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第3話 旅の行き先

 取り敢えず、皆一旦落ち着いて状況を話し合おうと言う流れに持って行く



 だってこのままじゃリナリーさんが久しぶりにキレちまったサラリーマンの様にペンネさんを屋上に連れて行ってしまいかねない……




 「…と言ったわけで…ワタシは()()()()()という神託を下され…逃避と師匠の言葉を頼りに旅に出た矢先…と言った所でしょうか…」





 「そしてリナリーを助けたのがウチことダーリンの運命の相手!スイートキャットのペンネ・エレキンだにゃん!」



 ………⁈




 「っ⁈ ですから違うって言ってるじゃないですか⁈ このケモ乳娘!貴女の運命の相手はその辺でポーション呑んだくれてる中年のオッさんで十分です!」




 「にゃんだとぉ⁈リナリーこそアラフォーにゃんだからヨボヨボのクッサい魔法薬掻き混ぜてる胡散臭い奴とお似合いだにゃ!」




 やっと宥めたと思ったらまたしてもいがみ合う2人……これは喧嘩するほど何とやらなのか⁈




 「…こらこら、君たち隙あらば喧嘩するのは辞めなさいって……」





 …それにしても、またしても女神か……

今度はリナリーさんを標的にするとは…




 (なぁ、俺の力ならば女神だって何とか出来るんじゃないのか⁈)




 《…今回の件…恐らく…女神の1人 ベリア・ベルの陰謀かと推測します…そして…アナタのファレター因子の力ならば女神すら容易く消し去る事は可能ですが…》




 (…ベリア・ベル……俺も1度会ったあの女神か……よし!今からちょっと女神殴りに行こうぜ‼︎)




 《…ですが…消した所で直ぐに復活してしまうのですよ…彼女の持つ…"()()"を司る力…1人でも女神に祈りを捧げた瞬間…力を取り戻す権能…それをどうにかしない限り女神を倒す事は叶いません…》





 ("()()"? 祈れば復活なんて…そんなのどうにも出来ないじゃないか?この世界じゃ皆女神教の信者なんだろう⁈)


 

 誰か1人が女神は敵だと言った所で誰も相手にしないだろう…そんな敵にどうすりゃいいってんだ⁈



 《…今はまだ分かりません…なので…どうする事も出来ないのです……それより…あの2人…放って置いても良いのですか?…》




 ………へ⁈




 "ファレン"との会話に集中しているとまたもや2人が揉めていた……

 ……勘弁してくれよ…よくこんなのでここまで辿り着けたもんだよ…




 「何でいきなりソースケさんを誑かすんですか‼︎ 貴女は今まで男っ気など必要としていなかったじゃないですか⁈」




 ああ、それは俺も気になった…何故彼女は見ず知らずの俺に突然発情したのか……




 「当たり前にゃ!ウチがその辺の汗臭い男なんか相手にするかにゃ!…でもダーリンは違うにゃっ…ダーリンの汗はポーションで出来てるにゃんよ!」




 …………ん⁈……ポーション?

何の事⁈ そんなバファリンの半分は優しさみたいなふざけた……





 「はぁ〜⁈ 何なんですか⁈まるでソースケさんが貴女の様なポーション中毒者みたいな事言わないで下さい‼︎」





 ……心当たりは…




 《…ポーションの最適化…ですね…恐らくアナタの体内にあるファレター因子に変質したポーションの匂いを彼女は嗅ぎ取っているのでしょう…》




 有りましたね…… そういや俺ってばフザけた存在でしたよ…こんちきしょー!




 「まぁ、リナリーさんも落ち着いて…その、 ペンネさんも…確かにポーションは…身に覚えは無くはないけど…」




 「ペンネにゃ!ウチの事はペンネって呼ぶにゃよ! ダーリン♪」




 …えぇ⁈ 今さっき知り合った人に敬称無しで呼ぶのって、友達少ない俺には敷居が高いんですけど⁈



 ………って…めっちゃ見てくるし!…これは言うまでずっとこの状態って事か……⁈



 ………



 「分かったよ…ペンネ…けど、そのダーリンってのは辞めてくれないか?そういうの慣れてないから恥ずいんだ…」





 「分かったにゃんポースケ!」




 元気に右手をシュバッと挙げ返事を返すペンネ……ついでに速攻で俺の呼び方を変える



 「呼び名変えんの速いな⁈しかしポースケって適当にくっ付けた感が否めない…」




 まぁ、良いかと少し呆れながらもその呼称で納得していると、俺の袖が引っ張られる感覚がして、何だ?と振り返ると…




……………⁇⁈




 「………っぐすん……」




 すごい切なそうに潤んだ瞳で俺を見上げるリナリーさんが、 俺の袖を全力で摘んでいた…




 「ぅぅ…わ、わたひもっ…リナリーって…呼んで…欲しいれふ……!」




 ……‼︎ ええぇぇ⁈ なっ涙声でそんな事言われたって俺どうしたら良いんですか⁈




 「えっと…あの、リナリーさんはその…と、年上だし…偉そうにしたくないって言うか…リナリーさんも年下から…嫌じゃないですか……⁈」



 俺の返事が不満だったらしく更に涙を潤ませつつ、頬を真っ赤に染め上げながら




 「…ソースケさんになら…ヤじゃない…れす……」




 そう囁く様に答え…恥ずかしさからか視線を途中で俯かせる…




 …ヤバ… 今のは反則級にヤバい……




 《…ついでにワタシも…ポンスケって…呼んでも良いれふか?…》




 (オメェは黙ってろ‼︎)

何だそのタヌキのお菓子みたいなアダ名は⁈



 ととと、とにかく今は目の前の彼女だ…

チラチラと俺を伺う様に瞳を上げては下げを繰り返している……本人も了承している事だし、ここは…覚悟を決めなくては…




 「…り…リナリー……」




 「……‼︎…はいっ……」



 ………!!!



 っおぉ……! ただ名前を呼んだだけなのに…そんな嬉しそうにされるとは……何だか急にさっきまでラッキースケベにはしゃいでいた事への罪悪感が半端ないんですけど⁈…

 こんな事ならもっとちゃんとした気持ちで戦えば良かった!クソ!自分の煩悩の阿保ぉ!



 《…思春期の… 抑圧されたリビドーに忠実になり過ぎた結果がコレですよ………

ププ……マグネットパンツ(ボソ)……》




 (ヤメテェ!思い出させないでぇぇ‼︎)

新たな黒歴史の誕生の瞬間である……



 「と、取り敢えずこの話はここまでで!これからの話をしましょう!リナリーさ…リナリーはここからどうするんですか?」




 色んな恥ずかしさで頭がパンクしそうなので軌道を戻さなくては…



 「……ぽ〜……っ⁈…はっ!そっそうでしたね!ワタシは追われているのでした!」




 「そうだにゃリナリー、これからどうするにゃんか?ウチはこのままどっかに隠れてポースケと子作りしながらのんびり暮らしたいにゃ!」



 そう言って殊更に強調した胸を俺に近付けて来るペンネ……



   ……‼︎




 「…⁈⁈‼︎ ばバカっ‼︎若い娘がそんな爛れた事を言ってはいけません!ソースケさん!こんな娘の甘言に惑わされてはいけませんよ⁈()()()()2()()で今後の方針を相談していきましょう!」



 ……⁈はっ、言った側からペンネの発言にリビドーが発動しそうになった……

ダメだダメだ、オッパイに惑わされちゃダメだっ!



 「ぐ、具体的にリナリーはこれからどうするつもりなんですか?」




 ペンネの胸へ釘付けにされそうになる視線を何とかリナリーへ向け俺は尋ねる




 「……師匠の…賢者レーオの生まれ育ったと言われるエルフの国へ……行ってみようと考えております…」




 「エルフの…国ですか…」



 そんな国もあるのか…エルフのって言うくらいだからエルフしか住んでいないのかな?

 てっきりこの世界は種族の違いはあれど皆混同して暮らしているのかと思っていたけど…良く考えればそんな訳無いか、俺達の世界でだって似た様なもんだし…



 「リナリーはその国出身じゃないんですか?」




 何気なしに俺がそう問い掛けると…リナリーは少し哀しそうに俯いた…

⁈ しまった!どうやらマズい事を聞いてしまった様だ…




 「ワタシは…エルフと言っても混血ですし…孤児なので何処で産まれたのかも分かりません……」



 ‼︎  やっちまった!

 こういう事はもっと彼女を知って、無闇に傷付けずに配慮しなくちゃならなかった!




 「リナリーウチも混血にゃんよ!ってかそんなの何処にでもいるにゃ!だから気にすんにゃ‼︎」




 すかさずペンネが笑いながらフォローを入れる……するとリナリーも少し笑顔で言葉を返す



 「…はい。今さら自分の出自を気に病んだりはしてませんよ…でも…ありがとうございますペンネさん…」



 「この際だからリナリーもウチの事はペンネって呼びに捨てにするにゃん!その方がウチは好きにゃ!」



 「……くす…そうですね…ペンネ…これからはワタシもそう呼ばせて頂きますね…?」




 「もっちろんにゃ!」





 ……そっか…これが…この2人のいつもの雰囲気なのか…さっきまで競い合うみたいにしてたから気付かなかったけど……あぁ、羨ましいな…こういう気心が知れた間柄ってのも……



 ヒロキとユイは…今頃どうしてるのかな…




 「すみませんリナリー…俺が無神経な事を聞いてしまって…」




 「いえ!違うんです!そこまで悲観していたわけではなくて…その…恥ずかしかったんです!…ソースケさんに知られるのが…」




 そう言うと何故かゴニョゴニョと呟きながら指をコネる仕草をするリナリーは可愛かった…



 「これから気を付けます……ついでに俺の事もさん付け無しで呼んでもらっても良いですか?」



 リナリーと呼び捨てにしておいて自分だけさん付けさせてるのは何だか変だよな……



 「ダメ!それだけは譲れません!ワタシはソースケさんはソースケさんとお呼びしたいんです‼︎」



 めっちゃ拒否られた……⁈何故にそんな頑ななのか…いったいなにゆえ?




 「そ、それよりも話を戻しましょう!エルフの国へは此処から北西へ向かって行った所にジャッカ平野と呼ばれる平野が広がっています。そこを抜けライダ領へと入って、ライダから北へ向かった処にあると言われています」




 「結構遠そうですね…此処からどれくらい掛かるんですか?」




 「そうですね…馬車を失ってしまったので何とか馬車を用意して…早くても一月程は掛かります……ですので…ソースケさんは…」




 馬車を手に入れて1月か…結構な旅になりそうだな…この世界に詳しくない俺の事だ、今度こそ失敗続きはしない様に頑張らないと…



 そんな事を頭の中で考えているとリナリーの視線を感じる……⁇




 「どうしたんですか⁈何か他に問題でもあるんですか?」




 何か他にも不安要素があるのだろうか…




 「いえ…そうではなくて…ですね…ソースケさんは…元の世界へ帰る方法を探しているのですから…ワタシ達の旅へは……」




 「勿論付いて行きますよ?帰るにしてもこのままリナリー達を放ってなんか出来ないですから……それにもしかしたらエルフの国になら帰る手段が見つかるかも知れない」



 俺がそう答えると2人が顔を綻ばせ笑顔になる…リナリーは気を使い過ぎだよ…ここまで関わったのなら最後まで俺は2人の元を離れるつもりはないし、それに…女神をこのまま好き勝手にさせておくのも気分が悪い……現状どう仕様もないけどな…




 「本当に…有難う御座います!…ソースケさん…」




 「やったにゃ!これで時間を掛けてポースケを落とせるにゃ!」



 2人が同行を喜んでくれて俺も安心する。…若干ペンネの発言にドキドキしてしまうのは致し方ないだろう……




 《…では…その前に…このお2人にやっておかなくてはならない事があります…》






 "ファレン"が唐突に俺に提案して来た……





毎週、月曜・木曜・土曜日の21:00頃の更新を目指したいと思います。


また次回読んで頂けるよう頑張ります。

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