4最弱の力
この家で分かったことがあるそれは、外の情報がない。正確に言えば俺に外の情報を渡さないようにしている気がする。しかし、壁の外に何もないわけがない。服や洗剤、家具などは明らかに外から持ってきている。少なくとも外の世界には文明がある。父も仕事をしに行っている。それら情報だけで考えると二つの答えが出てくる。
一外は子供が行くと危険なので興味を持たせないようにしている。
二俺たちが虐げられる存在である。
一はまあいいとして問題は二のパターンだ。その場合俺の人生はかなり厳しくなるだろう。メイドは言っていた人ならざる者がいると。その存在が人間を脅かすものかもしれない。父の仕事は防衛的な感じなのか?
...考えていても仕方がないな。そう思い今日も一日綾女にボコられる。
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そしてついに俺の5歳の誕生日が来た。
「「「お誕生日おめでとうございます」」」」
「みんなありがとう」
今日は誕生日なので家族全員でお祝いだ。
「奏おめでとう」
「ありがとうお母さん」
「うーーん、やっぱりお母さんじゃなくてママって言ってほしいな」
母がボソッと小言を言う。さすがに許してくれもうママ呼びするのはきつい。
「今日は奏様のお誕生日ですのでどうぞお楽しみください」
「そうさせてもらうよ綾女」
そのあとはご飯を食べて幸せな時間を過ごした。
「そういえば奏様は目標みたいなのってありますか?」
メイドの一人がそういうので少し考えてみた。
この世界の異能力について何も知らないし、外の世界についても知らない。なので目標というものが定まっていない。でも大事にしている生き方がある。それは...
「自由に生きることかな」
「自由ですか」
「そう自由。何物にも縛られず自分の生きたいように生きていきたいかな」
「なるほどそうでしたか、教えていただきありがとうございます」
「奏は昔から壁の外が気になっていたものね。そう思うのも仕方がないか。てことは能力も...」
「何か言ったお母さ?」
「いいえ何でもないわ。さあ夜も遅いし寝る準備でもしましょうかね。明日は異能力発芽の儀なんだから」
そうだった明日は俺の異能力がやっとわかるんだ。どんな異能力だろうか。できれば適度に強く発展性のある異能力がいいな。今夜は妄想が止まらないぜ。
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「奏ー準備できたー?」
「できてるよー」
今日はついに異能力発芽の儀だ。そして、儀式を行う場所はなんと壁の外にあるらしい。その為やっと壁の外の景色が見られると狂喜乱舞していたのだが。母に連れられ外を見るなり俺はげんなりした。
「日本と一緒じゃん」
うすうす感ずいてはいた。外からくる物が現代的だったので文明レベルが高いのではないかと思ってはいたのだが。
「まさかここまでとはなー」
「どうしたの、車酔いしちゃった?」
「いや、何でもないよお母さん」
「そうならいいのだけど。奏は初めての外だから何かあったらすぐに言ってね」
初めてではあるが初めてではない。もっとファンタジーな世界を期待していたのになー。
そんなことを思っていたらその場所についた。
「ここよ奏。あなたが気になっていた場所は」
ここが異能力発芽に儀をするところかー...なんかの研究施設かな?もっと教会的なものを期待していたらとても現代的な建物だった。外に出てからがっかりすることだらけだ。
建物に入ると受付の人達が並んでいて代表みたいな人が一歩前に出てきた。
「お待ちしておりました天原様。すでに準備はできております」
「そう。ありがとう」
どうやらうちは結構すごいのかもしれない。こんなこと普通ではありえないはずだ。国のお偉いさん方とのかかわりもあるしほんとこの両親は何者なんだと考えているうちにある部屋に入れられ説明を受けることになった。
「まず、異能力を大まかに判別するために練気の色を見ます。赤色であれば自然現象系、青であれば創造系、黄色であれば神通力系、そして白であれば概念系となります。少々わかりずらいと思いますのでそれぞれを詳しく説明していきますね。まず赤色はその名の通りで火を出したり水を出したりするの力でございます。」
赤色は結構使い勝手がよさそうな力だな。
「青色は赤色以外のものを作り出します。そしてより人工的なものです例えば剣でしたりとか車などですね」
これは作れるものによっては最強になれないか。
「黄色はものを浮かせたり、エネルギー弾を作ったりなどです。」
普通の超能力みたいな感じか。
「そして最後この世で最も強いとされている白色の概念系。この異能力は時間を操ったり、未来を見たりなどです。しかしその強大さゆえにこの異能力を持つものなかなかいませんし、そこまで自由に操れるわけではありません」
まあ身に余る力なんだから完璧に扱えなくても仕方がないな。とはいえ強すぎる気がしないか。そんな力さえあればなんだってできるだろう。ないとは思うがそんな異能力だったらいいな。
「それでは早速測っていきましょう」
そうして案内された部屋には大きくて透明な球があった。半径1メートルぐらいだろうか。
「その球は、測定球といって少量の練気にも反応して光ってくれます。なのでお好きなタイミングで触れてください」
なるほど少量ですら反応するから子供でも分かるってわけね。長らく時間がかかったがついにわかる俺の力が。
そうして俺が触れた瞬間、球は
「え」
「この色は」
「奏あなたは」
黒色に光った。




