プロローグ
オリジナル初投稿になります。
よろしくお願いします。
月が紅く、そして妖しく大地を照らす日だった。
ちょうど五芒星のように並ぶ一つ一つの大陸の中心に
魔王が現れた。
魔王は打ち捨てられた古城を拠点とし、
邪悪な魔力をいたるところに振りまいた。
ある国では噴煙と溶岩という名の災厄をもたらす火山が噴火をし続け、
またある国では、巨大な積乱雲が雨の代わりに膨大な量の雷を降らせ続けた。
しかし、そこに五人の勇者が立ち上がった、
この大地の大いなる意志は、彼らとその土地の住民に魔力を授け、
魔王に戦争をしかけた。
結果、魔王は敗れ、二度と治まることはないと言われた、各地の天災はその日を境にぱったりと止んでしまった。
この戦争は、魔人大戦と言われ、立ち上がった、五人の勇者はそれぞれの国をまとめる王へとなっていた。
しかし、平和に思えた世界に綻びが生じ始める。
人間同士の無益な戦争、そして、魔王が復活!?
この世界は今とんでもない危機に直面している!
・・・・・・・・・・・・・・・
「それで、今がこの状況なのです。」
今、目の前で勉強を教えてくれる、とてもさわやかな笑顔をした悪魔、兼、執事がいる。
まあ、それはいいのだが・・・。
「早口すぎて分かんないんだけど。」
「これは失礼しましたお嬢様、いえ、魔王様」
「・・・馬鹿にしてる?」
「めっそうもございません。」
この私を馬鹿にしているとしか思えん執事は「レイン・パーカー」(偽名)と言う。
元人間で昔、いろいろあったらしい。
人であることをやめると同時に、名前を捨てたそうだ。
火属性の魔法を使うことから、大陸、「バーンタスク」出身であることが予想される。
ちなみに、髪の毛も眼も赤色でいつもにこにこしている。
「ちなみに、この方は魔王「アル」様で、一番最初に魔王として君臨なされた
魔王「ベガ」様とその妻、魔王妃「デネ」様の娘様で、どこぞの斉天大聖の冠と似たような、
特徴のある薄い紫のかかった黒い角が側頭部から生えております。
私と似た真っ赤な瞳に真っ黒な髪のセミロングにゴスロリファ・・・」
「ちょっとまてーーーーーい!!!」
「お嬢様、いえ、魔王様、どうかなされましたか?」
「もうそれは無視する。
それより何ですって?
この服がゴスロリファッション!?
どう見たってドレス着たお姫様ファッションでしょ!!」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「いや、なんか言い返しなさいよ・・・。」
いきなりどうしたのかしら。
「お嬢様、いえ、魔王様、いくらなんでも、その幼さが残る顔立ち、身長の低さ、そして何よりもその
絶壁でその真っ黒なドレス、三振で一死どころか三死でチェンジでございます。
(それよりも説明文にシンクロしていることにはツッコミは、ないのですか)」
「オイ オマエ オモテニデロ」
キョウノゴハンハ レインノ マルヤキダナ
「なるほど・・・つまりお嬢様、いえ、魔王様はもう二度とプリンを食べたくないと・・・。」
「はぁ?
何を言っているんだ、おまえ以外でも作れるやつはいるだろう?」
「残念ではありますが、プリンはとても高価な食べ物であり王族関係者でもない限り食べることはできないですよ。」
その言葉で私は度肝を抜かれた、今は毎日のように食べていたプリンがそんな秘密があったとは、
(つまりだ、レインは私のプリンの生命線だから・・・)
その瞬間私の体は勝手に謝罪の姿勢をとっていた。
「すいませんでした~!」
「大丈夫でございます。(からかうのはこれがあるから癖になりますね)
それに私は拾ってもらった身ですので恩を返すまで来るなと言われようと来ます。」
「あれ?(いまなんか心の声が聞こえたような。)」
「どうなさいましたか?」
「いや、(ごまかそう・・・。)
確かレインがここに来て二十年、悪魔になって十五年くらいたつと思うのだけど、
放浪してた私を助けてくれたのも、あなただし、お父様の城を直してくれたのは、あなただし、
ご飯作ってくれるのも、掃除をしてくれるのも・・・。
私はレインを助けた覚えなんてないんだけど・・・。」
すると、レインは意外そうに私を見ていた。(何あいつ、私だってこういうのはたまに考えるわ。)
「いえ、お嬢様、いや、魔王様あなた様とここにおられるだけで私は幸せなのです。
まあ、後は、同族との戦争に駆り出されるのが嫌だったからですが・・・。
ついでに、あなた様の事は、弟から聞きまして、
「魔王の娘っぽいのを見かけたんだが、そこに行くならその娘の事を頼んだ。」と言っていました。
それでこうしてめぐり合えたわけです。」
「へぇ~。
その話し、私にするの初めてじゃない?」
「そうでございますね。」
「名前はなんていうの?」
「「火宮 ロイゼ」でございます。」
(ん?何か聞いたことがあるような・・・。)
「ちなみに、バーンタスクの騎士団の団長をしております。」
(はい?)
「それって、ここに攻めてきた伝説の勇者のうちの一人じゃなかった?」
「そうでございます。
よく話を聞いておられましたね。」
「・・・///」
頭をなでられ赤面中・・・。
「って、それよりも、なんでその人は私の事知っているわけ?」
「?
お嬢様、いえ、魔王様が知っていると言っていましたが・・・。」
「私?
そんな記憶ないけどな~・・・。」
その後、結局、思い出すことも無く、ベットで眠るのだった。
プロローグは、もう少し続きます。