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『電力』
昼間、ペットのインコを捜している、という紙が三丁目の電信柱に貼られた。
貼られた電柱が、電線伝いに言った、
「二丁目の電柱さん、インコ見たかい?」
「こちら二丁目、インコは見ていない。カラスと街灯、信号機にも訊いたが、見ていないとの事。どうぞ ┈┉╼━」
「こちら五丁目、インコ発見。現在、佐々木邸前の電線で羽を休ませている。速やかに、飼主の所へ帰るよう説得した」
「了解」
夕方には、貼紙は無くなっていた。
夜中になって、引ったくり事件が起きた。
「こちら一丁目商店街、引ったくりが発生、犯人は二丁目方面へ逃走中」
「こちら二丁目、了解しました。当ててみます」
青白い光が雷の様に、ビリビリッと電線を駆け抜けた。
走っている犯人の目の前に突然、電柱が現れ、犯人は顔をぶつけて失神した。
「へへーん! こちとら変圧器、付きだい!」
すぐに警察が来て、犯人は無事捕まった。
早朝。
「ぐぬぬ、こればかりは、どうしようもない」
散歩中の犬が、電柱にオシッコをかけていった。




