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アルベルト侯爵の忠誠  作者: @皐月


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3/8

王国の終焉

クラウス殿下を隣国へ亡命させた後、兄王子を王へ即位させる動きが強まった。

父はそれを無理に反対はせず、まずは国内の安定に注力していた。

兄王子が18歳で正式に即位するまでの間、父が宰相の地位にいられたのは、敵国からの圧力の中で国政を回せる人間が他にいなかったからだろう。


そして新しい王に代わって数年。

父は宰相の地位を追われ、領地へ封じられることになった。

年々重くなる税、その金で豪遊する王や貴族達。生活に苦しみ近隣諸国へ逃げ出すものも多くいた。

もう宰相ではないため国政への発言力も父は失っていたが、それでも何度も王城に足を運び、王への謁見を願い出ていたのをリーディアは覚えている。


ただ、その忠言は届かなかった。


新王の傍若無人な振る舞いと悪政に耐えかねて、革命軍が立ち上がった。


亡命していたクラウス殿下を旗印に、先代国王の側近だったまともな貴族達や友好的な隣国を味方につけ、革命軍はその勢いのまま王都へと乗り込んだ。


身分を傘に着てろくな鍛錬もせずに怠惰に耽っていた政府軍など、もはや話にならなかった。

あっという間に王都はおさえられ、政府軍は壊滅。国王も捕縛された。


その革命の中心にはクラウス殿下とともに隣国に渡ったエドワードもいた。

彼はクラウス殿下の忠実な騎士として、王都陥落の立役者となったらしい。


「無事だったのね…。」


安堵の中に複雑な気持ちも混じる。

彼らが亡命した直後は手紙のやり取りも王政府にバレないようひっそりと行っていたが、革命が起こり父が政府側につくと公に宣言してからはぱったりと途絶えてしまっていた。

父の決断に反対はしなかった。父の葛藤を知っていたからだ。そこに後悔もない。きっと父も同じだろう。

ただ、それでも最後に一度くらい面と向かって言葉は交わしたかったという心残りはある。


なんの言葉をかければよいかは浮かばないけれど。


リーディアはそっと手元のブローチを撫でた。

ほとんどの宝飾品はとっくに手放していたが、母の形見でもあるこれだけは手元に残していたかった。


「お母様…。」


ギュッとブローチを握るが、震えは止まってくれなかった。


外から喧騒が聞こえる。きっと革命軍から正式に新王国の騎士となった者たちだろう。

王都を陥落させた後、クラウス殿下は正式に新王国を立ち上げた。旧王政府についた者たちは全て刑に処されたと聞いている。


怖い。これから私たちはどうなるのだろう。

怖くて仕方ないが、それも自分で決めたこと。


最後までこの地で、父と共にいると。

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