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『オタクに優しいギャルにならないか?』と持ち掛けられてVTuberを始めた話  作者: oz
第五章 身バレの危機と服部ミヤビ誕生編
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第29話 配信ってやっぱり楽しい

『さて冗談はさておき。まず自己紹介からしてもらおうかな?』

『え? あ、はい。服部ミヤビです……!』


 :うわぁ! 急に冷静になるな!

 :まあまず相手の情報を得てからじゃないと的確な愉悦は出来ないからね

 :愉悦ガチ勢……?


『ミヤビは私とどういう関係なのかな?』

『えっと、クラスメイトで……と、友達……よね?』

『ふふ、正解!』

『は、はわわ……』


 :てぇてぇ

 :なんだねここは天国かね?

 :我々は一体何を見せられているんだ(困惑)


『とまあこんな感じの関係ってワケよ。どうだいオタクくん達。羨ましいかね? うりうり!』


 :羨ましいですッッッ!!!

 :お、俺も間に……いや部屋の壁でいいです……

 :間に挟まりニキ、命拾いしたな ( ´-ω・)▄︻┻┳══━一


『それでミヤビ、私が言うのもなんだけど何で配信する気になったの? 今まで乗り気じゃなかったし正直今回も拒否られるって思ってたのに』

『うん。私こんなんだからさ。こういう形で人前に出るのが苦手なのはもちろんだけど、「見た目と印象が違う」って言われるのがちょっと怖くて。

 でもつぐみんの配信を見てて、見た目や振る舞いを他の人にどう思われるかじゃなくて、それを自分が楽しめるかが本当に大事なことなんだなって思えたの。

 私もつぐみんみたいにやりたいことをやって、喋りたいことを喋って楽しんでみたいと思ったの。それが今回配信してみようと思った理由』


 :ミヤビちゃん……

 :ミヤビん……

 :つぐみんが楽しんでいる姿が人を救ったんやなって……


『あ、すごい喋っちゃった。ごめんね急に』

『いいのいいの。ミヤビのお披露目回なんだしどんどん喋ってくれれば。

 そもそもこれミヤビのチャンネルの配信じゃん? 流石に不慣れかなーと思って私がリードしてたけど、元々ミヤビが主役なんだし。

 それともここからミヤビが私をリードしてみる?』

『う、ううん、流石にまだそこまでは。私を引っ張って!』


 :草

 :受けと攻めがはっきりしていて良い……

 :あ、元々登録してたから気付かなかったけどここミヤビちゃんのチャンネルか


『あはは。相変わらずからかい甲斐があるわね。そういう所も……好きよ?』

『は、はわわ……!』


 :ヴッ(心停止)

 :こ、この小(?)悪魔め……!

 :てぇてぇ


『そういえばミヤビ、今後はどんな配信していきたいって思ってるの?』

『うーん。のんびりと配信したいから、ゲームとかやりながらゆったり話すみたいな?』


 :いいね

 :落ち着いた口調だからつぐみんとは別ベクトルの良さがありそう

 :戸惑う姿も見たい(小声)


『ミヤビも結構ゲームやるみたいだけど、私ミヤビがゲームやってる姿は全然見たことないのよね。どんなジャンルが好きなの?』

『一通り色々やるけど、一番好きなのはキャラクター要素が強いゲームとかかな? 西洋剣乱舞とか。あとはストーリー重視なゲームかな』

『西洋剣乱舞? どんなゲームなの?』

『古今東西の西洋剣を擬人化(男体化)したゲームで、蒐集家と呼ばれるプレイヤーが指揮官的な立場で洋剣男子と呼ばれる彼らを編成・指揮して敵を倒していく育成主体の形式になってるわ。某艦船擬人化ゲームの流れで生まれたゲームなんだけど、そんな作品群の中でも人気を博して長寿作品になってるわね』

『へー。そうなると推しの剣とかがいる感じなの?』

『そうね。概ね小さい武器がショタキャラで大きい武器になるにつれお兄さんやおじさんキャラといった風に年齢層が上がっていく傾向があるんだけど、私的にはまずは初期洋剣でありスタンダードなキャラ付けのサーベルくんが好きね。任務遂行を重視するからプレイヤーに対しても物怖じせず苦言を呈すような子なんだけど、親愛度が上がると任務とプレイヤーへの親愛の狭間で揺れ始めるんだけど、そこが堪らないのよね』

『へ、へー』


 :流れ変わったな

 :すごい語るじゃん

 :ミヤビんそっち系なのか


『あ、もちろん他にも良い子は多いの。大人びたショタキャラであるグラディウスくんとか、サーベルくんとはまた違った淡々とした真面目さのあるファルシオンくんとか、頼れる兄貴分のツヴァイハンダーさんとか、実直な武人キャラなバルディッシュ様とか。

 ……なんかこうして振りかえると私真面目キャラが好きみたいね。明るく飄々としてるけど任務時には冷酷な面も見せるカトラスさんとか任務のこととか全然興味なくてただ戦いたいみたいなバグナウくんも好きなんだけどね』

『お、おう』


 :わかる

 :つぐみんのキャラが剥がれかけてて草

 :自己紹介配信として満点になりつつある


『あ、またすごい喋っちゃった』

『う、うん。ちょっとびっくりしたけど、ミヤビにも「すごく好きな何か」があるのにちょっと安心したかも』

『うん。こういうこと話せる機会全然無かったから、好きに語れてすごく楽しかったかも』


 :あっ……

 :配信の楽しさを知りやがって!(感涙)

 :配信ネタが一つ出来て良かったね(ニッコリ)


『そう、これなのよ。つぐみんの配信もそうだけど、視聴者の人たちがすごく優しくて。

 私の話に乗ってくれて内容を自分なりに解釈してくれるというか、否定せず全肯定もせず、ちゃんと私を認めてくれるというか。

 お互い楽しめるようなこの関係性や空気感が好きで配信してみたいって思うようになったから、こうして体感出来てすごく楽しい』

『……そっか』


 :急に泣かせてくるじゃん(´;ω;`)

 :俺も楽しいよ

 :ミヤビんもええ子やでホンマ……


『いい感じに自己紹介も出来たし、あとはいくつかコメントの質問に答えて今回は終わりにしようかな?』

『うん。つぐみん今日はありがとうね』

『あはは、まだ終わってないってば。よしじゃあみんな! 何か質問があったらコメントに書いてね!』


 :次の配信予定は?

 :スリーサイズは?

 :二人の出会いの経緯について聞きたいです


『わ、いっぱい来た!』

『落ち着いて一つずつ応えていこうね』

『うん。えっとじゃあまず次回の配信予定は——』



 こうして。

 最初はどうなることかと思っていた初配信は、なんだかんだ好評のうちに幕を閉じたのだった。

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