるのすごく嫌ですから。


「ねぇルティ、ルティはリリィにとって生けるきょーかしょみたいなもの。いとおしいルティス、リリィがせきにんをもってサイコーのふつうびとにしたててあげましょう!!」


「………」


「いやなんでこのタイミングでたましい抜けるねん」


 ぽやぽやルティになってしまえば無理やり意識を戻させない限り10分は帰ってこないのでもう放置しちゃいましょう。皆さんきっと気になっているでしょう、この私の魔力特訓の成果を!!ええ、ええ!なんたってこの私の普通度合い、ジ・アルティメット・ノーマル・ベイビーのこの私が如何にして普通に魔力を使えるようになってるのか!


 こんなん知りたくない奴いる?


「うんうん、みんなしりたいよね」


「……」


 いつもならここでルティが最高の相槌役として機能してるんですけどね、まぁそのトランス状態になったらしばらく返ってこないもんですから。私一人で盛り上がって寂しいやつとか思ったやつおったらマジで許さんからな。円周率は3じゃなくて3.14で計算するのが普通なんだぞ!わかったか!!


「おっほん、では手始めにこの慣れ親しんだ水鉄砲型魔導機で……はいぃい!!」

 

 ぴゅーーー!!!!


「いくよ、いくよ!とめちゃうよ!えい!」


 ぶしゅううーーー!!!!


「えいっ!えいっ!」


 どばばばばばあぁああーーー!!!!


「きぇえええ!!!魔導機をぶん投げる)」



 はい、出来てません。


 もうなんなのやだぁ、やだやだ。だって、だってルティスでも制御できてるんですよ?この魔導機ずっと私の部屋に置いてたんですけど、1ヶ月ほど前にルティスが急にそれを持って当たり前のように窓に向かって水うって遊んでたんです。しかもめっちゃ上手なんですって、歯止め効かないしどんどん水量は上がるしほんとこの私のと差よ。


 アサルトライフルみたいな出しかたするんですもん。シュババババババって、もう心なしか音すら違うように聞こえてくるし、リコイルもえぐいし。そんな小刻みにon off切り替えるとか絶対に無理……


「あ"ーーっ!!もうやだぁーっ!!」


 癇癪起こしたって仕方ないのは私が一番わかってる。でも、どうしても暴れたいというか感情に引っ張られてしまう時があるみたいで。何を今更って思ったんですけど逆に私が、所謂私の魂がリリィの身体に寄ってきてしまってるのかもしれないんです。


 わかんないですけどね。


「御機嫌斜めなところ申し訳ないんだけど、ちょっといいかしらん」


 いつからそこでみていたのかは知りませんけれども、ニマニマとした顔でドアから此方を覗いていたママさんにとりあえずクッションをぶん投げました。


「やーだ、リリィったら反抗期?もーそんなとこもカワイイ!!」


 私の中の愚〇独歩がブチギレ一歩手前でしたけど、なんとか宥めることに成功。微妙な顔をしていると、ママさんが謝罪しながら抱擁してきます。日々を重ねるごとにママの溺愛度が加速している気がしてならないのは何故?


「あのね、リリィとお話したいって人が来てるのよ」


「りりぃに?どうして?ロリコンなの?」


ママさんが聞き慣れない言葉に不思議そうな顔をしてます。ロリコンって概念はないのかぁ。


「なんでもないの」


「あらそう?今から降りてこれる?」


「ルティは?」


これだけ騒がしくしても依然として動く気配のないフリーズ中のルティスを一瞥しますと、私とそっくりな顔したママさんもちらっと其方を見ていつもの笑顔でこう言いました。


「ほおっておいてもいいんじゃない?」


「えぇ……?」


「じょーだんよ、じょーだん!」


絶対嘘だよ。



 ◇



ママさんに抱きかかえられて居間の前まで来た時にドアは私が開けたいと言いました。


 ───ガチャリ


そろーっと中を覗くととても若い男の人……いうてもママさんも滅茶苦茶若いからちょっと年下くらいのジュノンボーイみたいなやつが居ました。なにをどうして、そんなに顔面水準を上げてくるんでしょうかね?アホなんですか?美形しか居ないのかよこの世界には。


「あっリリィちゃん、だよね?」


「……あの、間に合ってますんで」


「えっ?」


 ──ガチャンッ


「ちょ、ちょっとリリィ?」


「つい、うっかり」


「もう、貴女たまにおかしなことするわよねぇ」


落ち着け私。逆説だ、逆説。


逆に顔面偏差値が高い世界において私の容姿も普通なのでは?エ?これ天才か?違う、普通か?


 ───ガチャリ


「あ、良かった……リリィちゃん、少しお話しできるかな?」


「かんゆうとか、そういうのいいです」


「か、かんゆう!?」


 ──ガチャンッ


「ふ、ふふ……リリィ、ダメでしょ?ね?」


「ママ笑ってるじゃん」


「だって、そんなの一体あなたどこで覚えたの?」


「ひみつっ」


 ──ガチャリ


「僕そんなに人相悪いかなぁ……子供には好かれる自信あったんだけどなぁ」


 本気で凹みモードに入っているみたいなので、流石にお遊びはここまでにしときました。一回やってみたかったの、門前払いごっこ。だって私って一人暮らしとか始める前に死んじゃったからN◯Kの料金徴収とかされたことないもん、じぇーけーだったし。


「おにいさん、ごめんなさい」


「えっ?あ、いやいや大丈夫だよ!いきなり知らない人が来て警戒できるのは素晴らしいことだから」


 そこでママさんが立ち話もあれなので、と私とおにいさんを椅子に座らせました。ママさんはエミリーさんの手伝いをしてくるとキッチンに向かってしまって今は私とおにいさんの二人だけ。


「あ、じゃあ先に自己紹介しようね。僕の名前はアレクって言うんだ。それにしてもリリィちゃんは本当に小さい頃のママにそっくりだねぇ」


 あれく?どこかで聞いたような気がする……


「アレクお兄ちゃんは、ママ達の知り合いなの?」


「そうだよ、リリィちゃんのママやパパには()()()お世話になったんだ。」


「う”っ、さてさて~私は席をはずそうかしらね~」


非常ににこやかなのにどこか冷気を伴う笑顔でママの背中を見送ってらっしゃる。お世話になったという部分に若干の含みを感じてしまったんですが、とりあえず気のせいということにしたい。


「本当はもっとはやくリリィちゃんに会いに来たかったんだけれど、実はつい先日までこの国を離れていてね」


「はえー」


ママの一つ下くらいに見えるアレクさんですけど多忙なのかな?うちのパパも忙しそうではいるけど滅多に国外には出てはいないものね。


「リリィちゃんは魔力の調整が上手くできてないんだよね?」


「うん……どばーってなっちゃうの」


「そっか、そっか。実はね僕も生まれつき魔力が多くて制御するのがすごく苦手だったんだ。」


「そうなの?」


「うん、確か初期魔力値が13000だったかな。魔力計測っておぼえてる?ミザリーって赤い髪の毛のお姉さんが測ってくれたと思うんだけど……流石に覚えてないかな」


「ん?んー……あ」


 ミザリーという名前が出てきて、ある会話がフラッシュバックしてきた。




「すごーい、じゃないって!!平均値の3倍近くあるってこれとんでもない事よっ!私が知ってる中でも最高は13000くらいだったと記憶してるのに……」


「アレクでしょ?じゃあうちのリリィはアレクより天才じゃない!」





「あーっ!!!天才のあれくだ!!」


「えぇっ!?ち、ちょっと!?アリシアさん達、子供に変なこと吹き込んでたりしないよね!?」


 キッチンから二人の笑い声が聞こえて来た。なんか色々察しました。この人はママさん達の弟分だったんだなぁ、なんか哀れみです。


「昔の話は勘弁してよ全くもう……り、リリィちゃん?僕ほんと天才とかそんな器じゃないからね?」


「そうなの?場合によってはぶりょくによるだんあつもしやにいれるよ?」


「なんかおっかないな!?ほんとだよ!?僕なんか、ぜんっぜん普通だからね!」


「おにいちゃん、だいすき」


ダイビングした。


「うおっとと、距離の詰め方なんか特に君のママそっくりだな」


 普通の人間。なんて甘美な響きでしょうか。しなやかでいて、そして一途な佇まい。これこそ私の求めていたアンサー!!


 この人は良い人だと、そう確信しました。


キースとアルスが本能的に危機を感じ取ったのはここだけの話です。

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