序章 ただ今私は、
二作目投稿になります。
突破な連載ですがこれからよろしくお願いします。
私の名前は及川心寧、どこにでもいる普通の専門学生です。特徴をあげるとしたら、まさに豚と言われるデブであることと、二次オタというところでしょう。
実は私、ただ今幽閉されています。
幽閉されて四年になります。
四年前、私は部屋でごろごろしてお菓子を食べながら漫画を読んだり、ゲームをしたり昼寝をするなど、夏休みをフルで満喫していました。
幽閉されている今と比べてもまさに天国と地獄。あの頃の私が羨ましい。
母親代わりとなっていた心優しいイケメンの兄に毎日甘やかされて暮らしており、ぶくぶくと肥えていきました。母親似にていて美人だと言われ続けてた私は、まさに豚になってるという事にも兄以外の周囲の人に豚と嗤われていることに気付くことはありませんでした。
そんなある日、眠りこけた瞬間私は気付いたらお城に居ました。
周りには複数の眩い輝きを放っているのではないかというくらいのイケメンたちがいました。
金髪碧眼のいかにも王子という風情青年、銀髪に鮮やかな紅の瞳のワイルドな青年、鳶色の髪に美味しそうなオレンジ色の瞳のやんちゃそうに見える少年、薄茶色の髪に深い海のような綺麗な瞳をした騎士風の青年、紫色の髪にまるでルビーのような瞳の、いかにもゲームに出てくる魔導士ですという風情の青年。
その中にただ一人の中年の白髪交じりの髪に目が青い男がいました。
イケメンが集った余りに贅沢な光景に私は内心興奮した。こんなイケメンというか美形な人たちが、現実に兄以外にいたのかと目を疑いました。
しかしその興奮も彼らの次の言葉一気に下がりました。
「ヒューバー、コレが神子だというのか? こんな豚が。似ているのはストロベリーブロンドの髪色だけじゃないか」
金髪碧眼のイケメンの余りに低い声に、問いかけられたヒューバーと呼ばれた中年の男は青ざめながら身を低くして頷きます。
「あ゛ぁ?! こんな不細工な豚が神子だと? 俺は認めねーぞ」
「僕もこんな豚やだー。こんな家畜みたいなやつとなんて一緒にいたくなーい。とっとと豚小屋に返してきてよぉ」
次に銀髪紅目の青年と茶髪オレンジ目の少年の言葉が続きました。
私はあまりの言われようにショックを禁じえませんでした。こんなに酷く言われたの生まれて初めてだったのです。
今思えば、とてつもなく怒りを感じます。勝手に召喚しといてその言い様は何だ思います。そういうデブを笑う人はデブに泣けばいいと思いました。
ヒューバーという男は「申し訳ありません」と謝るばかりです。
そんな様子に魔導士風の青年はニタニタと面白そうに笑うばかりで、それをたしなめるような視線を騎士風の青年が送っていました。
しかし、私を見る皆さんの目がとても冷たいというのは、確かでした。
「しかし王子様方、この者が神子であるのは確かでございます。返すとなると膨大な魔力が必要となりますし、また別の神子を召喚するのは出来なくなるかと……」
中年男ことヒューバーさんは渋い面もちをしながら言いました。
「知ったことか、こんなのが神子では表に出すこともできまい。国の恥になる」
「ねーねーめんどくさいから処分しよーよー」
物騒な言葉に私は思わず青ざめる。
そこに焦ったようにしてヒューバーさんが口を開きます。
「お待ちください! 神子を殺すなどあってはありませんっ」
「それなら名案があるよ」
ヒューバ―さんの言葉に魔導士風の青年が声を挟んだ。
「ルシウス、名案とは何だ」
金髪碧眼の青年の言葉に一同が魔導士風の青年を見つめます。
「神子は別に表にでなくてもいるだけでも神子の力を発揮するんでしょ? だったら誰にも見られることも知られることもないように東の塔に幽閉しちゃえばいいんだよ」
それは確かに名案だと、彼らは私の言葉を聞こうともせず、私も急な事態に口を挟むこともできず、あれよあれよとしている間に私は幽閉されました。
私が幽閉されている部屋には必要最低限の物しかありません。
簡易なベッド、机、椅子、洗面台とユニットバス、トイレ、数冊の本と簡易の祭壇のようなもの。
唯一外が見える窓には鉄格子があり、出ることも叶いません。
食事は本や食事を乗せたお盆が通れるぐらいの小窓から出され、人との接触はその時だけでした。
そこから紙やペンをもらい、日にちを数えたり現状を把握することが毎日の日課になりました。
というか、やることがそれくらいか昼寝しかないというだけですが。
初めの頃は訳の分からない現状に混乱したり、肉親であるお兄ちゃんに会いたくて毎日泣いたり、出される食事も質素でお腹も満足満たされず常に空腹でしかたなく、私はいつしかやつれていきました。
100キロあった体重も四年経った今ではかなり減っており、今着ている支給された簡素で安っぽい白いワンピースもでかくてぶかぶかです。
髪も切ることが出来ないため伸び放題で、元々肩より下にあった髪は今では腰まであります。
暇な毎日を送ってる私ですが、ただ一つ四年経って分かったことが一つあります。
ここは私が生きていた世界ではない、“異世界”だと。
うーん、文章がまとまっていないきが……。
お気軽に誤字脱字やよく分からない点がありましたら御気軽にご指摘ください。
これからもよろしくお願いします!