プロローグ
ドッカノ・クニ王国、この国、いや、世界はは今未曾有の危機に襲われていた。
魔大陸に魔王が誕生し魔大陸の魔王城より、魔王オウマ・サタン・ビルデが世界に対し宣戦を布告したと言う。
もちろん、世界各国は自国の精鋭を魔王討伐に送り出したが、誰一人として魔大陸に上陸する事が出来なかった。
各国の精鋭たちのありとあらゆる攻撃も魔王の張った結界を突破する事は出来なかった。
時を同じくして、世界中の魔物の活発化も確認され、世界各国の上層部は頭を抱えるのだった。
~~魔王宣戦布告より半年後~~
ドッカノ・クニ王城会議室では喧々諤々の議論がなされていた。
「タラッタラテラル海王国の艦砲射撃もあの結界にはまったく効果が無い今、もうこの方法しか残っておらんのです!」
「しかし爺よ、関係ない世界の方をこちらの事情で勝手につれてくるなど誘拐ではないか…、それに爺が見つけ出した召喚術式は魔王に対抗できる人材が召喚できる確証もなのであろう?
呼び出したものが一般人であった場合は目も当てられぬぞ…。」
「ですが王よ、もうこの世界には魔王に対抗できる戦力は残っておりません!
今にも魔王の準備が整い結界の向こうから大軍勢が現れるやも知れません。
一刻の猶予の無いかもしれないのです!どうかご決断を!」
「………わかった、自分の問題を他人に任せる心苦しさはあるが、背に腹は変えられん。
爺は召喚の準備と、まだ見つかっておらぬ送還の術式の捜索、大臣は各国使者殿に此度の決定の報告と、諸侯への通達を。
国民へはワシが通達する。
では皆の者、準備にかかれ!」
「「「「はっ!」」」
かくして、召喚は決定され魔王に立ち向かえる勇気有る者〈勇者〉を到来を世界は祈った。
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3日後勇者は召喚された、城の儀式場に光の柱が立って、光が晴れると3人の男女がそこにいた。
まず一人目、カミノブ・カネスギ。
黒髪で茶色の目をした背の高い男
二人目、シノブ・クロダ。
同じく黒髪茶色の目の背は低めなもののガッシリしている男
三人目、ハジメ・アサイ。
腰まで有る長い黒髪で、派手な化粧をしている女
3人は不思議な布の似たような服を着ていた。
混乱する三人は別室で宮廷魔導師に、この世界の事と召喚の目的の説明を受け、混乱が収まったところで王との謁見がセッティングされた。
『異世界の者達よ、此度の突然の召喚許してほしい。
宮廷魔導師に聞いたとおり、この世界の力では魔王の結界にすら太刀打ちできなかった。
別世界の知識でもいい、どうにか協力してはいただけぬか?
もちろん帰せと言うなら元の世界に帰す。
ただ帰すには、送還の術式が見つかっておらん、しばらくは安全なところで待っていただく事になるがどうだろうか?』
『はじめー異世界召喚物だぜ、どうするー?』
『えー、ちょっと、明日ケイコとカラオケなんだけどー…。』
『はじめーこの三人しかいねーんだしキャラ作りいらねーんじゃねーの?』
『あ、そうか。やったマジかー!魔法とあんのかな??
やっばーあがるーー!!』
『二人とも、ちょっと楽観的過ぎやしないかい…。
でもまあ、うん。
王様、どの道すぐ帰れるわけでもないようですし、まず何か協力できる事はないか確かめたいと思います。
二人ともそんな感じでどう?』
『『チート、チート!』』
『相変わらずか…。
では王様、帰る帰らないにかかわらず、どうかよろしくお願いします。』
『そちらの二人がなにを言っているのかわからないが。
承諾してくれるようでありがたい。
ではまず、君達の適正を確認させてもらっても良いかな?』
『はい、まず僕は…。』
『まあ待ちたまえ、爺よろしく頼むぞ。』
『はい、陛下。
では、君達ちょっと楽にしていてくれるかな?』
『『『???』』』
『ーーーーーー。【能力確認】。』
カミノブ・カネスギ
称号 勇者
スキル 光魔法lv1 勇者lv1
シノブ・クロダ
称号 天才
スキル 動作最適化lv1
ハジメ・アサイ
称号 賢者
スキル 知識最適化lv1
『なんと言うステータスじゃ…。
それに見たことの無いスキルがある…。
陛下、希望が見えたかもしれませぬ。』
『そうか!
爺、では三人のこと任せたぞ!』
『拝命いたしました。
では三人とも着いて来るといい、今見たステータスの説明とこれからのことについて教えよう。』
『もったいぶらねーで教えてくれよー!』
『あたしもあたしも!』
『だから落ち着いてってば…。』
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「ってことなんだってよ。」
「へー、異世界から召喚された勇者ねー。」
俺の名はジャック、ドッカノ・クニ国の平兵士だ。
今日は城の警備に就いてる、ちょうど勇者が召喚されたってんで、城中その話題で持ちきりだ。
「何だ興味なさそうに、魔王倒せるかもしれないんだぞ?」
「だってさ、魔物は最近多いけど、ぶっちゃけ冒険者で何とかなってるし。
最近はコソ泥捕まった位だし、実際これ平和じゃんよ?」
「まあそうだけどさ…。」
こいつは俺と同じ班のハンス、ちょうど見回りの交代前で暇だからってどっからか仕入れてきた噂話を披露してくる。
たまに、見回り中も私語で怒られてる。
まじめにやれ。
「どうせ俺ら下っぱにゃ関係ねーよ。
ほれ、そろそろ交代だ準備準備。
俺は終わってるから晩飯の算段してるけどな。」
「ちょマジかよ、やべぇ班長きた。
だー!こっちみてる…、詰んだ…。」
こいつはいつもこんな感じだ。
さて、今日は何時終わりかなこいつ、一昨日は2時間居残りだったなー。
じゃ、今日も楽しくお仕事お仕事。
あ、そういや主人公俺なんだってさ!
誰に言ってるかわかんねーけど。
「ジャックー、行こうぜー。」
「オウ、今日は居残りは?」
「何とかお目こぼししてもらったぜ!」
「じゃあ、今日は飲みに行くか。」
「おっし、いつもんとこか?」
「いや、新規開拓してみようぜ。」
「いいな!おーし、真面目にはたらくぜー。」
「いつも真面目にしろよ。」
「ふへへ。」
さーて、仕事終わりが楽しみだ。
初投稿、トイレで思いついた事書いてみました。
勇者のかっこいいシーンとか勇者PTのスキル説明とかいまんとこ予定はありません。
あくまでテンプレ異世界召喚物の一般人視点的お話です。
物語なのにドラマ性を求めないすたいるを頑張ります。
ネタを思いついたら書く感じのぬるい一話完結型連載が目標です。