わっしょい!わし生まれ変わったわ!
首吊り、練炭、リストカット、睡眠薬etc...
俺は人生に疲れた。
毎日会社に出勤しては女子社員には気味悪がられ、上司も虫を見るような目で俺を見てくる。
確かに俺は人より不器用で自分の感情を上手く伝える事がニガテだ。
だがそんな俺なりにも、この年まで育ててくれた母親に少しでも恩返しが出来るように
辛い環境の中でも頑張ってきた。
小学生の時に両親が離婚し、金銭的にも余裕のない中、それでも必死に俺をここまで育ててくれた母親。
だがそんな彼女も先日突然のガン告知を受け、2ヶ月も経たないうちに呆気無く逝ってしまった。
学生時代から内気な性格だったためまともな友人もいない。
今年で35歳になるが、当然女性経験など皆無である。
唯一母親だけは俺に優しくしてくれていたが、そんな彼女ももういない。
元父親の度重なる暴力・虐待によって心身ともに疲れ果て、俺を守る為に離婚をした彼女だが、離婚の際に親戚からは世間体を汚すななどの理由で絶縁された。
参列者もいなく、寂しい葬儀となってしまったが俺をここまで育ててくれた大事な母親だ。
せめて俺だけでも真摯に看取ってあげなければ彼女も浮かばれない。
そんな葬儀も一段落し、ふと落ち着いて自分の今の状況・これからの将来を考えた時点で改めて俺は絶望した。
正確には諦めたと言った方がいいのかもしれない。
しばらく思い悩んだ挙句、自分自身でこの人生に幕を下ろすことを決意した。
今日は最後の晩餐だ。
昼間会社に辞職願いを持って行くと上司は普段は見せないような嬉々とした笑顔で、そうかと一言。
あっけなくそれは受理されて俺はいとも簡単に解雇の運びを得た。
借りているアパートも解約手続きはしっかり済ませたし、元々少なかった私物も無事に処分が終わった。
思い返せば散々な人生だったが、来世というものがあるのなら次は少しでも幸せな人生を送りたい。
後数時間後に俺は死ぬ。
本当に疲れた。
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首にかかる重さがすこしずつ薄れていく。
いや、俺の意識の方が薄れてるのか。
これでこの不幸だった人生から抜け出せる。楽になれる。
そう思うと不思議と身体に感じる苦痛も和らいでいく気がする。
少しずつ視界がぼやけ、意識が朦朧としていく。
あぁ。やっと逝ける。
(…ボッシューーーーーートッッ!!!!)
薄れていく意識の中で何かが聞こえる。
こうして俺の人生は終わりを告げた。
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突然だが、今天界では人間ウォッチが流行っている。
人間達が生み出す数々の娯楽が天上の神々をも魅了していたのだ。
有名な創造神ゼウスなども、某ニコ○コ動画に今季のアニメに合わせた振り付けを必死に考え、
踊ってみたタグで投稿しようと躍起になっている。
腐の国ジャパンはここ数年に渡り今季の注目ワードランキング1位だ。
衝撃の事実。天界は全体的に腐っていた。
元々は大地を生み出し、生命を創造し、そんな事をしていたのだが、
やはり神と言っても意思を持った生物であり、一旦娯楽の味を知ってしまえばそれに逆らうことは
容易ではない。
天界終了のお知らせなんてアナウンスが聞こえても彼らは口を揃えて「ちょ!待って!」で済ませるだろう。
人間同様に神々にも様々な個性があり、
肉体派でバトルジャンキーな神々は月一で天界一武○会などを開催してみたり、
文化系でひたすら1つの事柄を追求する事が好きな神等は自作の同人誌作成などを試みたり、
基本的に神々は外界に干渉する事はしないというのが暗黙の了解としてあったのだが、
主神の1柱でもあるゼウスが上記のような神である事を考えればお察しである。
勿論人間達にバレてはいけないというルールは根底にあるので、投稿者名は「ゼウッシュ( ・`ω・´)」などとしているのだが、サムネに自身の名前でヒットした謎のイケメン画像を無断で使用している辺りどうもこの辺も怪しい。
そんな中で今流行りの転生モノに目をつけた1体の神がいた。
この状況ならちょっと位大丈夫と安易な考えで、彼が暇つぶしに練り上げた途方で稚拙極まりない計画の為に大きく人生が変わった人間がいる。
「いや…、いくら何でも悲惨すぎるよねこの人生。詰んでるなんてもんじゃないよ。この人に今の天界とか絶対見せらんないよね。とりあえずこの逆転シロップを魂に染み込ませて…」
一般的に整ったとはお世辞にも言えなかった顔は誰もが羨む絶世の美男子に。
スッと通った鼻筋にぱっちりお目目は愛嬌たっぷり。お人形さん顔負けのナイスガイ!
悲惨すぎる薄幸度合いは一変し、何をしても上手くいってしまうスーパーイージーモード。
LUC値100とかそんな程度では収まりきらない幸運値。運ブースト全開である。
そして欠かせない記憶の継承。これは大前提だ。以前の辛い記憶に引きづられる事もあるかもしれないがこれだけのチート要素をブッこんだのだからなんとかなるだろう。
ニンジャ、ロボ、巨人。胸踊るキーワードはいくつかあったが、やはり剣と魔法は外せない。
生命の泉なる所から適当に創りだした1つの世界にそういったファンタジー要素を自重せずふんだんに盛り込み、やがて出来たやっちまった感溢れる世界。
この世界に先程のチートの塊である彼の魂を送り出す。
願わくば次の人生は幸せにと。…そして自身を目一杯楽しませてくれと。
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なぜか失ったハズの意識が戻っていく感覚がある。
まさか失敗?ただでさえ先の見えなかった人生に後遺症など残ってしまったら自らの手で幕を引くことすら出来なくなってしまうではないか。
ああ…視界が開ける。やめてくれ。もうウンザリだ。
起きたくない。認めたくない。そんな意思に贖うように意識が段々と覚醒していく。
ついに目を開けるに至るが眩しさが強くまともに目をあけていることすら出来ない。
霞のかかったぼやけた視線に微かに映るのは1組の男女。
なにやら男の方は叫んでいるし、女の方は疲れ果て満身創痍に見えるが、それでもひと目で分かる微笑みの表情を浮かべ、とても愛おしそうにこちらを見つめている。
なんだこれは。一体どういう状況だ。
俺にはこんな知り合いはいないし、覚醒したはずの意識もすぐに段々と薄れていく感覚がある。
ああ、これから一体どうなってしまうんだ…。
再び強い絶望と共に俺の意識は落ちていった。
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季節の巡りは早いもので俺がこの世界に生まれ落ちて早1年。
最初は何が何だか訳が分からずどうしようもない状態であったが、
幸いにもこの世界の人間は暖かかった。
両親の話す言葉も最初は何を話しているのかさっぱり分からなかったが、
いつもにこにこと笑顔でこちらに話しかけてくる母親であろう女性の表情などで、最近は少しずつ相手が自分に何を伝えたいのか分かるようになった気がする。
今日も彼女は笑顔で俺を抱え、羽織っていた上着をたくし上げる。
キレイな桜色の突起を見ても不思議とエロい気持ちにはならない…、と言いたい所なのだが。。
自分がどこか日本とは別の世界に生まれ変わったという事に気付いた時よりも、自分の性格というか考え方が前世とはなんというかとても変わってしまっている事に驚いた。
1歳児にして性欲と呼べるような原始的な欲求を開花させたのは世界広しといえども俺くらいだろう。
そして今も吸うだけではなく舐めたり軽く噛んだりして戸惑う彼女の様子を楽しんでいる。
有り得ないとは思うが俺の小さな突起も液状の何かを分泌していないか心配だ。
成長が早いのか、最近ハイハイを覚えてからは、
「ぉ・・ぉマんおーーー!!!!」などと叫びながら座っている彼女の股座に頭から突っ込んでいく始末。
例え実の母親であっても常に気を使い素を出す事など無かった俺が、彼女には全力で甘えまくっている。
まだ体が幼く自制心が効かないという部分もあるのかもしれないが自分以外の他者とのふれあいが楽しくてしょうがない。
早く言葉を覚えて会話が出来るようになればと切に願う。




