食券とトランクス2
晴れて数万円分の食券を手にしたおじさんたちの研修がはじまった。
朝8時30分にSW寮のバス待合室から、T社本社の研修室に向かう。どことなく晴れやかな雰囲気がバスの中から漂っている。今から高額の仕事をし、たくさん給料をもらって、好きなものを買える。そのな沖縄行きの飛行機のような明るさがバスの中を漂ってる。バス車内から流れるラジオの音楽もどことなくその楽しい雰囲気を助長させている感もある。
おじさんたちはとりあえず大きな会議室に集められる。研修は1週間。月曜日に始まり、金曜日に終わる。そして、金曜日の午後に配属先の工場がきまり、金曜日の午後からそれぞれの新しい寮へ向かうこととなる。
まずは、期間従業員としてどうあるべき、みたいなオリエンテーションから始まる。給料の振り込み先と、緊急連絡先の提出とか。ここで分かったことだけど、北海道の人がかなり多い。聞くところによると、北海道と九州でかなりの人数を占めるようだ。地域性というよりも、九州と北海道でのリクルートが盛んなようだ。
ちなみに、北海道から来てる人は農業とか酪農とかしてる人が多く、その本業の合間を縫って期間労働者になるようだ。そのせいか、給料の振り込み先を二つに設定している人もたくさんいた。一つは自分用で、もう一つは故郷で待つ家族のため。なんとなく切ないね。
そんなこんなで初日が終了。16時半には研修が終わり、再びバスに乗って寮に帰る。
とくに体を動かしたわけでもなく、キツイ仕事をしたわけでもないので、おじさんたちの体力は有り余っている。おまけに、前日にたくさんの食券をもらったものだから、寮に帰ると早速宴が始まっているようだ。
自分は一人で夕食をとったあと、そのまま部屋でゆっくりしてた。
ちなみに、部屋は4人で、それぞれにふすま2枚ほどの押し入れがある。その前に敷き布団があり、朝になってもだれも布団を押し入れに収納しようとはしないので、万年床。
あとは、共用の冷蔵庫が一つ。もちろんトイレと風呂は共同。
今日の研修で、明日は健康診断があるとか言ってたな。