※閲覧注意 ある少女の手記
ここより大変不快な表現が含まれます。
人によっては気分を害されるかと思いますので、閲覧には十分ご注意下さい。
また、この今回の話を読まなくても本編は支障なくお読みいただけますので、この先は任意でお進み下さい。
拝啓
創介くんへ
手紙なんて書くのこの世界へ来てから初めてかも。元の世界でもLINEやSNSばっかりだったし手紙自体何年振りかな?
先ずはゴメンね。援軍って本当は嘘です。御免なさい…
きっとそうでもしないと君は関わろうとしてしまうからこんな嘘を吐きました。
創介くんは何で手紙?って思うかも知れないけど、手紙でサヨナラをさせて欲しかったの。何で私がこんな事をするのか知って欲しくて…口じゃ上手く言えそうもなくて…
だから手紙です。
創介君には迷惑かもしれないけど、私は誰かに聞いて欲しかった。私の事を、この世界へ連れてこられてからの私の全てを…
最初はね突然こんなトコに連れて来られて私は毎日泣いてた。
だって突然皆んなでフェリーに乗ったらいきなり真っ白い部屋に居て、貴方達は死にましたなんて言われりゃ誰だって泣くでしょ?
それでも前を向いて行動できる人達も居たけど、私には無理だった…充てがわれた部屋で友達数人で毎日膝を抱えて泣いてた。
だって突然勇者とか魔王とかって漫画みたいな事言われてさ、剣なんか渡されても…って感じだったよ
でもある時に友達の1人がこのままじゃダメだねって言って部屋から出て行ったの…
そしたらさ1人また1人って部屋から出てっちゃうからさ私も慌てて部屋を飛び出したんだよね…結局、自分で出てったんじゃなくて周りに流されたんだよね…
そこから必死になってスキルとギフトの使い方を教わってさ、そしたら皆、凄いって褒めて来るからそうかな?なんて自分でも思っちゃってね。ホント馬鹿だよね。そんな事ないのに、私の力なんか見た目だけで凄くなんか無かったのに、ね。
けど…何だか認められたみたいで嬉しかったなぁ
それで相性のいいメンバーでチーム作ったりしてね。その頃は楽しかったよ。 魔獣と戦うのは怖かったけど、皆んなで励まし合いながら自分を高めてる感じがしたから…
わたし生きてる!って気持ちになってたな…
それから少ししてチームに宇堂達が加わった…
初めは山下君を殺した奴だから勿論怖かったけど、それ以外には魔獣討伐に精力的だったし、何度か魔王とも戦ったりしてたし、チームでも的確なアドバイスをみんなにしたりして印象が変わっていった気がする。
けど、それがダメだったんだよね。
ある時宇堂達が街へ奴隷を買いに行くって言うから少し、ほんの少しだけ興味が出て付いて行かせて貰う事になったの。
結構アクティブに活動してるメンバーは奴隷を連れて行く人も多かったし、それが普通なのかな?って軽く考えてたんだよね。
奴隷商に着いたら如何にも悪そうな人が支配人で、来ちゃいけない所に来ちゃたって直ぐに感じたんだけど、帰るって言える雰囲気でもなくて、そのまま着いて行くことになった…
最初は普通の?犯罪奴隷が檻に入れられてたんだけど、宇堂達はそれは無視して奥の部屋へ入って行くのね。
奥の部屋なんて普通じゃ分からない作りになっててね…
そこに居たのは裸にされた女の子達だった…中にはまだ小さな子とかも居て種族もバラバラ…どう見ても奴隷なんかには見えなかった…
怖い人が私に小声で隣の部屋には女性用の奴隷も用意してるって…
私はもう、怖くて何も言えなかった…ふと、宇堂達を見るとみんなニタニタしたイヤラシイ顔つきになって女の子の選別をしてたの…
昔塾の帰りに駅前のいかがわしいお店の前で見たサラリーマンの集団を見かけた時の様な気持ち悪い顔だった…
ココはそう言う場所だった…
すぐに私は帰ると告げて逃げる様にその場から出たの。…その時、私は宇堂達が汚く見えて凄く酷い顔を向けてたんだと思う…
それからはあんまし、宇堂には近づかない様にしてたんだけどある魔獣の討伐で私はみんなからはぐれてしまって、森で1人孤立してしまった…後からそれは宇堂達の罠だって思ったけど、 もう既に遅かった…
気が付いたら宇堂達に囲まれて抵抗もしたけど、やっぱり勝てなくて…捕まって…アイツらに犯された…
アイツ等、笑ってた。笑って犯して、次の奴に代わってまた犯されて…何回も何回も…
その時、私の心は死んだんだと思う…
強姦ってね、殺人なんだよ…心の殺人。
女って好きでも無い奴にカラダを弄ばれるとね、自分の心を殺すしかないの。
殺されて…従うしかなくなって…
その後あいつらの前にあの奴隷商の男が来た…意識すら無くし掛けていた私は抵抗すら出来ずに奴隷にさせられた…
私を飼いたい貴族が居るって言われて、そのまま私は連れて行かれた。 その貴族の屋敷の地下に私は監禁された。
貴族の男は妻子も居るのに毎晩私を抱いた…異世界の女に興味があったんだって…別に私じゃ無くても良かった…けどその男は毎晩私を抱きに来るの。
始めは抵抗しようとしたけど奴隷紋の所為で忽ち気が狂いそうなほどの激痛が体を襲って来るから段々と諦めた。
諦めてからの私は何も考えずにただ抱かれるだけの人形みたいになった。勿論それでも意思はあるし、考え事だっていっぱいするし、本物の人形にはなれないんだけどね…
ただ戦わなくて良くなったのは素直に嬉しかったよ。慣れれば怖い気持ちも感じなくなるし、このまま貴族のオモチャとして生きても不便は少ないと思ったから…
でもさ、セックスってただ快楽で終わるわけじゃないじゃん?やるとこやってたらさ出来ちゃうんだよね…
生理が来なくなって何となくやっぱりって思っちゃった…
それでもその頃はもうこの生活に慣れてて堕ろすなら堕ろすって相手が決める事に任せようと思ってた。
そしたら、産んで良いって…産んだら育てるって…
私はこんな状況なのに嬉しかった…やっぱり女として生まれたから自分の赤ちゃんとかって考えた事もあったし、相手は選べなかったけど…それでも産んであげたかった…
それから私の妊娠中のお世話をする為にメイドが1人付く様になった。
私もこの世界での出産の方法なんかをそのメイドに聞いて、安産で生まれる為の準備を色々してた。この時が、この世界へ来て一番楽しかった時期かも知れないよ
でも、臨月に入った頃何だか変にお腹が張って痛み出したの。凄く痛くて変だな?陣痛にはまだ早過ぎるなぁ…っとか考えてた…
そこから何日か続いていよいよ痛みで起き上がれなくなって、メイドが慌てて医者を連れて来た。
直ぐに赤ちゃんを取り出すとかになって私も訳わかんなくて…
…そして出て来たのは赤黒い色をした塊だった…
死産だった…医者が言うには私の子宮のマナの循環が良くなくて赤ちゃんにマナが十分行き渡らなかったとか…
意味が…わからなかった…
その時、何故だか、うちのお婆ちゃんが昔、乳癌になって摘出手術して、おっぱいの腫瘍を取り出すことになってさ、手術が終わって家族だけ集められて取り出した腫瘍を見せられたの。黒くてブヨっとしててさ所々ピンク色した塊だった…
その時、私思ったの。お婆ちゃんの体に悪いことしてたモノが取れてよかったね。って…これでお婆ちゃん元気になるねって…
結局お婆ちゃんはその後、癌の転移が見つかってすぐに亡くなっちゃったんだけどね。
何でか、その事を思い出してたの…
暫くして、貴族の男がやって来た。
ただ、失敗したのか…とだけ言った。
アイツは勇者と自分の子供を作ろうとしていた。優秀なスキルと身体能力を家世に残す為だとか…
アイツはまた明日から私を抱くから準備を整えて於く様にだけ告げて部屋を出て行った…
そうして…私はコワレタ。
奴隷紋で襲われる痛みなんて気づけないくらい私はコワレテいた…
近くに居たメイドと医者を殺した。地下から出て使用人達を殺しながら男の部屋に行き、部屋にいた男を殺しその妻も側に居た2人の女の子も…みんな殺した…誰一人、逃がそうとも思わなかった…
男が死んで奴隷紋の痛みが無くなった。
それでも奴隷紋は消えなかった…
この術は死ぬまで消せない呪いだから…
私はそのまま姿を隠しながら奴隷商の所まで行き、カラダを使って奴の女になった。
奴隷商は強力な用心棒が自分のオンナになった事を素直に受け入れ、私は身を隠す場所を得た。
そうして、奴隷商を利用しながら機会を伺ってたの…
アイツらを宇堂達を殺す為に。
街にあった奴隷商と別に裏奴隷用の場所を人里から隔離した集落に移し、交渉を其処で行うようにしたの…最近勇者達が大っぴらに違法奴隷で遊び出したから良い隠れ蓑が出来たって奴隷商の男は笑ってたわ。
そしてやっとアイツらを殺す段取りが着いた所でバレないようにアイツらの飼っている奴隷共を1人ずつ殺して回った…
そして遂に、アイツらがまた奴隷を買いに来る事になったの。日時を決めて殺す準備も整った…
けど…そこに創介君が来ちゃうんだもん…ビックリしたよ!もう旅立ったと思ったのに!ホントお人好し過ぎだよ君って奴は…
だから多分君は私がやる事を許せないと思う。
だってキミってヒーローっぽいもん。
私は詳しくないから合ってるか分かんないけど、スパイダーマンとかそんな街のヒーロー的なやつ。
困ってる人とか咄嗟に助けて、誰かが泣いていたら駆け付けてしまう。そんな感じかな?
なんでスパイダーマンかって言うとね…弱そうだから!…って怒らないでね?
弱そうだけど最後は…必ず強い悪者もやっつける感じ。
そしたらさ、悪者ってなったら、私だからさ。
それはなんか、いやだなぁ、って。
この世界には私もそうだけど、人間が居ないんだよ…みんな、人間のフリをしてるだけ。元の世界のみんなももう人間なんかじゃない。
そんな中でキミだけは人間でした。
あの日私に流してくれた涙は私の宝物だよ。
でも、もう遅かった…私はもう、ずっと前に死んでて、終わり方が分かんなくなっただけのただの幽霊…
だからね、この世界と一緒に死ぬ事にした。
みんな道連れにして死ぬ事にしたの。
あの集落の奴隷達は騙された。でももう奴隷にされたらおしまいなんだよ…
誰も助けてくれないし、救ってなんかくれないの…だから、せめて一緒に終わりにするんだよ…
キミはここに来ちゃいけないよ。
バイバイ!
最後に、キミに会えて良かった。
じゃあね




