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ファイナルエリクサーで乾杯を  作者: 黒十二色
第十二章 隔てられた世界
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第287話 レヴィアの旅 ラージャン学問所の講義室

「あんたたち、来たのかい」


 そう言って、黒板を背景に迎えてくれたのは、腕が伸びる赤髪おばさん、カノレキシ・シラベールさんである。


 歴史研究家という顔も持ち、ミヤチズ領主代理でもある彼女は、キャリーサとも知り合いらしかった。


「お久しぶりです、カノレキシ・シラベールさん」


「こちらこそだよ、エリザ――いや、えっと……こっちの名前を呼んじゃいけないんだったかい? というか、呪いでこっちまでは来られないはずだったけど、解決したのかい?」


「ええ、認めたくありませんが、オリハラクオンのおかげで呪いが解けましたので、エリザシエリーと呼んでもらっても大丈夫です。もちろん、占い師としてのキャリーサという名で呼んでいただいても構いませんが」


「へえ、ラックくん、消えてまで人助けなんて、やるねぇ。で? ミヤチズに来たってことは、白日の巫女に戻る気にでもなったのかい?」


「いえ、ただ、ちょっとレヴィアとフリースを連れて行きたい場所があるので」


「あぁ、それもラックくんがらみかい」


「ええ、オリハラクオンとの決着をつけに」


 カノさんは、そこで少し寂しそうに、レヴィアとフリースに視線を送って言うのだ。


「ラックくんのことは、急なことでさぞ悲しかったと思うけど、今回の彼の仕事は、もう本当に大勇者級を超越したレベルのものだと思うからね、居なくなったことを悲しむべきではないんだろう。……悲しみっていうかね、むしろ、あたしとしては怒ってさえいるよ。ラックくんがファイナルエリクサーを注いだせいでアオイちゃんも居なくなったから、優秀な助手がいなくなって、こちらの研究には支障が出てるんだ」


 それは申し訳なく思うけれど……。


 ここで、ふと気になったのは、アオイさんのことだ。俺が注いだファイナルエリクサーで俺が消えるのは理解できる。


 けれども、直接手を下していないアオイさんが消えたというし、他の転生者も全員が消えてしまったという話も、二人がレヴィアを迎えに来た時も言っていたことだ。


 何か俺の予想以上のことが起きたのだろう。


 何が起きたのか。それが起きた理由は何なのか。


 俺の疑問には、すぐにカノさんが答えてくれた。


「まったく、魔王が全員消し去られて、役目を終えた転生者が全員いなくなるとか、もうちょっと心の準備をさせてほしかったよ」


 全ての魔王が消えた……か。


 あらためて、すごい仕事をしてしまったんだなと我ながら感心する。


 つまり、水源の池にファイナルエリクサーを注ぎ込んで大魔王の一柱を滅ぼしたわけだけど、ファイナルエリクサーの浄化力は、大魔王一柱を滅ぼすだけにとどまらなかったのだ。


 なぜあの雨水と霧を溜めておく深すぎる水たまりが水源と呼ばれていたのかといえば、各地に網の目のように広く繋がっていて、マリーノーツの全土に水を供給していたからだ。


 そこにファイナルエリクサーという魔王を滅する霊薬を注ぎ入れた結果、どうなったか。魔王と名のつくものに触れたそばから無慈悲に消し去っていくことになった。マリーノーツじゅうにファイナルエリクサーが行き届いたということだ。


 そして全ての魔王が滅びたところで、アオイさんも、アンジュさんも、まなかさんも、マイシーさんも八雲丸さんも、アリアさんも、他の全ての転生者も、突然の退場をすることになったわけだ。


 特にマイシーさんの離脱はこの世界にとって大きいと思うのだが、ここまで見たなかでひどい治安の乱れなどは特に無いようで、そこはひと安心である。


 カノさんは、三人娘に向かって言う。


「どうだい、これから講義なんだ、あんたらも聞いていくかい?」


「いや、いらないよ」


 とキャリーサがハッキリ断ったのだが、こんなもので教えたがりのカノさんが止まるわけもない。


「遠慮せずに、さあさあ」


 長く伸びた腕で三人の背を押して、人がまばらな講義室へと押し込んだ。


  ★


 黒板に書かれたものは、『黄金果実について』という文字列だった。


 室内は、木のぬくもりあふれる感じで、広い天窓から柔らかな光が入ってきていた。生徒たちは、前の方の席に固まって座っていて、三人娘はしぶしぶ後ろの方に陣取って並んで座った。


 壇上に上がったカノさんの講義が始まる。


「皆さん、こんにちは。講師のカノレキシ・シラベールです。本日は、あの全ての魔王を倒して世界を救ったラックくん、別名オリハラクオンの関係者が講義を聴講してくれています」


 はじめは少なかった聴衆も、講義の開始時間が近づくと増え、栄養状態の悪そうな学生たちでほとんどの席が埋まっていた。


 拍手とともに、痩せた学生たちのぎらぎらした視線が一気に向けられて、三人は思わず身構えた。


 カノさんの話は続く。


「えー、そこで今回の講義は予定を変更して、世界を救った『ファイナルエリクサー』の材料について。その中でも、最も入手が難しかった『黄金果実』についての講義としたいのですが、問題ないでしょうか?」


 返事がなかったので、カノさんはさらに続ける。


「そもそも、『ファイナルエリクサー』というのは、隠された特殊霊薬でした。その絶大な効能ゆえに、慎重に使わないと世界のバランスを崩しかねない霊薬だったことは、皆さんご存じの通りです。ちなみに、ラックくんに、そのレシピを解読して渡したのは、実はあたしです」


 これには、教室中から「おお」という声が上がった。さすがカノ先生、みたいな反応だ。


「ラックくんは、『黄金果実』を手に入れる時に、大勇者の八雲丸様から奪い取ったといいます」


 それは事実と違う。歴史の先生としてどうなのそれ。ちゃんと調べてよ。あと、レヴィアとフリースはダンマリを決め込んでいるけど、何でだ。平和的に話し合いで解決したじゃないか。


 学生たちは、そこで興味がわいたようで、何人か質問をしてきた。


「八雲丸様って、マリーノーツ新聞で特集を組まれてた新しい大勇者様でしたよね? たしか、闘技大会の頂点に立って最強の魔族を笑いながら斬殺(ざんさつ)したとか」


 事実と違う。そんなこわい人じゃない。


「オリハラクオンが、その恐ろしく強い八雲丸様を倒して、黄金果実を奪い取ったってことですか?」


 これも事実と違う。それなのに、ここにいる関係者たちは否定しなかった。


 最も冷静な説明を期待できるフリースは、大勢の前で説明とか面倒くさいとか考えていそうだし、不真面目なレヴィアは、ラックさんが褒められてるなら別にいいやとか考えてるだろうし、キャリーサに至っては、そもそも闘技場に居合わせていないんだから知るよしも無い。


 アオイさんから事情を聞いたであろうカノさんが、ちゃんと説明してくれればいいのに、あろうことか、質問を否定せずに次に進んでしまった。


 講義には時間制限があるから仕方ないのかもしれないけど、これは誤解を招くんじゃないのか。それとも、あえて誤解させるのが目的なのだろうか。


「『黄金果実』は、世界樹リュミエールという樹木の枝に実る巨大な果実です。その黄金に輝く果物から取り出した果汁が、ファイナルエリクサー作りに必要だったことは以前話したと思います」


 これも違う。ここまでくると、あえて嘘を混ぜているのだと思う。黄金に輝いて見えるのは『曇りなき眼』を持つ者にだけであって、そうでない者にとっては、そんなに輝いて見えない。


「たしか先生、五年に一度しか実らないんですよね?」


 学生の問いに、カノさんは大きく頷いてみせる。


「その通り。ちなみに、その五年に一度だけ実るということを教えたのも、実はあたしです」


 確かに、アオイさんを通じてカノさんからの情報として聞いたけど、そういうアピール必要なの?


 たしかに学生たちは心をつかまれたようで、講義をきく姿勢がだいぶ前のめりになっていたけども……なんだかカノさんの今回の講義のやり方に、あまり誠意を感じないのは気のせいだろうか。それとも、マリーノーツ流の講義ってのは、こういうもんなのだろうか。


 カノさんの言葉は続く。


「さて、世界樹リュミエールという樹には、浄化の力があるってことは以前の講義で言ったことがありますね。今回は黄金果実とは何かを明らかにする話ですが、その課程で、どういう経緯で世界樹が建てられたのか、ということについても、最新の知見を(まじ)えてお話をしていこうと思います」


「――先生、『植えられた』んじゃないんですか? 樹木なのに、『建てる』っていうのは、表現として少しおかしいのでは」


 校長の妹らしき女の子が毅然(きぜん)として立ち上がり、問いを放った。


「いい質問だよカイシェちゃん。でも、『建てる』で合っているのさ。あれは自然の樹木ではないんだよ。樹木のような形状をして、樹木のように伸びゆく性質をもった、古代エルフの建てた人工建造物なのだから」


 教室がざわついた。


「先生、教科書と……あの、教科書と違うんですけど」


「真実は、自分の目で見極めるといい。教科書には、教えたいことしか書いてない。それはそれでとても大切なことだし、なぜそれを教わらなくてはならないのか考えることに価値はあるけれど、どうしても真実とは違う場合があるのさ。


たとえば、あたしは、ラックくんと一緒に水路を舟で探検したことがあるんだけど、その時に目の前に壁が迫ってきたことがあった。そのままの勢いで叩きつけられたら舟が壊れたり、舟から放り出されるかもしれない、だからあたしは、『なにやってんだ、ぶつかるよ!』と思って目を閉じた。だけど、彼は迷わずにその壁に飛び込んだ。


他人と違う真実の世界が見えていた彼は決して(まぶた)を閉じずに、道の先を見つめてた。偽装された壁、その先にこそ、隠された真実の道があったのさ。ラックくんは言ってたよ。『俺様の曇りなき(まなこ)の前では、誰一人として嘘をつき通せない』ってね」


「すげー! オリハラクオン、すっげー!」


 目を輝かせる男子。


 やばい、なんだこれ、恥ずかしい。ていうか、一人称が「俺様」なわけないし、レヴィアに「実は魔族でした」という嘘をつきとおされていたわけだし、他にもいろいろ、全然見抜けてないことだらけだったし、何より、そんなキメ台詞みたいなこと絶対言ってない!


 歴史の捏造(ねつぞう)(はなは)だしいな。白日(はくじつ)の巫女への信仰を捏造した予言者エリザマリーさんへのリスペクトをそんなところで発揮しなくてもいいんじゃないかと思うんだが。


 カノさんの講義は続く。


「さて、みんな知っての通り、この世界には外の世界から入ってきた人たちがいます。その人たちを、なんと言いましたか。そう、『開拓者』です。『エルフの始祖』とも言われる人々ですね。


はじめ、現在マリーノーツと呼ばれるこの地に入った別世界の人々には、さまざまな脅威がありました。環境の急激な変化によって病にかかり亡くなる者もいれば、強力なモンスターに襲われて命を落とす者もいたといいます。


そこで、はじめて降り立った開拓者たちの生き残りは、内部の環境をコントロールできる巨樹リュミエールを建造し、そこに住むことによって、自分の身体を徐々にこの世界の環境になじませることにしました。


大樹は深く深く根を張り、高く高く伸び、広く広く枝葉を広げていきます。

樹皮は硬くなり、傷ついてもすぐに再生するようになりました。

幹が、家一つ分、村一つ分、町一つ分……と、短い時間で急成長。ぐんぐん膨れていきました。


内側には等間隔に仕切られた空洞が次々に生まれ、階層ごとにありとあらゆる環境を再現することができたといいます。それこそ、自分たちが永遠に生きられるように最適化された階層もあるそうです。


ひとことでまとめるならば、根付きはじめた頃の世界樹リュミエールは、『開拓者』にとっての故郷であり、実験研究施設であり、前線基地であり、生活の現場でもあった。といったところでしょうか。


この樹木が果たす最も重要な役割は、はじめ、とにかく環境の最適化でした。現在マリーノーツと呼ばれる土地の環境を、自分たちが暮らした場所に近づけるために、世界樹内で作り出す物質を周囲に拡散させていくことが最優先だったわけで、その役割は今日(こんにち)も続いています。


このときに拡散される『開拓者』たちにとって心地よい物質。それが、こんにち『魔力(まりょく)』と呼ばれるものであり、『魔力』が濃い場所ほど、エルフの生存に適しているようです。だからこそ、フロッグレイクの霧の森は、エルフが長年住み着く場所になっているんですよ。


少し時代が(くだ)ると、『開拓者』の一団は、研究の末、自分たちの適さない環境下でも手足となって働ける者を生み出し、文字通りの奴隷として開拓の最前線に立たせました。これが、この世界での人間の誕生です」


 教室がざわついた。尋常じゃない戸惑いが見て取れる。


 俺は全く驚かないし、レヴィアたち三人も動じなかったが、どうやら、学生たちにとっては、とんでもない発言のようである。


 カノさんの講義は、なおも続く。


「しかし開拓者たちも一枚岩ではなく、みんながみんな奴隷を生み出すことに賛成というわけではありませんでした。なかには、自分たちに都合の良い魔力(まりょく)の拡散に反対する者もいました。自分たちを『あくまで異世界からの客人である』と位置付け、厳しい環境で現地の人々に技術を教えることを目指し、大樹リュミエールの外に打って出た者たちがいたのです。


彼らは、合わない環境に肉体を(むしば)まれながらも、この世界のいきものに、音楽、医術などの技術、農業や鍛冶などの産業、さまざまな知識や智恵、精神を伝えようとしました。火、水、土、雷、金属の基本五属性の力を使った魔法も広め、現地の動植物に根気強く、自分たちと同じような知能を授け続けました。


そうした結果、生まれたのが獣人であり、開拓者と、人と、獣人との垣根のない、全ての生命(いのち)あるもののために建てられたのが……ホリーノーツという場所にある『ザイデンシュトラーゼン城』です。今となっては遺跡となってしまっていて、悲しいことですね。


そして、そんな『開拓者』たちの一派が、自分たちと同等の力を得るための最後の試練として、乗り越えるべき五龍を適所に配置した、なんてこともありました。


うまくいくはずだったんです。少しずつ知識や知恵を共有していって、どんどん、どんどん文化が成熟していって、エルフと呼ばれる者たちと、それ以外の人々の生活レベルが近づいてきて、もう少しで手を取り合えたかもしれなかった。


でも、彼らには見落としていたものがあった。


それは、この世界にもといた存在。深淵を住処(すみか)としていた悪魔的な存在です。


そもそも、『開拓者』に適さない環境だったのは、この地下深くに住む強力な魔族の生む異質な魔力が原因でした。すなわち『マナ』と呼ばれるものです。『マナ』は開拓者にとっては呪いを帯びたものでした。


魔のものにとっての(マナ)とは、開拓者にとっての死です。開拓者にとっての(まりょく)が、魔のものにとっての死とはならなかったのは救いでしたが、不安に陥った開拓者たちの多くは、死をもたらす『悪魔』を危険視して、徹底排除(ねだやし)を目指すことになってしまいました。


『悪魔』と呼ばれた者たちは、人知れずさらに地下深くに潜ることで争いを避けていましたが、エルフ・人間・獣人に別れた人々が争ううちに、獣人によって再発見されてしまったのは、この世界にとって、どれほど不幸なことだったでしょう。


これが、獣人の魔族への同化と、魔王の誕生を呼び、エルフの大多数が純血性の維持に(かじ)を切る引き金になりました。


ある開拓者の男はこうした予想外の展開に心を痛め、死の少し前には転生者を召喚し、その者との間に子を残し、希望を託しましたが……結局それも、期待したほど上手くはいかなかったようです……。


つまり、もともと『滅び』とか『死』とかの力に満ちた場所を、悠久のいのちをもつ『開拓者』の肉体に合うよう変えていく、その中心的な装置こそが、世界樹リュミエールであり、今もまだ、その過渡期にあるというわけです。


そのようなわけで、毎日のように生み出される世界樹の果実の果汁には、環境最適化のための物質が凝縮されているわけです。特に黄金のものに関しては、その質・量ともに一級品、いえ、特級品であり、マリーノーツ最高の浄化の力をもつと言われています。


さすが、『ファイナルエリクサー』作りに必要なだけのことはありますね。


ただし、黄金の果実がそのみずみずしさを保っていられる時間はとても短く。わずか数秒から数分と言われます。収穫後、すぐにしおれて、神聖な果汁が空中に拡散してしまうのです。もし、皆さんが、いつか『ファイナルエリクサー』を製造する機会に恵まれましたら、この点には特に注意してください」


 カノさんの話が終わると、あまりにショッキングな話だったからだろうか、教室を静寂が支配した。


 出会った頃のフリースが何人もいるみたいに、みんなして沈黙している。


 やがて、勇気ある女生徒がひとり、手を上げた。生徒たちの中では年上のようだ。彼女もまた、校長の妹らしく毅然(きぜん)として言う。


「デタラメすぎて信用できません」


「率直な意見を有難う、ツグハ。どのへんが信じられなかった?」


「全部です。これまでの歴史と違いすぎますし、他ならぬ先生自身の説と矛盾だらけです!」


 学生たちはこの意見に賛同し、そうだそうだと騒ぎ出した。


 そこで、別の聡明そうな年若い女の子が机を叩いて皆を黙らせる。


「みんな落ち着いて! 先生には何かお考えがあるはず。だから、その、えっと……カノ先生、今の話、確かな証拠はあるんですか?」


「その言葉を待っていたよ、マーシュ。実は、エリザマリー直筆の『聖典マリーノーツ』とその元になった『原典ホリーノーツ』がここにある。皆の力でこれらを協力して解読すること。それが今月の課題ね」


 カノさんは、ふところから二冊の輝く本を取り出すと、それを一番前の席に置いた。


「その二つは本物だから、絶対に汚さないように丁寧に扱ってちょうだい。欲しい人は写本(ふくせい)を用意してあるから、あとで研究棟に取りに来ること」


 学生たちは、一斉に立ち上がって、カノさんの置いた二冊の本を囲んで、「これはすごい」「これはやばい」「うそでしょなにこれ」などと騒ぎ出した。


 それを優しい眼で見ていたカノレキシ・シラベールさんは、手を叩くと、


「さ、以上で今日の講義はおしまい。質問がある人も、あとで研究棟にお越しください」


 そう言い残すと自慢の赤髪を揺らしながら颯爽(さっそう)と出て行き、生徒数人に追いかけられていた。


「わかりやすかった」とフリースは高評価。

「すごい熱のこもった授業でしたね」とレヴィアも感想を述べた。

 キャリーサは上を向いて、だらしなく口を開けて眠っていた。




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