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 21. 貴方のモノになりました!

 クロとワカの準備が整った事を確認し、ミーナの裸体に向い手を翳す。


「碧き月の契約・・・。」


 詠唱開始と共に俺の足元に発光する魔法陣が展開し、薄暗い部屋を照らす。


「この者、今この刻より我が所有物とし、全てを捧げるこの者に禁を与えん。一つ我の情報を外部に漏らす事を禁ず。一つ我の意に背く事を禁ず。一つ我以外の者を自らその身に受け入れる事を禁ず。一つ我の為以外で自ら命を断つ事を禁ず。4の禁破りし時、碧き月の呪い以て永遠の闇に沈む。」


 碧く光を纏った掌をミーナの腹部に当てる。


「ん~~~~っ!!!!!!!!!!!」


 ミーナの中に契約の魔法を焼き付ける。


 ガクガクガクッと激しい痙攣を起こし、口元からは白い泡を吐き、瞳はグルリと白目を剥く。


「あがっ、・・・あ゛ぁぁあ゛ぁぁ・・・。」


 極端に声を出す事をクロによって封じられているミーナが、言葉にならない声を漏らす。まともに声を出せる状態なら耳を劈く様な絶叫を発しているに違いない。

 だが、どれだけの苦痛に顔を歪めようと失神しようと、契約がミーナに焼きつくまで終われない。

 禁止事項が多ければ多いほどこの苦痛も長く続く。戦闘経験も無く、ましてや苦痛に対する訓練も受けていない一般人に、4つの禁を焼き付ける行為は精神に異常をきたすギリギリのラインだ・・・。


「ミーナ、耐えろ、もうすぐ終わる。」


「あ゛う゛ぁ・・・あ゛ぁぁ・・・・。」


「ワカ、バケツか桶を用意してくれ。」


「畏まりました。」


 足元に展開された魔法陣が足元から徐々にせり上がり、俺の身体を伝い掌からミーナの中に入る。


「封。」


 契約の儀が終わると同時にガクッと力無く項垂れる。

 魔力で縛られた両手で、無理矢理立たされている状態だ。


 今ミーナの体で力が入る所、意識を通わせられる所なんて無いだろう。

 涙と涎を垂れ流し、失禁、脱糞。

 普通に考えれば、もう、嫁に行けない様な醜態を晒す。


「このまま、自然回復を待ってやりたいんだが・・・、」


 頭を垂れるミーナの頬を掴み、唇を重ねる。口を開かせ唾液を流し込む。


 ミーナが多少魔力が高いと言っても、それを遥かに凌ぐ魔力によるダメージを命と言うか魂、ミーナをミーナたらしめる概念に刻み込んだんだ。魔力によるダメージに抵抗しようと、体が内包する魔力は契約魔法に抵抗しガリガリと削られ、今ミーナの魔力貯蔵庫は干上がり、ギリギリ生命活動を維持している状態だろう。


 一気に回復させると貯蔵庫が、いやミーナが壊れかねない。

 微量の魔力を含む俺の体液を流し込み、貯蔵庫の機能をゆっくりと回復させる。


 少し時間を置き、貯蔵庫が少し回復した頃を見計らって掌を切り、ミーナの口の上で拳をグッと握る。

 ポタッ、ポタポタッ・・・。


 唾液よりも数段魔力を含む血液をミーナの口に流し込む。

 体の機能自体が低下し、液体と言えど容易に呑み込めない為、自然と体内に入るのを待つ。

 数滴ずつを数回に分け行い、魔力が少し回復したのを感知する。


「・・・そろそろか。・・・癒しの風、癒しの光、身体の回廊を開き、状態を回復させよ。」


 ミーナの瞼がピクッと動く。


「・・・うっ、・・・ゴホッ、ゴホッ。」


「ミーナ、気が付いたか?」


「・・・んっ、・・・セイ・・・君。」


「気分はどうだ?」


「・・・最悪です。」


「ふふっ、だろうな。辛かったな、良く耐えたな。」


「え、えへへ、・・・はい。」


 朦朧としていた意識がハッキリとして来たようなので、腕の魔法を解除する。

 足元がまだおぼつかないミーナを抱きとめる。


「セイ・・・君・・・ちょっとだけ、恥ずかしい・・・。」


 思ったよりずっと、か細いんだな・・・。


「心配するな、俺に見せる分にはすぐに慣れる。」


「・・・うん。」


 意味を察したのか、ミーナの体温が少し上がるのが分かった。


「ん? セイ君! 私、お口臭いかも!?」


「そりゃ、さっきまで、口から色々出てたからな。」


「う~っ、しかも、何だかちょっと臭う・・・。」


 俺はバケツを指差す。


「さっき色々漏らしたからな。」


「~~~っ!! 見ないで見ないでっ!」


 ミーナが手を俺の顔に向け、必死に俺の視界を遮ろうとする。


「気にするな。もう出る瞬間から全部見たから。」


 ガックリと、肩を落とすミーナ。


「あうぅぅ・・・。」


「とりあえず、バケツの中身を流してこい。」


「・・・あぃ。」


 窓を開け放ち換気をする。心地よい夜風が室内に入る。


「セイ君、流してバケツ洗ってきたよぉ。」


「よし、じゃあ、俺も汗かいたし、シャワー浴びるぞ」


 出来る確証はあったが、初めて使う契約魔法に緊張し、変な汗を掻いたせいでベタつく上着を脱ぐと、ミーナが自分の視界を手で覆い、背を向ける。


「あっ、じゃあ、セイ君先に入っていいよ。私汚れてるから・・・。」


 モジモジとしているミーナの腰に手を当て、シャワー室の扉を開ける。


「え? えっ?」


「さっさとシャワーの温度調節してくれ。」


 少し用意をした後、窮屈ではないが二人入るにはもう少し広い方が嬉しいシャワ―室に足を踏み入れる。ミーナの調整で暖かい湯が勢い良く吹き出し湯気が立つ。


 シャワーヘッドを手に持ち、温度調整を終え背を向けるミーナに掛ける。


「わ、私は後で良いから、先に流して。」


 ミーナの肩を持ちクルリとこちらを向かせる。


「セ、セイ君・・・あ、明るいよぉ・・・。」


 湯をミーナの肩から、徐々に下に移動させつつ掛け、先程粗相をした所に手を伸ばす。

 とっさに、足を閉じるミーナ。


「足、開いて。」


「・・・はい。」


 少し栄養が足りていないとは言え、キメの細かい綺麗な肌が、かぶれたりしたら大変だ。

 シャワーの先を粗相をした所に向け丁寧に洗い流す。恥ずかしそうに手で顔を覆い、時折ピクピクと体を震わせる。


「ほらミーナ、あーんして。」


 あーっと、口を開けるミーナに向けシャワーを掛ける。


「あぶぁ、ぶぁ・・・。セっ、セイ君! 今のは流石に溺れるかと思ったよっ!」


 溺れかけたミーナを横目に、シャワー室の扉を少し開け手を伸ばす。

 棚から出しておいた新品の歯ブラシに、歯磨き粉を付けミーナの口に突っ込む。


「気になるんだろ?」


「・・・ふぁい。」


 素直に口に突っ込まれた歯ブラシを動かす。

 ミーナが口をゆすいでいる間に、下半身から足の先までゆっくりとシャワーを掛ける。


「セイ君、お口臭く無くなったよ!」


「良かったな。」


 シャワーヘッドを壁に掛け、ミーナを抱き寄せ寄せると唇を奪う。


「初チュー、奪われちゃった・・・。」


 先程魔力回復の為、勝手に唇を重ねた事は黙っていた方が良さそうだ。


「そりゃ、残念だったな、後にも先にも男にさせるのは俺で終わりだぞ。」


 ミーナが頬を膨らませ、俺の体にピタリと肌を密着させる。


「いじわるっ・・・嬉しくて言ってるのに・・・。セイ君だけで良い。」


 ミーナを少し離し、石鹸を手にに取り肌を傷つけない様にしっかりと泡立てる。昔アスタがしてくれたのを思い出し、優しくミーナの体を洗い始める。


「セイ君、恥ずかしい、・・・まだちゃんと洗って無いから、汚ないよぉ・・・。」


「だから今綺麗に洗ってるんだろ? ミーナ、お前はもう俺の所有物だ。汚ない所なんて無い、汚ない所があれば俺が綺麗にしてやる。」


「・・・うん、・・・嬉しい。」


 孤児院では汚れている時の方が多く、自分でも未だに薄汚れている様な錯覚に陥りそうになるミーナにはこの上なく嬉しく、新しい自分に生まれ変わった気さえさせてくれる一言だった。


 丁寧にミーナの体を洗うと、お返しにと今度はミーナが同じ様に俺の身体を洗う。

 慣れない事をする上に、初めて見る男の身体に手元がおぼつかない様だったが、何とか洗体を終わらせる。


 軽い口付けを交わし、お互いの存在を五感を使ってしっかりと確かめ合った後、体を一つにする。


「いっっ・・・たくないっ・・・。」


 壁に爪を立てるのを見る限り、きっと痛いのだろう・・・。


「これで・・・全部?」


「あぁ、全部だ。」


「ほんとは、ちょっと・・・痛かったかも。え、えへへ。」


「・・・知ってる。」

 

 最初は少し辛そうだったが、契約の儀を乗り越えたミーナには辛さより、一つになれた喜びの方が前面に出ている様だった。俺の首に腕を回し体を仰け反らせた後、再び軽い方の粗相をしてしまう。


「あぅぅ・・・折角綺麗にして貰ったのに・・・ごめんなさい・・・。」


 恥ずかしさのあまり手で顔を覆うミーナの体を湯で綺麗に流す。

 自分の所有物だと認識しているからか、全く嫌な気がしない。

 寧ろつい数時間前まで、同じ教室で授業を受けていたミーナのこんな姿を目の当たりにし、気持ちが昂っていた自分に気付かされた。

 

 全く人の感情と言う物は本当に面倒臭く、不思議なものだと思った。

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