曲がり角で突然の未知との遭遇から始まる魔法少女の物語
「ここは…?」
そう言って、少女は目を覚ます。
彼女の名は立川真理、ひらがなでたちがわまり、カタカナでタチガワマリ、名字が立川で、 名前が真理だ。
今をときめくピッチピチの女子高生すぎて男子は近づかず、女子にばかり気に入られるような彼女は今、真っ白な空間にいた。
「なんなの、ここ?あたしはいったいどうしてこんな所に…?」
そう考える彼女、とっさに回りを確認してみたり自分の体を触ってみるが体に異常はないし、回りは完全に真っ白である。
周囲から情報を得られないと思った彼女は、どうしてこんなに落ち着いているか自分でも不思議に思いながら、何かおかしなことはなかったか今日一日の出来事を思い出そうとした…。
「えーと今日は始業式の次の日であたしは私立田村高校の二年生で帰宅部で今日は自己紹介したりして授業は来週の月曜日からでえーとえーと、てっ、全然落ち着けてない!落ち着けあたし!よし落ち着いたたしか友達の友子ちゃんの用事につきあってて帰りがちょっと遅くなってて急いで帰ってた所でなんかウネウネした不定形の名状しがたい生物と曲がり角でぶつかって…てっ、それだ!多分その不定形の何かが原因だ!もしかして宇宙人⁉︎それともあたしの妄想⁉︎どちらにせよヤバイ!早くここから抜け出さないと…てっ、あんただれ⁉︎」
「その不定形の何かだった存在で実はうまく人間に変装できてたと思ってたいわゆる魔法少女のマスコット的な存在のルュストちゃんですよどちくしょう!さっきから目の前にいたのに全然気づかないってどういうことだよ!」
状況把握しようとしてマッハで焦っていた彼女…真理の前にいたのは人の顔ほどの大きさでザ・pリキュアのマスコットな姿をしたルュストと名乗った存在だった。
「えーと…あんただれ?」
「ルュストっていう秘密の花園《パラダイム・ガーデン》という組織から君を魔法少女にするためにやってきたマスコットだ!さあ、私と契約して魔法少女になってよ!お願い!」
「いいよ」
「えっ、いいの?」
「うん、なんか裏があるわけでもなさそうだし」
「ひ、人をそんなに簡単に信用するのはいけないと私思うけど…」
「実はあたし、目を見ればたとえ人間だろうが動物だろうが嘘をついてるか見抜けるの」
「なんというご都合主義!でも正直これ以上いろんな『世界』で拒否されるのは上司からのウケ的にも私個人の心情的にもかなりの悲しみを背負うことになってたから良かったわ!じゃ、さっそく契約を…⁉︎」
「どうかした?」
「あ、あなた…とんでもない魔力量だわ…!こ、こんな魔力の持ち主を私の一存で魔法少女にしてもいいのかしら…」
「?魔法少女になるには…このボタンを押せばいいの?じゃ、ポチッとな」
「あ、待っ…」
〔コード承認…魔法少女プログラムインストール開始…予想外ノ反応…エラー…エラー…パンドラノ箱ヲ解禁…インストール開始…完了、オメデトウゴザイマス、コレデアナタモ、魔法少女ノ一人デス〕