表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/44

閑話 本多勝次の戸惑い

 圧倒された。

 康美の、本原つぐみの初配信に。


 最初こそ普段の康美とキャラが違い過ぎて変な笑いが出ちゃったけど、初配信とは思えぬ肝の座った喋りと的確なコメントの取捨選択っぷりに、気付けば没頭してしまっていた。


 せっかくの機会だし俺もバ美肉とか考えてみようかな? なんて思って真田先生に追加で発注していた「服部ミヤビ」というキャラクターと、モデレーターとしての役目。

 それらが無かったらコメントも打てずただ見続けていたかもしれない。

 ありがとうミヤビ。


 そんなことを考えている内に画面が配信終了画面に切り替わっているのに気付き、

「康美を労わなきゃ」と我に返り隣の部屋へ向かう。


 そうして隣の部屋に入ると、物憂げな康美がお茶を飲んでいてなんだかドキッとしてしまった。

 なんで普段と違う異性の姿ってこう心を惹かれちまうんだろうな。


 戸惑いを隠しつつ普段通りの軽い口調で康美を労っていた俺だけど、急に康美が俺が配信させた理由について聞いてくるもんだから「もしや思惑がバレたか!?」と焦っちまった。


 でもバレなかったのはいいけど、俺が康美のことを思って今回の場を設けたと誤解していてちょっと罪悪感が湧いちまったな。

 だって俺が多くの人の前で喋る康美を見たかっただけ……俺の自己満足のために康美をダシに使っただけだったんだから。


 誤解を解こうと思ったけど、確信しているように微笑みを浮かべる康美に何も言えず押し黙っちまった。全く情けねえな、俺。


 とはいえ怒ったりはしてないようで一安心……と思いきや、

「俺と話すのが好き」なんて言い出すものだから、頭が真っ白になってその後のやり取りが全部吹っ飛んじまった。

 本当に情けないな、俺。

 

 でもその後呆れたような笑顔を浮かべながら、

「私のギャルっぷりはどうだった?」なんていつもの調子で聞いてくるものだから。


 俺も思わず、

「ああ、最高だった。惚れ直したよ」

 なんてこっ恥ずかしいセリフを吐いてしまったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ