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普通を極めた私が美少女に転生ってそれなんて生き地獄!?  作者: namine
2章〜普通になりたかったあかんぼ期〜
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10 雄大で壮大なノーマル役所サァン


うーん、検査とはこれ如何に。地球のお話だったら予防接種の注射とか、色々あったけどなぁ………でも、さっきユルト叔父さんが市役所って言っておりましたのでその線はマジ薄ボンバーです。


というわけで私達は今ママさんに連れられて市役所へと向かっている訳ですけど、いかんせんこの人達普通じゃないからね?もうほんと目立つの──すんごい見てるの。


よくよく考えれば、当たり前なんですよ。片や煌びやかな金髪をハーフアップにして纏めたTHEお嬢様な正統派美少女、片や大海原を彷彿とさせるような濃い蒼髪をシニヨン風に纏めたおっとり系清純派美少女。だというのにその腕の中には赤子ですよ?


男の人は勿論のこと、女の人までみてますの。うわぁ、綺麗な人達だぁ……え、子供いるの!?みたいな目で見るの。私だけ普通。私だけが普通。わたs───


「リリィちゃん凄く見られてるわね、可愛いから仕方ないかぁ」


だから私は普通だっつってんでしょうがっ!全くもう!ママさん、もしかしてあなた自覚なしですか?


「ル、ルティスだって可愛いもんねーっ?」


張り合うんじゃないですよバカ親どもめ!全くもう!十中八九、貴方達二人が注目されているんですってばもう!……はぁ、困ったもんだよねぇルティーっ?


「…………う?」


だーめだ、憐れめの視線で見て見たけど全ー然伝わんない。せめてこの子と同じできるくらいには早く成長したいなぁ。市役所かぁ、普通な響きでうっとりしちゃうなぁ。市役所。はぁん、なんて素敵な響きなのかしら。私公務員大好き。市役所に勤めたいと思ったくらい好き!──なのに、なんだこれ。


聖堂でしょこれ、違うの?嘘つかないでよ、もーっ!ママ達ったらうっかりさんねー!市役所と大聖堂を間違えるなんてそんな、あっはは ♪ もーっうっかりさん!


「住民課どこだっけ?」


「えーっと、三階?」


「うゃぁぁぁあぁぁっ!!?」


じゅうみんかぁ!?!?こんなに豪華な造りの市役所があってたまるかぁ!バカなのっ!?!?!?税金泥に流してるのっ!?なんで?どうして?おかしくなーいっ!?


「ひゃっ!?どうしたのリリィ?」


どうしたの?じゃないですよ!貴方達の頭がどうかしてるんじゃないのかっ!お役所ですよね、これ?実は神様がお勤めしている役所 = 聖堂! とかあったまおかしいこと言いませんよねっ?ね?これ普通なのよね?わかった、普通なのね。じゃあいいよっ!これが普通なんでしょっ!ばーか!


「うやぁうぅ!」


「うふふ、そうねぇ、市役所大きいねぇ ♪」


都合よく解釈してんじゃないですよ!もー!なんて、そんな事言ってたら目的の場所に着いたみたいですよ?やっぱり認めたくないなぁ、螺旋階段とかちょっと舐めてますよね?どんだけ金かかると思ってるんですか?ここ市役所ですよね、ねぇ?もっかいきかせて──ここ市役所ですよね?


「こんにちはぁ」


「こんにちは、あら可愛らしい赤ちゃんですねぇ……妹さんでしょうか?」


「あら、違うんですぅ。うふふっ、娘ですぅ〜 」


何喜んでるんですかママさんよぉ!こちとらパニックですよパニック!市役所を認めようか認めまいかの瀬戸際ですよ!


「えーっ!お若いですねぇ……少しお手を借りても?」


このお姉さんグイグイ来るなぁ。


「手ですか?はいっ」


「あ、いえ奥様ではなく其方のお子さんの」


あ、私でせうか?はい。


「あら、賢い子ですねぇ。ではお手を拝借………ふむふむ、成る程、ははーん」


す、凄い一体何がこの姉さんには見えているのでしょうかね……なんか、やばい人に捕まったんじゃないのかこれ!やばいっ普通じゃないってばれ──何言ってんだよっ私は普通だってんだこのやろう!


「……ありがとうございます。奥様……この子はもしかして───」


「うゃぁぁぁぁぁぁあああっ!?」


「────赤ちゃんですか?」


…………………なにいってんだこいつ


「え、えぇ。そうですよ……?」


「ふふっ冗談です。私少しだけ占いみたいな事が出来るんですよ。この子はそうですね、良くも悪くも非凡なようですねぇ、魔力も中々のものかと」


おい、次は本気ですよみたいな顔してなにいってんだこいつ、どっちみちなにいってんだこいつ。だよ!私は普通だって言ってんでしょーが!ぶっとばしますよ!え、ちょっ、ちょっと待って魔力って何、何の話?


「あらあらっ本当ですかぁ!……あっそうですっ!この子達の魔力値と適正の初期検査をお願いしに来たんですよっ……えっと、それでミザリー・ハミルトンは居ますか?」


あ、あれでしょMr.マリ○クの事でしょう?マリョクですよね、きっとそうだそうに違いない。


「あら、それはそれは……直ぐにお連れしますので少々お待ち下さい」


『ミザリーっ!……貴女のお友達がお子さんの検査を受けに来てますよーっ!──なんだか、凄く綺麗な奥さんが二人っ!そう、金髪と青髪ーっ!』


──ガラガラガラっガシャァンッ!………バガァン!


「すいません……もう暫くお待ち下さい」


「な、なんか凄い音しましたけど………」


「いつもの事ですので」


「は、はぁ………」


ま、ままままま魔力ってなんのことだろうね?へへへへっ!面白いなぁママさんはっ!魔法なんてあるわけないじゃないねぇっ?地球にはそんなもんなかったもんっ!まぁ、ここ異世界ですけどねチクショウ!


──ガシャンッドゴォオオン……カラカラカラ………カラン。



さっきからとんでもない音が奥の部屋から聴こえてくる、やっぱりここ市役所じゃないんじゃ……とやかく言っていたらオレンジ色の髪をツインテールにしたママさんと同い年くらいの女性が肩で息をしながらやってきました。



「はぁっ……はぁっ………ごめんごめーん!お待たせっ!と同時にだーいぶっ!」


『きゃぁっ!?』


うぐぇっ!?なんだこの既視感はーっ!潰れる、潰れてしまうううっ!この世界の人たちは馬鹿なのか!


「にゅふふーんっ二人とも久しぶりーっ!リリィちゃんもルティスくんもおっきくなったねぇっ!」


あ、会ったことあるんですか。私が意識を持つ前ですかねぇ、こんなに強烈な人忘れるはずないもの。


「お母さんといいミザリーといい、出会い頭に抱きつくのやーめーてーっ!子供達が潰れるでしょっ!?」


全くですよっ!普通に考えて赤ちゃんに向かって飛び込みませんよっ!普通に!


「お、おかわりないようでなによりです……」


「えみりんまた美人さんになったねぇ。アリシアは……うーん、かわんないね!」


「ちょっと、それどういう意味よ」


良くも悪くも若いってことですよ多分。


「教えなーい。それで検査でいいのかな?」


「もうっ!……はーあ、そうよ。リリィは今月で6ヶ月だしルティもまだなの」


「あーっか、それじゃ早速行きましょうか」


…………え、どこに?


ーーーーー


子守を請け負った手前、剣を振るうしか能のない私に気の利いた遊びなんて思いつくはずもなく、テオに何がいいか聞いてみれば剣の振り方を教えてやればいいのではと、気を遣われた。私は息子にすら剣を振るうしか能がないと思われているらしい。我が子は賢いな。


しかし、まぁ本当にそれ以外思いつかなかったから低学年用の柔い素材でできた訓練用の棒を持ってきてみた。


「ふむ、流石キースの息子だな。様になってるぞアルス」


「ほんとーっ!?やったぁーっ!」


──ブンブンブンブンッ!


「危ないから余り振り回してはいかん」


「はーいっ!」


「キー……パパからは習ったことはないのか?」


「うんっ。まだはやい~って言われちゃった」


ふむ、そうか。かくいう私もテオには未だにしっかりとした稽古をつけてやれてはいない。今日は堅苦しいのは無しにしてテオと二人で遊んで貰えばよか──


「お父さん、僕もそろそろお稽古をしたいです!」


「なにぃっ!?」


あ、慌てるんじゃない。堅苦しいのを無しにしようと気持ちを固めた手前で焦っただけではないか。いや、それにしても虫を殺めるのも渋るようなテオ自ら稽古をしたいというとは思わなかった。


「テオ……剣をふりたいのか?」


「僕だってフランディルド家の男ですよ?」


「!……わかった、今日からお前に稽古をつけよう」


「はいっ!」


父さんも私が剣を振りたいと初めて告げた時、このような気持ちだったのだろうか。ああ、サリナ。きいてくれ、この子が稽古を……


「ダメにきまってるじゃないですか。約束は約束。7つになるまでダメですよ」


「「ええ??」」

現状ではどう足掻いてもパパさん勢の中でユルトが突出しちゃうんですよ。


また、可哀想なあの二人に焦点を当てたお話もかかねば……

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