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-第24話 依頼達成-

 ついに依頼内容の全てのアイテムを手に入れたカイルたち一行はノトスの町に一泊した後、依頼者であるモーリス・リッジウェイの待つゴルフォ村に向かう。

 村に着くと皆がそれぞれアイテムを持ち馬車から降りて徒歩で向かう。

少し歩くとクレアが言う。

「何だか空気が違いますね。匂いとか空気の質感っていうんですかね。なんか違う気がします。」

エレオノーラが

「海が近いからだな。」

と言いプルムが

「潮風のせいね。塩分を含んだ磯の香りのする風が海から吹いてくるの。」

と言う。

クレアが

「へぇ~、そうなんですね。私、海、行った事ないんです。」

と言うとクインが

「僕もです。」

と言う。

レティシアが

「アイテム渡せば依頼も終わりだし、クレアとクインを海に連れてってやらないか?」

と言う。

カイルは乗り気じゃなさそうな感じで

「そうだなぁ・・・・・・。」

と考える。

ドロシーが

「何だ?反対なのか?」

と聞くとカイルは

「うーん、賛成か反対かと言われれば反対かな・・・・・・?」

と答える。

レティシアは

「何で!?」

とカイルに詰め寄るが、カイルは

「グスタフ、頼みがある。」

と言う。

グスタフは

「何だ?改まって?」

と聞く。

カイルは

「アイテムを渡したら急いでノンブリルの町に戻ってほしい。」

と頼む。

グスタフは

「分かった。それで戻ったらどうするんだ?」

と聞く。

カイルは

「戻ったら、クリスを連れて急いでここにまた戻って来てほしんだ。クリスが到着したらここで依頼終了の打ち上げ、ここで一泊して明日の朝から皆で海に行こう!」

と言う。

グスタフは嬉しそうに

「分かった!任せろ!」

自信満々に言う。

カイルが更に

「レティシアとプルムとエレオノーラは護衛に付いて行ってくれ。侯爵様に引き渡すまではカイル遊撃隊の名に懸けてクリスに傷一つ付けられないぞ!」

と言うと三人は

「分かった。」

「分かりました。」

「そうだな。」

と答える。

 今後の計画が決まったところでカイルは通行人に依頼者の事を尋ねる。

通行人は遠くの大きな家を指さし、

「リッジウェイさんの家ならあそこの大きな家だよ。」

と答える。

カイルは

「リッジウェイさんって地主か何かなんですか?」

と聞くと通行人は

「いや、この辺じゃ有名な錬金術師だよ。腕は確からしいよ。」

と答えて去って行く。

 リッジウェイの家に着くとカイルがドアをノックする。

すると中からドアが開けられ一人の老人が立っていた。

中へ招き入れられる一行。

するとクインが気付く。

「あーっ!あの時のお爺さん!」

リッジウェイの方も気付き

「おお、ノンブリルの町の魔道具屋で会った少年か!」

カイルはクインに

「知ってるのか?」

と聞くとクインは

「魔道具屋で侯爵様とお会いした話をしたと思うんですが、その前に、こちらの方とお会いしてるんです。」

と答える。

リッジウェイが

「あの時は助かったよ。」

と言うと、クインは

「いえいえ。お爺さん、錬金術師だったんですね。」

と言う。

リッジウェイは

「あの時も錬金術を使いに行ってたんじゃよ。と、まあ、その話はあとにして・・・・・・椅子が足りんのう・・・・・・ちょっと隣りの部屋から持ってくるからちょっと待っとってくれ。」

と言って隣りの部屋へ行く。

クインも

「手伝います!」

と言って付いて行く。

 人数分の椅子が用意され腰掛ける一同。

カイルが

「先ず、これを。」

と言ってギルドの依頼書を渡す。

リッジウェイは

「まさか、これを全部集めてきたのかね!?」

と驚く。

皆がテーブルの上にアイテムを置く。

リッジウェイは

「ほぉ・・・・・・。」

と感嘆の声を上げる。

カイルは

「ウチの優秀な鑑定士の保証付き、全部正真正銘の本物です。ただ、照魔鏡だけはゲルハルトとかいう魔導士がおかしな力を付与してしまったようで・・・・・・。ゲルハルトは死にましたがもしその力が残っていたら・・・・・・。」

と言う。

リッジウェイは

「どれ、わしも鑑定スキルで見てみよう。」

と言って鑑定スキルで見ると

「付与された力は完全に消えてるようじゃな。」

と言う。

クインは

「そこまで分かるもんなんですか?」

と聞くと

「年季が違うわい。君も熟練していけば分かるようになるじゃろ。」

と、リッジウェイは言う。

続けて

「しかし、これだけのアイテムを全部集めるとは、大したもんじゃ。並みの冒険者じゃあるまい。」

と言って依頼書を見るリッジウェイは

「おお、あんたらが魔王を倒したカイル遊撃隊でしたか。わしの依頼を皆さんが受けてくれるとは後光栄じゃ。」

と話す。

カイルは

「ところで、余計なことを聞くようですが、どうしてこれらのアイテムを?」

と聞く。

リッジウェイは

「錬金術じゃよ。」

と言うと続けて

「先ずわしの生い立ちから話そう。実はわしは五百年前の人間なんじゃ。」

皆、

「ええっ!?」

と驚くが、リッジウェイは続ける。

「わしはノンブリルの町の北東にあるバザルト村で生まれ育った。十五歳の時にバザルト村の北にあるマジーアの町で魔術学校に入り三十五歳の時には魔術を極め、錬金術に傾倒していったんじゃ。それから研究を重ね五十二歳の時に、人を冬眠状態にして長期間生きながらえる装置を作ることに成功したんじゃ。それで五百年後に冬眠から覚めて思った。『五百年もたてば魔法や錬金術は衰退して錬金術も魔法も使えるわしはウハウハなんじゃないか。』と。しかしな、なぁーんも変わっとりゃせんかった。多少の文明の発展はあったし、それまで毒のある植物と思われていたジャガイモが今は食料として広く普及している。そういう変化はもちろんあった。しかし錬金術が衰退したり、それまで価値の高かった系統の魔法が無価値とされ、それまで無価値とされてた系統の魔法ががもてはやされてるというような事は無かったんじゃ。それからこの村に来て錬金術の研鑽に没頭したんじゃ。それから二十年ほどしかし錬金術の原則である等価交換を覆す事は未だにできん。」

カイルは

「等価交換?」

と聞く。

リッジウェイが

「あんたの後ろの床に大きな鉄の塊があるじゃろ。それを金に変えることもできる。」

と言うとカイルは

「凄いじゃないですか!」

と言うがリッジウェイは

「いや、金に変わった時にはその大きな塊が麦粒程になってしまうんじゃ。物質自体は変わっても価値は変わらんという事なんじゃ。」

と寂しそうに言う。

クインが

「なるほど、価値が変わらない程度の別の物に変わるだけなんですね。」

と言うとリッジウェイは

「その通り。しかしな、必ずしもそうとも限らん。それが君に会った時の事じゃよ。」

と答える。

クインが

「あの時は確か金メッキの燭台を金貨三枚で買い取ってもらってましたよね。」

と言う。

リッジウェイが

「そう、金メッキの大した価値のない燭台が金貨三枚になったんじゃ。まさに錬金術と言うもんじゃろ。」

と言うとカイルは

(元居た世界ではかねを生み出すことを錬金術と比喩表現することがよくあったがまさにそういうことか。)

と納得する。

クインは

「でも、あれは錬金術と言うより詐欺なんじゃ・・・・・・?」

と言う。

リッジウェイは

「わしはあれが金無垢の高価な物だなどとは一言も言っておらんよ。『これなら幾らで買うね?』と言っただけじゃ。あの時わしは一人で銀の燭台の方を銀無垢であ価値のあるものだからとで団を吊り上げたところで、値段に納得いかないふりをして金メッキの燭台を出して同じように『これなら幾らで買うね?』と言うつもりだった。おそらく目利きもできないあの店主は金の方も金無垢の価値の高いものだと勝手に判断して同じくらいの金額で買い取っていたじゃろう。“価値の低いものから価値の高いものを生み出す”。これこそが錬金術の目指すとこなんじゃが、等価交換の壁は未だ超えられん。価値の高いものを生み出すには価値の高いものが必要。それでギルドに価値の高いアイテムを集める依頼を出したんじゃよ。ほとんどダメで元々と思っていたが、本当に集められるものがいるとは思わなんだ。」

と言う。

リッジウェイは立ち上がると

「今、報酬を持ってくるんでちょっと待っててくれんかの。」

と言って奥の部屋から報酬の金貨百五十枚を持ってくる。

カイルはそれを受け取るとエレオノーラに

「お前が預かっておいてくれ。」

と言って渡そうとするがエレオノーラは

「そういうのは会計係の渡せ。」

と言う。

カイルは

「会計係!?誰!?」

と驚いて聞く。

エレオノーラが

「知らなかったのか?」

と言うとプルムが

「私です。」

と言って手を上げる。

カイルは

「そうなのか・・・・・・。知らなかった。」

と言ってプルムに渡す。

するとリッジウェイが

「実はもう一つある。スキルじゃ。」

と言う。

カイルは

「スキル?」

と疑問を口にする。

リッジウェイは

「そう、わしが編み出したスキルじゃ。しかし、わしが持っていても役には立たんので、もしこの依頼を達成するものがいればその者に渡すと決めておったんじゃ。」

と言う。

カイルは

「どんなスキルなんですか?」

と聞くがリッジウェイは

「それは言えん。効果を発動する前に効果を言ってしまうと発動しなくなるという制限をかける事によって力を増しているからな。」

と言う。

カイルは

「効果の内容によっては私ではなく他の者の方が・・・・・・。」

と言うがリッジウェイは

「いや、それもできん。元々一人でこの依頼を達成できるとは思ってなかったから達成したグループのリーダーという制限もかけてあるし、効果を考えればグループのリーダーの様な立場の人間が最も高い効果を発揮するからじゃ。」

と言う。

カイルは

「そうですか。分かりました。」

と納得する。

リッジウェイは

「それで半日ほど時間を頂きたいのじゃが都合はどうかね?」

と聞く。

カイルは

「分かりました。大丈夫です。」

と言うと、グスタフに

「グスタフ、今から予定通りクリスを迎えに行ってくれ!ドロシーはクレアとクインを連れて村を散策でもしててくれ!海へは行くなよ!明日みんなで一緒に行くんだからな!」

と指示を出すと皆、指示通りに行動開始する。

カイルはリッジウェイに連れられて奥の部屋に行く。

リッジウェイと対面の席に座るカイル。

リッジウェイが何やら呪文のの様なものをブツブツと唱え始める。良くは聞こえないが人の言葉ではない様だ。

そうしていると段々とリッジウェイの手の中で光の玉が出来ていく。

小一時間もたつと光の玉はバレーボールくらいの大きさになった。

そこでリッジウェイは

注入インストール!」

と言って光の玉をカイルの身体に押し込むとスーッと吸収される。

そしてリッジウェイはまた呪文を唱え始める。

カイルは

(なるほど。この呪文みたいのがプログラムでそれを俺の体の中にインストールしてそれが完了したらスキルが身に着くって訳か。なんだかパソコンになった気分だ。)

と思っていた。

 夕方ごろ、最後の注入インストールが完了する。

リッジウェイは

「これで終了じゃ。お疲れさん。ところでお主、人の到達できる最高レベルに達しておる様じゃな。だとすると、このスキルは使いどころが無いかも知れん。ただお主には何やら人と違うものを感じる。それが何かは分からんがそれ次第では使いどころが生まれるかもな。では、これからスキルの使い方と効果を説明するからよく聞いて覚えておくんじゃぞ。」

と言う。

カイルは

「分かりました。」

と答え、説明を聞く。

 日が暮れたころ、カイルはリッジウェイに礼を言ってリッジウェイの家を出て宿屋へ向かう。

カイルが宿屋へ着くと、もう全員集まっていた。

グスタフが

「どうだった?」

と聞くとカイルは困惑したような表情で

「うーん・・・・・・。効果は話すと発動しなくなるから詳しくは話せないが、何と言うか、今の俺には役に立たなそうなスキルだ。」

と話す。

グスタフは残念そうな顔で

「そうか・・・・・・。それは残念だったな。まぁでも依頼は達成したんだし、打ち上げはパーッとやろうぜ!」

と言う。

カイルも気を取り直して

「そうだな!」

と言って、またも大宴会が始まり、夜が更けるまで続いた。

 翌朝、皆で海岸へ向かう。

海へ着くとクレアが感動して言う。

「うわぁ!これが海なんですね!」

クインも

「初めて見ました!あれが水平線ですね!」

と感動している。

グスタフがクリスに

「左の方を見てみな。遠くに向こうの大陸が見えるだろ。あれがお前の見たかった海峡だ。」

と言うとクリスも感動している。

 観光地になっている様で簡素ではあるが海岸近くに更衣室が用意されている。

皆が更衣室で着替え海に入る。

普通に泳ぐ者、水をかけあう者、板を浮かべてその上に寝転んで浮遊する者、寄せては返す波の動きに一喜一憂する者など、それぞれが思い思いに海を堪能している。

すると、ひと際大きな波と共に巨大な魔物が出現する。

カイルはその姿を見て

「巨大なイカ・・・・・・ダイオウイカ?」

と言うが他の誰も正体はつかめていない様子。

カイルが

「クイン!鑑定してくれ!」

と言うとクインは

「はい!」

と言って鑑定スキルを使う。

「この魔物は・・・・・・名前はテンタクル・クラーケン。全長約十メートルの巨大なイカの魔物で、通常のイカと同じく二本の触腕と八本の腕を持ち・・・・・・。」

と言っている間に女性陣が次々と触手に捕まっていく。

クインは続ける。

「腕の他に多数の触手を持ち、産卵期になると海岸へ現れ、触手で人間の女性を捕らえると、触手で女性に・・・・・・。」

とクインは言葉に詰まんる。

カイルが

「どうした!?続けてくれ!!」

と言うとクインは顔を赤くして恥ずかしそうに続ける。

「触手で快楽を与え・・・・・・触手の先端をじょ、女性の・・・・・・ち、ち、膣内に、そ、挿入し・・・・・・ち、膣分泌液を吸収し、産卵時の栄養分とする・・・・・・。」

カイルが

「何!?」

と言って見てみると女性メンバーたちは皆、触手による性感の刺激で快楽に表情をゆがめている。

「あん♡」

「いやん♡」

クインは続ける。

「テンタクル・クラーケンは人間の女性を栄養分の元として見ている為、傷つけたり殺す事は無く、基本的に害は無い。」

カイルは

「害が無いなら面白そうだからもうちょっと見てようか。イカも満足したら帰るだろうし。」

と言う。

レティシアは

「鬼ーっ!悪魔ーっ!」

と叫ぶ。

ドロシーが恍惚とした表情で

「ああ、気持ちいい♡私もうこのまま行きつくとこまでイかせて欲しい・・・・・・♡」

と言うとプルムは

「何言ってるんですか!?ドロシーさん!あんっ♡」

と言う。

エレオノーラは

「やん♡あっ♡・・・・・・ええい!地獄の業火ヘルファイア!」

と唱える。

テンタクル・クラーケンを炎が包む。

しかしテンタクル・クラーケンは二本の触腕と八本の腕で周りに激しい水飛沫を撒き散らし炎を掻き消す。

エレオノーラは

「炎が効かない!?しかし、雷魔法じゃ私たちまで感電してしまう・・・・・・。どうすれば・・・・・・。あんっ♡」

と言う。

すると触手が今度はクインを捕らえる。

クインは

「僕は男ですーっ!」

と言いながら触手に持ち上げられ愛撫される。

クリスティーナが

「グスタフさーん!助けてくださーいっ!」

と叫ぶとグスタフは

「今助けるぞ!」

と言って戦斧を手に取りテンタクル・クラーケンに向かっていく。

戦斧で触手を切り落とすが数が多くキリがない。

腕を一本切り落とすが直ぐに再生して効果が無い。

グスタフは

「くそっ!」

と言いながら戦斧を振り回す。

クレアが

「カイル様ー!助けてください!私まだ処女なんです!初めてはカイル様にって決めてたのに、こんなイカに奪われるのは嫌ーっ!」

と泣きわめく。

レティシアは

「たとえ妹でもそれは許さないぞ!」

と言う。

クレアは

「私だってたとえお姉さまでもそこは譲れないです!」

と言い合う。

カイルは

「やれやれ。」

と言って触手や腕の攻撃をかいくぐりテンタクル・クラーケンの本体に切りかかる。

しかし、柔らかい上にちょっとした切り傷なら直ぐに回復してしまう。

カイルが

「エレオノーラ!氷魔法だ!」

と言うとエレオノーラは

「そうか!周りの海を凍らせるんだな!アブソリュート・・・・・・。」

と呪文を唱えようとするとカイルは

「違う違う。多分そんなことしても意味ないぞ。」

と言う。

エレオノーラは

「じゃあ、どうするんだ?あっ♡」

と聞く。

カイルは

「ケルベロスを倒した時の氷山落とすやつだ!あれを最大出力でイカの上に落とせ!」

と言う。

エレオノーラは

「分かった!いやん♡氷山落下・最大出力アイスバーグフォール・マキシマム!」

と唱える。

するとテンタクル・クラーケンの真上に高さ十数メートル程の大きな氷の塊が落ちてくる。

テンタクル・クラーケンは触腕と上で氷の塊を支えて落下を食い止める。

エレオノーラが

「ダメか!あん♡」

と言うとカイルは

「その氷の塊を炎魔法で溶かせ!」

と言う。

エレオノーラは

「分かった!お前を信じよう!いやっ♡紅蓮のクリムゾンフレイム!」

と唱えると氷の塊りを炎が溶かしていく。

氷の解けた水がテンタクル・クラーケンに降り注ぐとテンタクル・クラーケンは苦しみ出した。

カイルは

「よし!あの氷が海水で出来ていたらダメだったがどうやら真水だったようだ。グスタフ!真水を浴びた所なら攻撃が通る筈だ!」

と言ってカイルとグスタフはテンタクル・クラーケン本体の真水を浴びた個所を攻撃する。

するとテンタクル・クラーケンは触手を引っ込め海の中へ逃げていく。

レティシアが

「カイル!とどめは!?」

と言うとカイルは

「あいつにとどめを刺すのは難しそうだし、害が無いなら放って置けばいいさ。」

と答える。

グスタフは

「しかし、一体どういう事なんだ?何で水の魔物が水を浴びて苦しむんだ?」

と聞く。

プルムが

「分かりました!浸透圧勾配ですね!」

と言うとエレオノーラは

「なるほど、そういう事か。」

と納得する。

他のメンバーが理解できていないようなのでプルムが説明する。

「例えば、コップに仕切りをつけて片側に食塩水、もう片側に真水を入れます。そこで仕切りを外すと水は濃度の低い方から高い方へ移動します。この圧力は浸透圧勾配です。テンタクル・クラーケンの身体には濃度の濃い海水が含まれています。そこへ真水を浴びせると真水は濃度の濃い海水、すなわちテンタクル・クラーケンの身体に浸み込んでいきます。すると急激に塩分濃度の薄くなったテンタクル・クラーケンの組織が破壊されるんです。それが広範囲に起こったんで弱って逃げて行ったんです。」

それを聞いて皆納得したような、そうでもないような感じでいると遠くから村人が歩いてくる。

村人は

「おーい!あんたら!今の時期、テンタクル・クラーケンっていう魔物が出るから気を付けなよ!まあこっちから攻撃しなきゃ特に害は無いし、女性には普通じゃ味わえない快楽を与えてくれるっていうんで、それ目当てに来る物好きな女性観光客も少なくないけどな!そうじゃないなら気を付けなよ!」

と言って去って行く。

カイルは

「ありがとうございます!気を付けます!」

と愛想笑いしながら答えるが、カイルも含め皆一同

(もう遅い・・・・・・もっと早く行ってくれ・・・・・・。)

と思って砂浜にへたり込んだ。

カイルは

(あれはあれで観光資源なんだ・・・・・・殺さなくて良かった・・・・・・。)

と思っていた。

挿絵(By みてみん)

モーリス・リッジウェイ

573歳 身長163cm

500年程前、バザルト村で生まれる。15歳でマジーアの魔法学園に入学、3年後首席で卒業、35歳で魔術を極め、錬金術師に転向、52歳の時に冬眠装置を開発して500年間冬眠、それから21年間、錬金術の研鑽をする。

カイルたちのアイテム集めの依頼者。通常はギルドへの依頼はギルドが報酬を預かってギルドから依頼者に渡すのだが、今回はリッジウェイが「持ってきたアイテムの真贋を自分の目で確かめその際に直接渡したい」という事で、リッジウェイが直接渡すことになった。もちろんアイテムの真贋を確かめたいという理由もあったが、一番の理由は、リッジウェイが金貨の報酬は手間賃で、アイテムと同等の価値スキルとアイテムを“等価交換”する為。

錬金術の腕は確かだが、錬金術の基本原則である等価交換を覆すことができずに、ノンブリルの町でクインと出会った魔道具屋のようなやり方で金を稼いでいる。

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