2この世界について
あれから時間が経ってわかったことがある。
まず、俺は転生したと考えられる。その証拠に1番新しい記憶は転生に関する実験を行っていた記憶なのだ。ただ何が起きてこうなったかは分からないし、覚えていない。一応それ以外の記憶もあるにはあるけど脳での処理が追い付いていないからぼんやりとしかわからない。
例えば、遊園地に行ったことは覚えていても、いつ行ったのか、何をしたのかはわからない。そんなところだ。
ただ最も気にすべきことは別にある。それは、なぜ記憶を持っているのか。本来、人間は脳に記憶が入っている。が、何故か別の肉体なのに俺は持っている。脳を入れ替えるにしても赤ん坊の頭に俺の脳が入るとも思わないし、手術をしたような跡もない。つまり不明である。
まぁなんにせよ、情報が欲しいのでこの世界の言語を学ぶところ始めよう。マジで両親らしき人間が何言ってるのかがわからん。本も別言語だし。というか、そういうのって転生特典で自動翻訳してくれないの?ラノベの主人公とかだいたいスキルだとか能力だとかで解決してるのに。俺かわいそすぎない?
かくして、俺の言語学習が始まったのである。
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俺は3歳になった。言語も完ぺきにマスターした。自分の才能が恐ろしい。この3年苦しい思いをしながらも(オムツを履き替えられたり、親の胸を見ないようにしたり、お漏らしをしたり)必死に口の形を真似てみたり聞こえた音を真似してみたりして何とか食らいついた。感無量である。
「奏ー、ママの手伝いしてくれるー」
「いいよー」
今名前呼んだのが俺の母親天原紫苑。黒髪が腰まであり、いかにも優しい目をし、スタイルがよすぎる母だ。
「奏はほんとにいい子だねー」
手伝い(料理)も終わり母が頬をすりよせてくる。いい匂いだし美人だしうれしいんだけどめっちゃ恥ずかしい。中身は思春期だったガキなのよ。胸が当たってるし。
「やめてよママ」
「あらなんでよ。あなたの大好きなママですよー」
さらに、抱きしめる力が強くなる。少し痛い。
「それぐらいにしておけ紫苑」
聞いたものの心を止めるほど冷たく、少しドスのきいた声が響く。
「修玄さん、お帰りなさい」
母が、弱々しくなり俺から離れる。今帰ってきたのは俺の父親天原修玄。黒髪でオールバック。完璧主義者。冷酷で家族というものを知らないんじゃないかと思うほど俺たちに興味がない。その光を失っている黒い眼は今でも見るだけで怖くなる。
「今日は、お早いんですね」
「仕事が早く終わっただけだ。はやく飯にしろ」
「はい」
こいつが帰ってくるといつもこうだ、空気が悪くなってぎくしゃくしたような関係になる。母も少し寂しげな表情になる。
「奏、勉強と訓練は」
「すでに終えています父上」
「そうか」
俺は、父親から長時間の勉強と筋トレや体力づくりといった身体強化訓練をするように言われている。まだ3歳の子供に。勉強に関しては前世でたくさんやっていたので難なくこなせるが、大変なのが訓練。体が発達していないのできつい。毎日体が悲鳴を上げている。
なぜそこまでやらせるのかって?それはこの世界には異能力と呼ばれる力があるからだ。異能力とは、練気と呼ばれるエネルギーを使い様々なことをする力のことである。そして異能力は生まれたときに魂に刻まれる。
大事だからもう一度言おう、魂に刻まれる。
つまり、この世界には魂が存在し、それを観測できるということである。こんなこと元の世界ではありえなかったことだ。ただ魂は体の中に質量をもって存在しているわけではないし誰だって見えるわけではない。そういった力を持つ人だけが見えるらしい。
多分俺の記憶問題も、前世の記憶が魂にあったということなのだろう。そう仮定した場合、人間は魂に記憶があり、意識があり、脳は単なる体を使うコントローラー的な奴だったのかもしれない。そして、魂は世界を渡ることができるのかもしれない。もしこの仮説があっていた場合、とんでもない発見だな。まだまだ疑問点が多いけど。
少し脱線しすぎたが、要は異能力に耐えるために体を先に作っておきたいというわけだ。
「異能力発芽に儀まであと2年なのだ絶対に怠るなよ」
「もちろんです父上。必ずやあなたの希望に添える異能力者となりましょう」
あと2年で、自分の異能がわかる。それがとても楽しみで仕方がない。昔から中二病気質があるのでそういったものは大好きだ。手から炎を出したりだとか、影を使って刃を作ったりだとか。夢がいっぱいだ
「あの能力でなければいいのだがな」
不穏なことを言っているがどんな力であれ使いこなして楽しんでやる。
はやく5歳にならないかな。
色々と書きました。登場人物の設定は知りたいのならばまた詳しく書きます。




