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第0話 とあるところに黒一つ

完全オリジナルコラボ小説です。


これよりチートも泣き出す"究極"の困難を開始します。

 ……世界は、七人の魔女に支配されていた。


 とある魔法都市、〔セブンス・ベル〕は、『魔法』と言う名の"超常"もしくは"神秘"が存在した。


 これを管理するのが七聖魔法士セブンス・ウィッチと呼ばれる七人の魔女。それぞれがそれぞれで【個】として確立、及び【全】として存在する世界の基盤たる者達。

 つまり、この七人の魔女がしかと管理せねば、都市は瞬く間に崩壊してしまうのだ。



 ────そう、崩壊してしまうのだ。



 いつか誰かが思い、誰もが予想だにしない事が起こってしまった。

 それがまさか、あんな事だとは……











「おはようございます! 本日も始まりました、モーニング7が朝7時をお知らせします!」


 此処は〔セブンス・ベル〕、巨大魔法都市。

 ビルに設置された巨大モニターからはニュースキャスターの元気な挨拶が飛び出す。


 一見すると、魔法都市には到底見えないだろう。舗装された道路、建ち並ぶビル群、人々の手には板切れサイズの機械端末。車、電車、飛行機、何でも御座れ。

 が、人の全てがそれ等の科学を使うワケで無く、中には魔法都市らしく魔法で移動する者も少なからず居る。ただ、移動魔法は効率が悪いだけなのだ。


 移動する速度が遅かったり、宙に浮くだけだったり、そもそも適合しなくて使えなかったり、そんな残念な事だらけなのだ。ちなみに使える人には非常に便利な魔法で、目的地まで一瞬で移動出来ると言う点で、大企業の社長などには重宝されている。


 科学が発展した今では不要に思える魔法は、今も人々を見えないところで支えている。

 この世界を巡り、輪廻するのは自然の力では無い、完全な"魔力"だ。そう、この都市の名前にもなっている、セブンス・ベルの『セブンス』とは、7人の魔法使いの存在を示している。彼女達の管理が無ければ、この都市は瞬く間に崩壊してしまう。



 火を管理する火の魔女────

 水を管理する水の魔女────

 木を管理する木の魔女────

 光を管理する光の魔女────

 闇を管理する闇の魔女────

 天を管理する天の魔女────

 地を管理する地の魔女────



 世界は7人の魔女、"七聖魔法士"に依って生きている。この世界に於いての平和の象徴であり、最強の証である彼女達が見守る都市は、今日も平和な一日を過ごすのだった。


「魔法都市〔セブンス・ベル〕か。完全な魔力で生きる世界など他に類を見ない、これはなかなかやり甲斐があるな……」


 そこへ、暗黒から現れた謎の人物が一人。漆黒のローブで身を隠し、宙に浮く姿は、不穏な気配以外の何物でも無かった。謎の人物が魔法都市の地面に足を付けた瞬間、7人の魔女は即座にそれを感じ取った。



「うわー凄い黒い。絶対ヤバいよねこいつ」


 若者らしい言葉の使い方をする、だがその胸の奥には計り知れない熱さを持つ人。彼女こそ火の魔女。


「異邦からの侵入者ですか。何だか小説みたいですね」


 おっとりした口調で気楽に事を例える、静かでありながら僅かに垣間見える激しさを持つ人。彼女こそ水の魔女。


「黒い、黒い、黒過ぎる! 今すぐ排除せよ!」


 幼い声でありながら事の重大さに真剣、世界の平和を一番とする険しい言葉を放つ人。彼女こそ木の魔女。


「この気配、一体……」


 魔女になって日が浅く、初めて目の当たりにする黒い気配に驚く。されども言葉にはしっかりと勇気が溢れている人。彼女こそ光の魔女。


「この気配、闇より深い……」


 暗く低い喋り声、黒い気配を闇と比較し、闇より深い黒だと分析する自らにも黒を抱える人。彼女こそ闇の魔女。


「……来てはいけないモノが来てしまいました」


 世界を案じて涙を流す、出来るなら誰も傷付けたくない心優しき白髪の麗しき人。彼女こそ天の魔女。


「世界を脅かす者よ、疾く屠ってやる。待っていろ」


 重厚な口調で黒い気配に堂々と立ち向かう様子、性格は厳格、意志は固く、これ以上無い程の強さを持つ人。彼女こそ地の魔女。



 以上の7人は、漆黒のローブに身を包んだ謎の人物を討伐せんと動く。都市の平和を崩さぬ為、最強の魔女達は力を合わせて挑んだ。






 ────────しかし……






 魔女達は呆気なく敗れ去り、各々の魔法が持つ呪いを各々に掛けさせられ、都市は早々に壊滅した。魔力で動いてるこの世界は、その大元である魔女達からのラインを失い、自転を停止させる。

 瞬間、今まで便利だと思って使っていた科学がただのガラクタと化してしまった。天候は荒れ、水は淀み、自然は萎びれ、想像を絶する由々しき事態。このままでは都市に住む人々の命が尽きるのも時間の問題。


 だが、まだ都市には希望が有った。


「こりゃ酷ぇなぁ、えぇ? まぁでも、ふらっとやって来た縁だ、このまま見捨てやしねぇよ。ただまぁそうだなぁ、俺が解決しちまうのは呆気ない、俺以外にやらせようかねぇ」


 その姿、普通の人間にして普通の人間に非ず。その強さ、世界を超えて何処にも非ず。その意志、誰よりもハッピーエンドを望む者也。

 彼が見たからには、必ずこの都市は救われる。必ず────



 これより、彼等、彼女等の長い闘いが始まる。








第1話に続く……

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