食券とトランクス1
SW寮での4人部屋
まずはこの4人が比較的親密になる
約1週間の研修があり、その研修後各工場へ配属となるわけだが、それまでの1週間寝食をともにする。
ちょうど私と同じ県から来たおじさんと同郷という事で比較的はなすようになった。
そのおじさんは地元の消防団出身で、今回で期間労働者として2回目とのこと。
同じ部屋の残りの二人は期間労働者としては初めてということもあり、興味深々でその同郷のおじさんにいろいろと質問をなげかける
「かなり作業はきついのですか?」
「夜勤とかどんな感じですか?」
様々な質問をうけ、そのおじさんは意気揚々とすこし上から目線で答えてた。悪い人ではないんだけど。
赴任初日に、全員にもれなく食券が配られる。
2万円分。つまるところ、期間労働者で来た人はもともと経済的に困窮した人がおおく、地元から愛知県にきてもほぼほぼお金が無い状態の人もいる。最初の給料までしばらく時間があるため、餓死しないようにとりあえず当面の食いぶちに困らないようにとの配慮かとおもう。
しかしながら、お酒にだらしないおじさんがどうも多いようで、食券でビールが買えるため、せっかくもらった食券ですべてアルコールにしてします強者もいる。また、これから高給取りになるんだという謎の自身にあふれて、同じ部屋のおじさんに食事をおごったりして使い切ってしまうおじさんも多数。
自分もほとんどお金はもってなかったので、とりあえずのこの食券配布システムは非常にありがたかった。
寮の食堂は比較的安価で、2万円もあればそれなりの期間食事には困らない。
このころの食堂の夕飯時は不気味なもので、赴任したての新しいおじさんは楽しそうに食事をしているが、すでに工場で働いている人たちはどことなく疲れた表情を見せながら、もくもくと食事してるという2極構造になっていた。
翌日から研修がはじまる。最初は健康診断だそうだ。