祝産祭のその裏で
作るの遅れてすいません。忙しくて忘れていました。まだまだ続きますのでよかったらみてください。
ヘルハウンドがこの村を襲撃して3日がたった。
(ふぅ~・・・何とかできたね。)
今日はヘルハウンドの襲撃によって出来なかったウェルキン家の祝産祭なのだ。
≪フィーネ、そっちは終わった。≫
(あ、ユキこっちは終わったわ、ユキの方は?)
≪こっちもおわった、といっても力仕事だけなんだけどね≫
(それでも凄いよ、普通は2週間ほどかかる仕事なのにたった3日だけで終わらせるんだから)
≪まあ~簡単だったからね、単なる家などの壊れた場所を治すだけだったから≫
(それはそうなんだけどあんなに元通りに近い形で治すのは普通なら本物の大工がやらないと無理なのにほとんど1人でやっちゃうんだもん。村のみんな驚いたんだから)
なぜみんなが驚いたのかというと先ほども言ったように1人でほとんど治したからだ。ヘルハウンドの襲撃でおった傷は浅くはなかった。というか、村の家の3割が全壊2割が半壊その他も少しだが壊れた個所があった。だが、それをユキがほとんど治してしまった。
(祭りまであと2時間ほどあるけど一回家に戻る?)
≪そうだな、することも無くなったし戻るか≫
ユキはあれからフィーネの家に居候の形で住んでいる。もともとの世界でユキは1人暮らしだった。入学した学校は実家から遠く4時間はかかる。そのため上京していたのだ。だから、家事は1人でやっていたためにフィーネの家では家事などを手伝っている。
(それにしてもユキって何かと器用よね。あっちの世界でいろいろとやっていたの)
≪いや、家の家事は1人暮らしだったから出来るだけで家の修理などはやったといえば学校での工作ぐらいだよ。他は、ほとんどやったことがなかった≫
そうこうしているうちにフィーネの家に着いた。
≪(ただいま~)≫
家にはお婆ちゃんがいた。
「おぉ~、二人とももういいのかい」
(うん、こっちはあらかた終わったからあとは行うだけだよ)
「そう、ならわしもそろそろ村長のところに行こうかのう」
(うん、わかった)
お婆ちゃんが家を出ようとしたとき、ふとこちらを向いた。
「あぁ~そうじゃった、先ほどのう食事を作っているアルウィーン達が来てユキを探していたのう。手伝ってほしいと言っておった」
≪え、・・・なんで≫
「それはのう、お前さんの料理がすごかったからのう」
なぜかというと3日のうちの中で修理などしている村の人たちに手料理を振る舞ったからだ。ユキはただ、村の人たちを励ましてあげたいということでフィーネにたのんで食事やお菓子をふるまったのだ。最初はフィーネといっしょに作っていたが覚えるのが早くそれにおいしかったためにほとんど村の人たちの食事を作ってあげていたのだ。それでみんなは、ユキの手料理を好んで食べていた結果この3日間修理と食事はユキの仕事になった。
(まあ、あれじゃあねえみんなも食べたがるよ)
≪そうかなあ、そんなにうまいとは思わなかったけど、ただ、家では自分で作ってただけなんだけど≫
「いやいや、十分お前さんのはうまいって、そんなに過小評価しない方が良いじゃろう。他の人はそんなことを聞いたら自信を無くすからのう」
≪うん、わかった。じゃあ行ってくる≫
「がんばって作れよ~」(行ってらっしゃ~い)
ユキはアルウィーンたちの待つ家にむかった。
ここは、アイルラーゼン帝国の国王の部屋
〈ドン、バタン、ドン〉
「オースティン様、至急お伝えしたいことがあります」
〈びくっ、ベアトリックスいつも言っているだろう。ここは国王の部屋なのだからノックをして入れ、王室主席秘書官だろう、偉いんだから穏便にしてろ〉
「面倒臭いです。というかなんで扉なんてあるんですか。必要ないでしょ、開けるの面倒臭い。それに王室主席秘書官だって2時間くらい前になったばかりだからそんなの守ってられるか」
王室主席秘書官は他の国でいえば副国王だ。この国では、力が全てだ。強ければ上に行け弱ければ下で生きていくそんな国だ。
〈〈こいつを役職に付かせたの間違いだったな〉〉
「なにかいいましたか」
〈いや、なんでもない〉
「王室主席秘書官だって表で動きやすくするためのものでしょ」
〈たしかにお前の本職は隠密の総隊長だが隠密のメンバーはあまり知られていない〉
「それは、わかってる。表の役職を与えているんですもの。私だって隠密の総隊長なんてやっているけどその数や顔、隠密の個人の強さなんてほとんど知らないんだから」
「「そう、それを知っているのはこの人だけ」」
国王が作った隠密の数は74人だ。弱い者でも1人で1個中隊を倒す力を持っている。そして、ベアトリックスは2個大隊を倒せる力を持っている。
〈この話はいいそれで何の話だ〉
「あ、えぇ~と・・・・・」
〈ここにきて忘れる!〉
「う る さ い、少し忘れただけでしょ。あなたが余計なことをいうから」
〈自分から言ってなかったか〉
「いってないわ、それでえぇ~とあ、そうだったフィーンシルツで強力な魔法が使われたわ、それにヘルハウンドも出たみたい」
〈ほう~そんなのがあの国に出るとは、だが、それがどうした。まさか、倒されたとは言わぬだろう〉
「そう、倒されたのよ」
〈な、まさか人間ではなかろう。通りすがりの魔族とか〉
「そのまさかよ、人間が倒した。それも2体たった一人でしかも一撃だったみたい」
〈そんな、奴があの国にいるとはな〉
「顔は、分かっているは。こいつよ」〈バサッ〉
そこには、ユキが写っていた。
〈・・・どっからどう見ても平民にしか見えないんだが〉
「倒したところを見た人がたくさんいてみてたんだから、皆こいつがやったって言うのよ」
〈こいつはだれなんだ、身元は〉
「それが、あまりないのよ」
〈どういうことだ〉
「消された訳ではないみたい、ただ数日前からのしかないのよ」
〈そうか・・・あの国に渡るのはまずいな少し知らべてくれ〉
「分かった」 〈ド~~~ン〉
そういうと彼女は踵を返しまた来た時と同じようにでていった。
〈やっぱまずったなあ〉
ベアトリックスは、それからすぐにユキのいる村にむかった。