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10の妖精と願い事


『これは不思議な不思議なお話。


南都と東都の国境(くにざかい)、どちらの支配下とも言えない小さな村の小さな少年トリュが願いを叶える為に10の妖精を集める物語。』


トリュ「僕も明日で15歳だ。年中雨のこの村から出て晴れを探しに行くんやねん!」


爺ちゃん「トリュや、」

そう重々しく話す焚き火柄のクッションを膝に挟んで向かいに座るお爺ちゃんは僕の育ての親と思い込んでいる隣のお爺ちゃんだった。


きっと僕の拾われた時の話をするんだろう、緊張が走る。


「会話をスキップしますか?」

→ YES

 NO

「余裕のYES!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そこで僕の編集担当さんが割り込んできた。

「ちょっと待ってくださいよ!焚き火で良く無いですか!?色々突っ込んで良いですか?!なんでロープレ」


僕はその意見を途中で叩き落とす。


「いったん最後まで聞こうよ。また売れるかも知れないよ。」


「・・・。奇跡的にそうかも知れません。そうじゃ無いかも知れ無い確率が非常に高いですが、、、わかりました。ひとまず聞きますよ。ええ。」


聞き分けがいいじゃないかそう思いながら話を続ける。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


トリュ

「よしっ!これで3人目の精霊を仲間に出来たぞ!」

そう言いながらギリギリ妖精が入る大きさの

酢イカのお菓子が入っていたプラスチックポットに妖精エリンを閉じ込めた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


またしても編集さんが横槍を突き刺してきた。

「ほんとにごめんなさい、会話はスキップ?したんですか?普通会話だけスキップじゃ無いんですか?

ていうかいつの間に2人の妖精を捕まえてたのか不思議で、まぁまぁ早送りしすぎた感があると思うんですが!あと瓶!妖精は瓶でしょ!?あまりにも不憫で、あっ。」


「上手いこと言うねぇ。」

少し恥ずかしそうな担当さんは下を向き


「別にビンでかけて無いです。たまたまで・・・すいません。」


「続けていい?」


「あっはい。もう・・・あっいや。どうぞ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


トリュ

「なぁエリン!残りの妖精はどこにいるんやねん?」


「はいっ。言います!だからここから私だけでも出してください!!酢漬けになっちゃいます!!


南都にいる妖精はシーちゃんと

カエンさんと私エリンの3人で全員です!


あとは東都に3匹。

西都に3匹いるって昔大妖精様に聞きました!」


トリュ

「ありがとエリン!大妖精を入れて10匹かぁ〜。ダル。

あ、でも君が一番色白でタイプだよ!カエンなんて捕まえた瞬間手をケガしたねん。」


エリン

「キモっ。あ、いやすいません!

あ、そーそー!カエンさんは素手禁止ですよ!酢漬けにすると大人しくなるかもですね!」


1人プラスチックポットから出られたエリンを睨む妖精のカエンは怒りのあまり顔が燃えるような赤色に染まっていた。元々だったっけ?


トリュ達はその後

1〜2個の困難を乗り越えて若干成長し遂に中央の王都に帰ってきた。


「これで9匹の妖精が集まったぞ!

南都の

エリン

シー

カエン


東都の

マツ

エノ

ブナー


西都の

ナーメ

キク

ニトロ

!」


エリン

「後はHOKUTOのポルチーニ大妖精だけですね!これでやっとあなたと離れられる!!」


担当さんがまた口を開く。


「や!待て待て!待てって!!!ポルチーニで気づいた悔しさは拭えないけど、

妖精達の名前ガッツリキノコだよね?


で、1人モンハンのキノコいたよ!!いた!絶対いた!!

途中で妖精の数え方も匹に変わってたし!

マジで!あ、すいませんタメ口で、


あともう一個だけ、東都・西都・南都ですよね?舞台は!じゃあ東西南ときたら次は何?」


「北?」


「そうっ!!!北都でしょ!!!いいじゃん漢字で!ローマ字にしてメッチャはっきり企業の名前出すなよ!!」


「もう少しだから最後まで聞いてよ!」

やや息の荒くなった担当さんは


「はぁはぁ、わかりました。」

と納得したようだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


エリン

「あと1人だね!」


トリュ

「ああ、いよいよだ!待ってろよ!

HOKUTOのポルチーニ!

10匹集めて必ず願い事を叶えてやる!!!

故郷の雨を必ず晴れにしてやるからな!!」


そう言いながら虫カゴに移した妖精達を太陽にかざした。


僕たちの旅はこれからだ!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「どう?」

と担当に聞く僕。

「もう、ちょっと1周か2周まわって逆に受け入れてる自分がいます。怖いです。


でももし仮に編集させてもらえるならまず中途半端な大阪弁を全部消します。付け焼き刃過ぎんだよ!」


「えー!他には?」



「んん〜、脳内整理が、なんと言うか、

今まで発売された全パーツのレゴがバラバラに目の前に広げられて

色別でもなく

形別でもなく

シリーズ別で分けてくれって言われてる気分です。」


「よく分かんないなぁ。」

あ、ちょっとイラッとした顔したな!


「で、肝心のタイトルは何なんですか?」


「コレだよ。」僕は右手で原稿用紙を裏返して見せ忘れていたタイトルを担当さんに見せるとこう言われた。


「ダメです。これはアウトです。ゲームのID作成画面ならこう言われます、


【既に使われています。】」


「まじかぁーこれ以外思い浮かばないんだけどなぁ。」


担当さんは睨むように僕にこう言った。


「何で10を英語にしたんですか?!しなかったらギリセーフなのに。」


僕たちは原稿に書かれたタイトルを見つめ、揃って溜め息をついたんだ。


タイトル





【 TEN(てん) キノコ 】












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