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帰りませんっ、見返すまでは!  作者: くりーむころね
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2話 背後注意です

なかなか物語が進みません……。

はやく進ませたいのになぁ。

やっとちらっとですがお相手さん登場です。

 私は不味くて仕方がない昼食に思わずため息を零してしまいました。



 味の薄い野菜スープ、硬くてパサついたパン、味気のないポテトサラダのようなものです。これだけでお腹が膨れるわけがないのですが、今では慣れてしまいそれほど問題はありません。



 食事の量になれたからこそ、食事の不味さが際立ちます。



 この世界の食事の標準がこうなのか、それとも幽閉している私に対してこの程度がお前には相応しいという事で不味いのかは定かではありませんが、せめて楽しみが無いに等しい私に食事の面だけでも楽しみにさせてほしいです。



 能天気に食事に対して悪態をつくよりも、何か脱走をするような手立ては考えないのかと思われる人もいるでしょうが、そんなこと私が出来る訳が無いので既に諦めています。人間諦めが肝心です。



 出入口は頑丈で分厚い鉄でできており鍵がかかっているので出られません。そのすぐ近くと塔の近辺を監視・見回りをしている兵士が複数います。窓は鉄格子が掛かっている以前の問題で、塔の高さからして落ちたら骨折ではすみません。最悪スプラッタです。



 異世界なら魔法を使えるのではと思ったのですが、色々と定番どころのウォーターボールとか唱えても何も起きませんでした。



 一応神子と呼ばれる存在らしいですが、私には戦闘能力がないので扉を破壊したり兵士を倒したりすることなどできません。


 私は面倒なことをとことん嫌います。時と場合にもよりますが、無駄な労力を費やさないタイプと言えるでしょう。



 それはさておき、頑張って不味い食事を食べ終わり、その余韻に浸っている時でした。



「可憐なお嬢さん、そんな浮かない顔をしてどうしたんですか?」



 不意に、まるで物語に王子様でも言うか怪しい台詞が耳朶を打ちました。低いですがとても心地良く、正に美声です。



 声がした後ろを振り向くと、鉄格子が掛かった窓から美しい青年がこちらを見て微笑んでいました。



 深い緑の艶やかな腰まである長い髪をおさげにして緩く編み込まれていて、満月のような綺麗な金の瞳、形の良い唇にすっと通った鼻筋、すべてが完璧でした。一見細身に見えるけれども均整のとれた逞しい筋肉がついていることが分かります。格好はまさに魔導士と言った風で、縁が金色の黒いマントを着ています。



 私は思わず目を疑いました。何故ならここは塔。ビル10階くらいはあります。当然窓の前に立つことは出来ないはずなのですから。




「あっ、あなた、どうして……!」




 何とか悲鳴を手で口を押える事で抑えて、私は彼を凝視してしまいました。



 そんな私に、彼は悪戯が成功したかのような笑みを浮かべるのでした。


いかがでしたでしょうか。

主人公は結構食事にはうるさいです。もし脱走できたなら一番に改善したいのは食事方面でしょう。

結構能天気でめんどくさがりという主人公にあるまじき性格ですが、いざというときは頑張るはずです、はい。

誤字脱字報告があればお気軽にどうぞ。これからもよろしくお願いします。

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