魔法少女出陣‼︎
「マッド・ファンタジー?」
「そう、例えばゲームとかで敵を倒すでしょ?そういうふうにあなたたち人間が生み出した『世界』で殺されていったやつらの怨念が集まってできたモンスターのことよ。そして、あなたが戦う敵の名前…というか総称でもあるわ」
「私の戦う、敵…」
「そうよ、私はもうすぐ本拠地に帰らなくちゃいけないけど、まああなたならうまくやれると思うわ、でもサービスでいろいろと教えてあげるわよ」
「あ、ありがとう、じゃあーってもうすぐ帰る!?どういうこと!?」
「あんまり一つの世界に長く止まれないのよ、まだもう少しは大丈夫だから、その間にあなたにいろいろと教えてあげるけどね、私も少しは罪悪感を感じているし…」
「えっとじゃあ攻撃方法とか教えてもらいたいんだけど、あとはいわゆる結界とかの作り方とか…」
「…そんなにあせらなくても、ちゃんと教えてあげるわよ…」
こうして、ルュストによる真理への魔法講座が始まった。
「いい?魔法はイメージなの、今のあなたならアメリカ大陸を一撃で消し飛ばせるから、そうね…あなたの今の全力で被害を出さないようにするには、とにかく硬いイメージを持って結界を張って、その中にある物を補完するイメージが大切ね、できる?と、いってもすぐには無理ー」
「できた」
「早っ!」
真理の飲み込みは乾いたスポンジのごときであり、瞬く間に魔法をマスターしてしまった。
ちなみに、結界とは、結界を張ることによってその中の人間を外に弾き出すという魔法で、壊れた建造物も元のように直すことが可能という、この手の魔法少女ものではお約束の超便利魔法である。
「じゃあ、私はそろそろ本拠地に戻るわ、マッド・ファンタジーが出現したらすぐわかるはずたから、被害を拡大させたくないなら、きっちりと迅速に倒すことね」
「うん、いろいろとありがとう」
「じゃあ、縁があったらまたっ!?」
「この感覚は…!」
「そんな、早すぎる!最低でも三日は限界に時間がかかるはず…ホント、規格外ね…!」
「出現したの!?なら!」
「ええ、初戦よ、今回は助けてあげるから、早く現場に向かいなさい!あと十秒でこの空間を解除…!?」
「必要ないよ、このまま無理やり行くから」
「ちょ、待って!…きゃあっ!」
真理とルュストがぶつかった道の空間、現実世界の空間にひびが入り、それが大きくなっていき ーーー 割れた。
真理が強引に展開していた異空間生成魔法を突破したのだ、秘密の花園にすら、破れるものはいないといわれている、ルュストの魔法をである。
「待ってなさい…!あたしの、『敵』!」
魔法少女ーーー出陣‼︎