表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/26

-第16話 盗賊集団-

 盗まれた荷馬車を探して歩く、カイルとエレオノーラ。

しばらく歩いたが何も手掛かりは見つからない。

エレオノーラは

「計画的だったと思うか?」

と聞く。

カイルは

「人通りのない場所だし、車輪の跡を消す用意もしていた。おそらく計画的だと思う。多分、ノンブリルの町からつけてきたんだと思う。」

と答える。

エレオノーラは

「なら、クレアとクインが何か手がかりを持ってくるかもな。」

と言う。

その時、岩陰から何かが飛び出し、エレオノーラに襲い掛かる。

エレオノーラは

「しまった!」

と叫ぶ。

カイルが見るとエレオノーラに緑色のゼリーの様な物が纏わりついている。

カイルは剣を構えるが、下手に切ればエレオノーラも傷つけてしまう為に攻撃できない。

そうしていると、みるみるうちにエレオノーラの衣服が溶かされていく。

エレオノーラは火球ファイアーボールを唱えると、緑色のゼリー状は逃げていく。

カイルは追おうとするがエレオノーラは

「無駄だ。止めておけ。」

と制止する。

カイルは

「何だったんだ?」

と聞くとエレオノーラは

「ディゾルブスライムだ。人の体に纏わりついて衣服を溶かし栄養分として吸収する。」

と答える。

カイルは

「お前も綺麗だな。」

と鼻の下を伸ばす。

エレオノーラは

「ぎゃあ!見るなぁ!」

と言って慌てて胸と股間を隠す。

カイルが

「目のやり場に困るなぁ。」

とにやけながら言うとエレオノーラは

「確かに胸を見ようか股間を見ようか困っている様だな!」

と睨むとカイルは後ろを振り向く。

すると遠くに幌馬車が走っているのが見える。

「俺たちの荷馬車じゃないな。でも商人かもしれないし、服がないか聞いてくる!」

と言って走り出す。

エレオノーラは

「まったく・・・・・・。」

と呆れながらカイルの『お前も綺麗だな』と言うセリフを思い出し赤くなる。

 しばらくしてカイルが走って戻ってくる。

カイルは

「商人だったんで、これを買ってきた。」

と言ってエレオノーラに見せる。

見るとブラジャーとパンティ。

エレオノーラはカイルに

「お前なぁ・・・・・・。」

と睨む。

カイルが

「いやぁ、商人だったんだけど下着の行商人で下着しかなかったんだよ。でも、ちゃんとお前のサイズに合わせて一番小さいブラを・・・・・・。」

と言ったところでエレオノーラはカイルを殴り下着を奪い取る。

「見るなよ!」

と言って下着をつけるエレオノーラ。

「お、ピッタリだ。」

とエレオノーラが言うとカイルが

「ほら、ちゃんと一番小さ・・・・・・あ。」

と言いかけ、エレオノーラがカイルを睨む。

カイルは慌てて

「お、俺は個人的には小さいの好きだぞ。」

と言うがエレオノーラは

「フォローになってない!」

と怒る。

カイルが

「でも、見た時、本当に心の底から“美しい”と思ったぞ。」

と言うとエレオノーラは真っ赤になって、照れ隠しに

「うるさい!」

と言うと続けて

「もう戻るぞ。」

と言って歩き出す。

その後ろをカイルが付いて行く。

カイルが

(小振りだが形の言い綺麗な尻だ。)

と思っているとエレオノーラが

「お前が前を歩け!」

と言ってカイルの後ろに回る。

 しばらく歩いてグスタフのいるところまで戻るとグスタフが見慣れない女を尻に敷いていた。

グスタフが

「エレオノーラ、どうしたその恰好?」

と聞くとエレオノーラが

「ディゾルブスライムにやられたんだ。」

と答える。

グスタフが

「下着は無事だったのか?」

と聞くとエレオノーラが

「いや、たまたま近くに下着の行商人がいてカイルが下着だけ買ってきてくれたんだ。」

と答える。続けてカイルが

「ついでに俺たちの荷馬車の事も聞いてみたが何も分からなかったから、もしこの後何か手掛かりになるようなことがあったらノンブリルの町の冒険者ギルドに伝えてもらえるように頼んで、前金渡しておいた。」

と答える。

更にカイルが続ける。

「ところでグスタフ。お前の下にいるのは何だ?」

と聞くとグスタフは

「実は・・・・・・。」

と切り出し、説明を始める。


 カイルたちが荷馬車を探しに行った後、近くを見て回って手掛かりを探すグスタフ。

「手掛かりになるような物なんて何も・・・・・・。」

とふと足元を見ると、赤い小さな宝石のようなものを見つける。

「何だこれ?」

と拾ってみる。

「これだけじゃ何も分からないし、荷馬車の窃盗に関係あるのかも分からんな。まあ、後で皆の情報と照らし合わせてみるか。」

と言ってアイテムバッグにしまうと遠くから女が歩いてくる。

グスタフは

(こんなところに女が一人で歩いてくるなんておかしいな。)

と思い、岩陰に隠れて様子を見ることに。

女は赤いボサボサの長髪、背は高め。

「よりによって、父さんの形見のナイフの飾りを落とすとはな・・・・・・。もうあるとしたらこの辺しかない。もしかしたら荷馬車のロープを切った時に落ちたのかも。」

と言って女は荷馬車を繋いでいた木に向かう。

木の根元を探して

「無いなぁ・・・・・・。」

と言うと後ろに殺気を感じる。

後ろを振り向こうとするが、時既に遅く、首に太い腕を回され動けない。

腰のナイフを抜いて後ろの男の脇腹に突き刺す。

しかし、後ろの男は全く動じない。

(なんて筋肉・・・・・・!ナイフがほとんど刺さらない!)

と思いながら女は

「何だ!?お前は!?」

と問う。

グスタフが答える。

「荷馬車の持ち主だよ。荷馬車を繋いでたロープを切ったって言ってたな。てめえが犯人だな?」

女は

「知らねえよ!」

と言うがグスタフは

「後でじっくり聞いてやるから大人しくしてな!」

と言って後頭部に強烈な一撃を喰らわせて気を失わせロープでぐるぐる巻きにする。


「---というわけだ。」

とグスタフ。

「なるほど。」

とカイル。

カイルが

「お前が盗んだのか?」

と聞くと

「知らねえよ!」

と女は答える。

続けてカイルが問う。

「じゃあ、なんでこんなところにいる?」

女は

「散歩だよ!散歩しちゃいけないってのか!?」

と答える。

カイルはグスタフに

「戦斧持ってきてくれ。」

と言うと、グスタフはいつもの巨大な戦斧を持ってくる。

それを見て女は怯えた表情に変わる。

カイルは

「それで足先から1センチの所を切ってくれ。切ったらエレオノーラは傷口を火球ファイアーボールで焼いて出血を止めてくれ。痛みに慣れたころにもう1センチ、また慣れたころにもう1センチ・・・・・・。」

女の顔が青ざめていく。

更にカイルが言う。

「先ずは右足から。続いて左足、右腕、左腕。そこで喋ったら娼館にでも売っ払おう。それでも喋らなければ右胸、左胸、性器、膀胱、子宮、腎臓、両目、皮膚、肋骨・・・・・・。最終的に口と喉と肺、心臓、脳だけ残して喋るまで放置だ。そこまでいったら生きててもしょうがないから喋った時点でひと思いに楽にしてやるよ。普通に生きていきたいなら歩けるうちに喋った方が良いぞ。」

それを聞いて女は慌てて

「分かった!喋る!全部正直にしゃべるから!だから止めてくれ!」

と懇願する。

カイルは

「じゃあ、先ずはお前が誰なのかから話してもらおうか。」

と言う。

女は

「私はドロシー・プリチャード。この辺を縄張りにしている盗賊団“疾風の鷹”の頭領だ。馬車は私らが盗んだ。昨日、このスキンヘッドの男が道具屋で『サナトスフォレストと地下迷宮でお宝を手に入れた』って言ってたのを聞いて横取りしようと思ってつけてきたんだ。盗んだ物は馬車ごとアジトにおいてある。まだ何も手を付けていない。そのまま全部返す。これで全部喋ったぞ。だから助けてくれ。」

泣きそうな顔で懇願する。

カイルが

「まだだ。」

と言うと

ドロシーは

「え?これ以上は何も・・・・・・。頼むよ。私が悪かった・・・・・・。許してくれ・・・・・・。」

と更に懇願する。

カイルが

「馬車の車輪の跡がついていないが?」

と聞くとドロシーは

「私は元冒険者で職業は盗賊シーフなんだが、中級くらいまでの風魔法が使えるんだ。馬車が通った跡は風魔法を地面に当てて消したんだ。」

と答えるとカイルは

「なるほど。」

と納得する。

カイルが

「よし、じゃあアジトまで案内してもらおうか。」

と言うとエレオノーラが

「ちょっと待て。」

と制止する。

ドロシーが

「まだ何か?」

と怯えているとエレオノーラは恐ろしい笑みを浮かべ

「お前の服、貸してもらおうか。」

と言うとドロシーは

「え?」

と驚く。

エレオノーラは

「グスタフ、しっかり押さえとけよ。カイル、剥ぎ取れ。」

と言う。

カイルが服を脱がそうとするがドロシーは

「やめろぉー!」

と暴れて脱がせない。

グスタフが

「仕方ない。」

と言って後頭部に再び強烈な一撃を喰らわせて気を失わせる。

カイルが服を脱がす。

エレオノーラがドロシーの服を着ると

「身長が同じくらいだから丁度良いな。しかし、何で下着まで?」

とカイルに聞く。

カイルは

「そうか、下着は脱がす必要なかったな。勢い余って、つい。」

と答える。

グスタフはドロシーの腕を後ろに回しロープで縛る。

カイルは

「下着はサイズが合わないもんな。」

と言うとエレオノーラは

「そういう事じゃない!」

と言ってカイルを殴る。

カイルは

(余計なことを言ってしまった・・・・・・。)

と後悔する。

 そんな事をしながら、ドロシーが気が付くのを待っていると、レティシアとプルムが帰ってきた。

カイルたちはレティシアとプルムに事の経緯を説明する。

それを聞いてプルムが言う。

「で、なんでこの人、裸なんですか?」

カイルは

「いやぁ。服を剥ぎ取る時に勢い余って下着まで脱がしちまったんだ。」

と言うと、

「はぁ・・・・・・。」

とレティシアもプルムも呆れ顔。

 そうこうしているうちにドロシーの意識が戻る。

「ぎゃあぁ!?何で裸なんだ!?まさかあんたら私を犯したのか!?」

とドロシーが取り乱す。

カイルは

「そんなことしてないよ。勢い余っただけだ。」

と答えるとドロシーは

「何だそりゃ!?」

と困惑する。

ドロシーはちょっと気を取り直して

「とにかくこんな格好じゃ手下のいるアジトには戻れない。せめて下着はつけさせてくれ。」

と言うが、グスタフは

「腕、縛っちまったから上は無理だな。」

と言い、カイルは

「じゃあ下だけ履かせてやるよ。」

と言って下着を履かせる。

ドロシーは

(恥ずかしい・・・・・・。)

と思いながら顔を赤らめる。

結局、パンツ一枚の状態でドロシーが先導して道案内する。

グスタフがドロシーの腕を縛ったロープとドラゴンから集めた素材の入った袋を持っているのでグスタフの戦斧はカイルが持っていく事に。

カイルは

「お前、いつもこんな重いものを振り回してるのか。」

と感心する。

 しばらく歩くとドロシーが

「あの岩陰にアジトの入り口がある。」

と言うので岩陰を見ると馬車が繋いであり、地下への入り口が開いている。

エレオノーラが

「これは天然の洞穴を広げたのか?」

と聞くとドロシーは

「そうだ。」

と答える。

アジトに入ると盗賊団の手下が二、三十人いる。

「お頭!どうしたんですか!?」

「てめえら!お頭に何しやがった!?」

と寄ってくる。

カイルが

「まだ何もしてないが、お前らが歯向かうなら、何するか分からないぞ!」

と言うと手下たちは後ろへ下がる。

グスタフはロープをほどいてドロシーを放してやる。

ドロシーは手下の方へ走っていく。

すると手下の数人が

「てめえら!生きて帰れると思うなよ!」

と襲い掛かってくる。

カイルから戦斧を受け取ったグスタフは横に一閃、盗賊三人の首を飛ばす。

残った手下が

「やりやがったな!」

と言うがドロシーは

「やめときな!あんたらがかなう相手じゃないよ!」

と制止し、

「私を辱めた罪はその身で償ってもらうよ!あんた、私と勝負しな!」

とカイルを指さす。

カイルは

「恥ずかしい思いをさせたかも知れないが辱めたとか言うと誤解されるだろ!」

と言って剣を構える。

ドロシーは

「スキル:影分身」

と言ってスキルを発動。

左右に素早く動いて残像で分身を作る。

「どうだお前に渡しの動きを追う事は出来まい!」

と言うドロシー。

(伝説の職業、ニンジャマスターに教わったこの技、見切れるわけがない。)

と思っている。

一方、カイルは

(速い!全然目が追い付かない。本物のカイルなら見えるのかな。)

と思っている。

ドロシーは

(さぁ、切りかかってこい。分身を切って隙ができた瞬間に貴様の喉を掻き切ってやる。)

カイルは

(ダメだ!全然目が追い付かない、ちょっと遅れて見ている感じがする。どれを切っていいのか全く分からない。)

と思っている。

ドロシーは

(何故切りかかってこない?)

と思ってカイルの目をよく見てみる。

(こいつ!私を目で追っていない!?まさか!?次に私が動く先を見ているのか!?ダメだ・・・・・・!次元が違う!私じゃ勝てない・・・・・・。)

と思ったドロシーは動きを止めて

「私の負けだ・・・・・・。」

と俯く。

カイルは何が何だか分からないが、とにかく盗賊の手下に

「おい!そこの布を持ってこい!」

と言う。

手下は

「わ、分かった。」

と布を持ってカイルに渡す。

カイルは布でドロシーの身体を覆ってやり、

「恥ずかしい思いをさせてすまなかった。」

と謝る。

それを聞いてドロシーは一瞬表情を変える。

カイルが

「どうして盗賊なんてやってるんだ?根っからの悪人とは思えない。」

と言うとドロシーは

「ここにいる連中はみんなそうさ。魔王の侵攻によって家や家族、職を失って、かといって冒険者にもなれずに仕方なく盗賊やってるんだ。」

と答える。

カイルは

「お前もか?」

と聞く。

ドロシーが

「私は父親が人間ヒューマンで母親がホビットのハーフホビット何だ。」

と言ったところでレティシアが

「ホビットって小柄な種族だろ?」

と聞く。

ドロシーは

「そうだ。でも父がそこのスキンヘッドよりも身長が高かったんだ。長身なのは父親似なんだ。」

と答える。

グスタフが

「俺より高いって相当高いな。ホビットって人間ヒューマンで言ったら十歳くらいの身長だろ?よく出来たな?だって・・・・・・入らないだろ?」

とエレオノーラが

「おい!」

と言ってグスタフを睨む。

グスタフは

「すまん、つい・・・・・・。」

と謝る。

エレオノーラがドロシーに

「すまない。続けてくれ。」

と言うとドロシーは続ける。

「エルフのあんたなら分かると思うが、人間ヒューマン以外の種族は人間ヒューマンの社会では迫害されるんだ。私はホビットとしての特徴が出てないから最初は受け入れられるんだが、ホビットとのハーフだっていうのが分かると迫害されて、どこも雇ってくれなくなった。仕方なく冒険者になったがそれでも同じでどこのパーティーも受け入れてくれなかった。それで仕方なく、盗賊シーフとしての技術を活かして盗賊団の頭になったって訳さ。」

カイルはそれを聞いて

「そんな事、いつまでも続けられると思うか?いつか報いを受けると思わなかったのか?」

と聞くとドロシーは

「王都周辺を縄張りにしてるエムズリー盗賊団っていう大きな盗賊団があって、かなり力をつけて羽振りもよかったんだ。そいつらみたいになれればって思ってたよ。それだけ大きくなれば誰も手が出せないだろうってね。まぁ、その盗賊団も壊滅させられたらしいけど・・・・・・。」

と答える。

するとグスタフが

「エムズリー盗賊団・・・・・・?何か聞いたことあるな?・・・・・・ああっ!思い出した!あいつらか!」

と言うとカイルが

「知ってるのか?」

と聞く。

グスタフは

「お前とサントールの町へ秘密特訓に行っただろ。あの日、夜酒を買いに行ったところで、あいつらに出くわしたんだ。それで俺たちの事を狙ってるっていうからアジトに案内させて一人残らず殺してやったんだ。」

と答える。

するとカイルも思い出して

「あの時、盗賊団五十人ほどが殺されてたって駐屯兵が騒いでたけど、あれ、お前がやったのか!?」

と聞くとグスタフは

「ああ。面倒なことに巻き込まれちゃたまらんから黙ってたけどな。」

と答える。

ドロシーは

「そうか・・・・・・。あんた一人であの大盗賊団を壊滅させたのか・・・・・・。やっぱり私らなんかじゃ勝てるわけなかったんだ。あんたらを敵に回してしまったのが運の尽きってわけか。」

と諦めの表情。

ドロシーは真剣な表情でカイルを見ると

「私はどうなっても構わない!手下たちは見逃してやってくれないか!?」

と懇願する。

カイルは

「そうだなぁ・・・・・・。」

と言って一思案すると、

「よし、この周辺に村を造れ!」

と言う。

ドロシーが

「はあ!?」

と困惑する。

すると盗賊の手下の一人が

「いや、こんなところに村を造っても無理だ!この辺はドラゴンの縄張りなんだ!あっという間にドラゴンの餌だ!」

と言う。

カイルは

「そのドラゴンならさっき俺たちが倒してきた。その証拠にドラゴンから取った素材がある。」

と言うとグスタフが持ってる袋を開けて見せる。

盗賊たちは

「本当にあんたら強いんだな。」

と感心する。

カイルは手持ちの金貨十枚を渡し、

「俺たちはドラゴンの牙が二、三個あればいい。他の素材は皆くれてやるから売って金にすればそこそこの金額になるだろう、それを元手にどんな人種も差別のない村を皆で造れ。」

と言うとメンバーの方を向いて

「良いだろ?」

と聞く。

グスタフは

「俺は魔物退治と酒があればそれでいい。あとはお前の好きにしな!」

と笑顔で親指を立てる。

エレオノーラは

「“差別のない村”を造るっていうんなら私には反対する理由は無い。」

と答える。

プルムは

「カイルさんはお人よしですね。そういうところ、私は好きですよ。」

と笑顔で答える。

レティシアは

「今のお前のする事なら私は全面的に支持するよ。」

と答える。

カイルは

「みんな、ありがとう。」

と答えると盗賊団に

「盗賊団は今を持って解散!ドロシーを村長に、みんなで村を造れ!」

と言うと手下たちは

「おう!」

と手を上げる。

ドロシーは泣きながら

「ありがとう。」

とカイルに礼を言う。

カイルは

「ところで、俺たちはギルドの依頼でアイテムを集めてるんだが、何か手がかりがあったら教えてほしいんだ。」

と言って、プルムに合図してアイテムの一覧を見せる。

プルムが一覧を手下たちに見せて回ると、一人の男が、

「あっ!これ!緋の宝珠!それらしいのがありますよ!」

と言って木箱の中から取り出す。

見ると確かに緋色の玉で“緋の宝珠”と言われればそうも見える。

カイルは

「でもこれ盗品だろ?」

と聞く。

手下の男が

「これはゴブリンの巣穴から頂いてきたもんですよ。元々の持ち主は分かりませんが。」

と言うと、カイルは

「これ、預かっていいか?ここにいないメンバーに鑑定士がいる。鑑定してもらって緋の宝珠じゃなかったら返すよ。」

と言うとドロシーは

「あんたらの役に立てるなら構わないから持って行ってくれ。」

と言う。

カイルが

「ありがとう。」

と言うとドロシーは

「名前、聞いてなかった。教えてくれないか?」

と聞く。

カイルは

「俺はカイルだ。」

と答える。

ドロシーは

「そうか。カイルか。本当にありがとう、カイル。あんたのお陰で、皆、盗賊から足を洗えそうだよ。」

と改めて礼を言う。

 カイルたち一行は元盗賊団に見送られながら荷馬車を引いて一先ずノンブリルの町に帰る。

ノンブリルの町でクレアとクインと合流して、クインに鑑定してもらうと、本物の緋の宝珠だった。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

ドロシー・プリチャード

24歳 175cm 90-59-89 Eカップ

ハーフホビット。父親が人間ヒューマンで母親がホビット。

ホビットは平均身長120cmほどだが父親が身長190cmほどあり、ドロシーも身長が高くなった。

盗賊団“疾風の鷹”の頭領。

元冒険者で職業は盗賊シーフ

盗賊シーフのスキルで宝箱の罠の鑑定と罠の解除、開錠ができる。

ホビットの里を出て人間ヒューマンの町へ出るが、ハーフホビットだと知れると何処も雇ってもらえずに、ホビットの特性である敏捷性を活かして盗賊シーフとなり冒険者になるが、ハーフホビットであることを理由にどこのパーティーにも入れてもらえずに盗賊団の頭領になった。

カイルたちの荷馬車を盗み、カイルたちに捕まるが、許されてカイルの提案で新しい村を造って村長になる。

目標にしていたエムズリー盗賊団がグスタフ一人に壊滅させられたのを知って、カイル遊撃隊には勝てないと悟った。

カイルとの戦闘?の後でパンツ一枚の状態だったところをカイルに布を巻いてもらってカイルの優しさに絆される。


ディゾルブスライム

緑色のゼリー状の魔物。

人にまとわりついて服の繊維を溶かして栄養分として吸収する。

人体に害はない。

知能は持っていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ