その名は「正義」
今回は長め。しかしシンフォギアとGGの曲はいいですねえ。
なんで…俺が…我慢しなくちゃならないんだ…?
俺は…ただ…「正論」を言っていただけなのに…
先生が我慢しなくて…なんで高校生の俺が…我慢しなくちゃならないんだ…?
「ソウダ…我慢スル必要ナドナイ」
俺が…「正義」なんだ…
「ソウダ…正義ダ…ダカラ…」
みんな…みんな…みんな…
みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな…
『ブッコロシテヤル‼︎』
俺ガ…「正義」ダ…!
「あと、一分…!て、とこかしら⁉︎」
翔ぶーー飛翔する。
人が夢見て、しかし結局は機械に頼らざるをえなくなった行為であり、鳥達にとっては当たり前の行為である「翔ぶ」という行為を真理はさも当たり前のようにこなしていた。
夜の街、ビル街を飛翔するーー当然、人には見られる。
魔法少女として強化された感覚によってそう知覚していた真理であったが、ルュストの話では「マッド・ファンタジー」はとても大きな力を持つらしい。
ならば、急がなければならない。取り返しのつかなくなる前にーー
「見えた!」
飛翔していた真理の目に、何やら生物的なシルエットがうつる。
かなりの大きさだ、おそらくあれが「マッド・ファンタジー」そのうちの一つの姿だろう。
後ろから追いかけてきているルュストを待たず、人のいない場所ーー太平洋上へと「持っていく」ことに決めた真理はシルエットに向けて突撃し。
急接近してきた相手、その戦艦をも容易に沈めることのできる強烈なラリアットを真正面から食らった。
まずいーー!
ルュストは後悔していた。
そもそもルュストの仕事は資質のあるものを魔法少女とすることである、その後どうなろうが知ったことではないし、相手も干渉を望むものなどいなかった。
しかし今回、ルュストは目撃してしまった、全世界最強の魔法少女、それが自分の目の前で誕生するところを。
同僚のマッドサイエンティストの顔を思い浮かべ、これじゃアイツの事を笑えないわね、と思いつつ真理を追うルュスト。
追いつこうとしたその時、ルュストの目に飛び込んできた光景は、真理が全長3メートルはあろうかというロボットに吹き飛ばされるところだった。
そして真理を吹き飛ばしたロボットはその狙いをルュストへと変える。
(あー、こりゃ…死んだかな?私も、あいつも…)
短い人生だったなあ、そう思いつつなんとかロボットが発射しようとしているビーム砲から身を守ろうとするルュスト。
そして、ロボットがビーム砲のチャージを終え、発射しようとしたその時ーー
「ビッッ……イィィム‼︎」
横から飛んできた緑色のビーム砲がロボットに直撃した。
「獣みたいなやつだと思ったら、ロボットだったとはね…!やってくれんじゃない!」 「真理!あなた、生きてたの⁉︎」
「あったりまえよ!あたしを誰だと思ってんの!?」
「いや、そう言われても返答に困るわ!」
ルュストは真理が生きていた事実に驚愕していた。
なにせあんな一撃を、それも魔法少女の身を守る魔法、守護障壁なしで食らったのだ。
グチャグチャのミンチになっていたとしてもおかしくはないと思っていたのだがーー
(まったく、ホント規格外ね…!)
どうやら、結界は吹き飛ばされてからこちらに戻る数秒の間に張っておいたようだ。
みるみるうちにビルの破損が直っていく、人の気配ももうなかった。
真理の一撃を食らったロボットはというとーー
「グ…ギギ…!」
「まあ、立ってくるわよね」
かなり派手にやられたのだが、しっかりと立っている。
目立った損傷もないようだったが、明らかに苛立っていた。
その証拠に、先ほど自分に一撃食らわせた真理に対して、一人の少女相手にするにはオーバーキルである攻撃を放ち続ける。
しかし、真理はその全てに対処、ビームがくれば障壁で無効化し、パンチがくれば受け止め、逆に自分の攻撃はクリーンヒットさせていた。
「ガッ…!」
たまらずロボットがよろめく、真理はその隙を見逃さず、いつの間にか出現させていた杖をバットのようにロボットめがけて振り抜いた。
今度は自分が吹き飛ばされていくロボット、真理はそのまま追撃を行おうとしたがーー
「グ…ナゼダ…ナゼ…オレノジャマヲスル!」
「邪魔?」
「ソウダ…オレハ、オレ、ヲ、ヒテイ、シタ、コノセカイ、ニ、フクシュウ、ヲ、スルンダ……ソノジャマヲ………スルナアッ‼︎オレノナマエハ「セイギ」…!キサマラヒトノツミヲサバクモノダ!」
自称「正義」が吠える。
そして、真理に向けて突撃、ビーム砲のチャージを会話中に完了させており、真理に向けて全力で撃とうとするが…
「あっそう、でも、あたしには関係ないわ」
真理は、「正義」に向けて手をかざした、するとみるみるうちにビーム砲の出力が弱まっていく。
「ナ、ナゼダ!ナゼ!ビームノシュツリョクガオチテイク!?」
「あんたのビーム砲…障壁で防いだ時、わずかに魔力の残滓が残ってた、最初は障壁に込めていた魔力かと思っていたけど、あんたがビーム砲をさっき撃とうとした時確信した、あんたのビーム砲、あれは「魔法」だってね、だからあんたの魔力を吸い取ったのよ、こっちも魔法を使ってね」
ルュストは後悔していた、真理のその圧倒的な力を見て、自分はなんてものを魔法少女にしようとしたのかと。
「正義」は恐怖していた、こいつは自分を確実に殺すつもりだと確信したからだ。
そしてそんな彼らを尻目にーー真理は魔法を放とうとする。
「マ、マテ!キサマハイッタイナニモノダ!?コタエロ!」
そう「正義」が吠える、その言葉に真理は一言。
「あたしは魔法少女ーー魔法少女、パンドラよ」
ーーーそして、その一撃は放たれた。
「…ちょっとやりすぎたかな?」
真理が「正義」に向けて放った一撃は、地面に大穴を開け、開けられた穴の端からは煙があがっていた…。
真理さんのチート具合はさらに加速していきます。
しかし文書がずれる…。