課題。次の文章を改変せよ:「喫茶店でコーヒーを飲んでいた。バイクの音がした。彼女が来たようだ。」
昔どこかのまとめサイトで見た課題がタイトルの内容。
残念なことに改変元の文章を正確に覚えていない。課題文はおおよそを再現したものである。
知っている人がいたなら正確な課題文を教えてほしい。
・これ以上の装飾はいらないと思った
当時、この課題を知ったとき意地悪だと思ったのだ。課題文が完成されており改変の余地がなかったからだ。(正確な課題文はもっと鮮麗されていた)
3行3文でどこにいるか、何をしているか、想像を膨らませる締め、を表現しきっている。この文章の中では必要なことは揃っていてこれ以上の情報は過度だと当時感じていた。
自分で思いつく回答はありがちだと感じていた。他の人も同じような回答をしていた。
それは文章を装飾して豪華にするだけの回答でロマンがなかった。
それらの回答では当時の自分は満足しなかった。
・満足しなかった方法で回答を描いてみる。以下の通りである。
コーヒーに映る電灯は輪郭を失って白い楕円に成り下がっている。ミルクを注ぐとカップの底からミルクの積乱雲が盛り上がって水面に映る反射を飲み込んで消した。コーヒーを飲む。美味しい。
窓ガラス越しに低重音が響く。彼女が来たようだ。
・情報の取捨選択
目的が一文を改定するならだけならこういう装飾もいいと思う。綺麗に飾られた文章は読んでいて楽しくなるし個人的にも好きだ。しかし、物語の一文としてみたとき意味が薄い感じがして嫌だった。
コーヒーの様子はわかる。ミルクを入れたのもわかる。コーヒー美味しくてよかったね。車かなにかで彼女が来たようだ。
けれど、コーヒーを飲んだ奴の様子がわからない。性格もわからない。コーヒーを飲んだから何なのか。プロット上でコーヒーの下りを省いてもいいくらい意味がない。
せっかく文字数を使うなら物語を盛り上げるために使いたいのだ。
・満足する改変方法を見つけた
どうやって答えを出そうか悩んだ。そもそも完結した文章は閉じられているので弄れない。ならば文章外に意味を付ければ肉付けする余地が生まれそうだ。
そして完成したの下記の文章である。
・満足した回答
3杯目のコーヒーは怠けたようなぬるさになっていた。コーヒーよりも膝にいる猫のほうが体を温めてくれている。
ゴツゴツした関節のふくらみと毛皮が無垢に合わさった猫の背中を適当に撫でて時間をつぶしていた。来るたびに膝から退かない邪魔ものでも今日ばかりは待ちぼうけに付き合ってくれるいい相手だった。
突然、腿を踏みつけてに猫が床に降りた。そして隣の客が椅子に腰かけたと同時に隣の客の膝上に跳び乗った。
鍵についていたキーホルダーを揺らして猫を釣ってみようと試みたが、猫はキーホルダーをしばらく注目した後、またもや跳び下りて店の奥へ消えていった。
猫の暖かさの代わりに残りのコーヒーをあおった。コーヒーは冷めていた。
4杯目のコーヒーを注文しようとしたとき店の駐車場の方角からバイクの音がした。彼女が来たようだ。
・回答との違い
卑怯かもしれないが、新たな回答には続きが設定されている。以下のとおりである。
・自分よりいい所がわからない男にバイク乗りの彼女が友人として入れ込む。彼女に距離を取らせようとするも彼女は男と友達付き合いをやめない。煮えを切らした主人公が怒り、彼女と仲が悪化していく。
続きを設定すると冒頭のシーンに意味が付随する。
それはこの世界では誰かに去られると悲しみ、落ち込む。そして直面し得る自体だと明示することだ。
作品の味付けを読者に示唆することでカレーを食べにカレー屋に入るときのように、アイスを食べにアイス屋に入るときのように楽しむ心構えをさせているのだ。
もし去った猫を四つん這いで追いかけるればコメディかもしれないと示せる。猫を気にせず自分の作業を続ければ作業内容が大切な世界でその作業内容が物語にかかわりそうだと明示できる。
もっとわかりやすくしてもいいと思う。「喧嘩するカップルを眺めて同じような目にあいたくないなと呟きながらコーヒーを飲む」としてもいいかもしれない。
他の例を考えてみた。
①
設定:怪しい仕事が舞い込み主人公がトラブルに巻き込まれる話
文章:知り合いから「あちらのお客様です」のドッキリに巻き込まれる。主犯じゃない主人公が被害を被った。
②
設定:彼女と結婚の話を進める男の話。結婚が落ち着くまでの騒動と二人で一つに扱われる夫婦というものを感じていく。
文章:店長から試作品のケーキを貰った。コーヒーと言い相性で完成した味になって満足する。
・まとめ
技術としてまとめると
「序盤に物語のあらすじに類似する内容を提示することで、物語の中身を示唆して読み手に心構えをさせる」
ということになる。
他にタイトルの内容に答えるいい方法を知っていたら教えてください。