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『オタクに優しいギャルにならないか?』と持ち掛けられてVTuberを始めた話  作者: oz
第五章 身バレの危機と服部ミヤビ誕生編
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第28話 服部ミヤビ初配信開始

 とうとう迎えた服部ミヤビ初配信当日。

 配信部屋で最後のチェックを行う勝次の後ろで、酒井さんは可哀想なほど緊張していた。


「酒井さん、顔色がすごいことになってるけど大丈夫?」


「う、うん、大丈夫……いえ、あんまり大丈夫じゃないかも……」


「……よし、設定完了! じゃあ酒井さん、予約時間が来て配信が始まったら……あ、ここにLIVE表示が出たらね? モデルが酒井さんの動きに反応するのを確認した上で喋り始めてね。操作については事前に説明した通り。とはいえ今回は最後に配信終了する時くらいだけど。

 設定とか大まかな流れを書いたカンペを見える所に貼ってあるから、困ったらそこを見て喋ることを思い出したり話題を探す助けにしてね。

 まあもし本当に無理そうだったら俺がセンサーに引っ掛からないようにこっそり入って配信を終了するから安心してね」


「は、はい」


「酒井さん」


「? 榊原さん?」


「私も一緒に配信して出来る限りのフォローはするけど、それはあくまで画面上だけのこと。実際にミヤビが……酒井さんが何を喋るか、どんな反応をするかは私にはどうすることも出来ないわ」


「……うん」


「でもね。前に勝次も言ってたけど『立派にやろう』なんて一切考えなくていいからね。

 喋れても喋れなくても、立派でも情けなくても。ミヤビという存在を盾にして酒井さん自身の好きなようにやって欲しい。それだけが私が酒井さんに期待することよ」


「榊原さん……!」


「よし、じゃあ私も準備しようかな。じゃあ酒井さん、次は配信でね」


「うん!」



 ……こうは言ったけど、やっぱり辛い思いはしないで欲しいな。

 頑張ってね酒井さん……!



 ————— 【初めまして!】 新人VTuber服部ミヤビのお披露目初配信 【服部ミヤビです!】 —————


 :待機

 :ミヤビちゃん実在したんだ

 :確かに、運営的な存在かと思ってた


『あ、あー……あ、もう始まってるのかな? えっと、皆さん初めまして。服部ミヤビです』


 :キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!

 :きちゃ!

 :あ、ちゃんと女性なんだ


『あ、初めましてとは言ったけど、ヌイッターでのつぶやきや配信でのコメントはしていたからこうして直接お話するのは初めてってことですね』


 :ミヤビちゃん思ったより清楚というか落ち着いた口調だ

 :もっとつぐみん的な感じかと思ってた

 :もしくはメスガ(ry


『じゃあ早速、ゲストを呼ばせてもらいますね。皆さまご存じの本原つぐみ……つぐみんです!』

『やっほー! 本原つぐみだよー。ミヤビ、今日は呼んでくれてありがとね』

『ううん。来てくれてありがとうつぐみ』


 :てぇてぇ

 :てぇてぇ……!

 :なんか想像してたのと違う形の凸凹コンビだけど、これはこれで良いな


『それじゃここからは私が仕切るねー。

 実は今回の配信、私がミヤビに無理言ってやってもらってるのよ』


 :ほほう

 :hmhm

 :それはまたどうして?


『今までミヤビがコメントや呟きで私を応援してくれてたのはみんな知ってるかもしれないけど、実は結構ネット弁慶的な所があったのよ』

『ちょ、ちょっとつぐみ!?』


 :草

 :直球!

 :まあその辺での言動と大分イメージが違うのはわかる


『ネットだとあんなにギャルっぽいのに、リアルではこんな風にピュアで弱々しくて……たまんないわよね!』

『つ、つぐみ!?』


 :流れ変わったな

 :草

 :わかる(わかる)


『と、言う訳で「オタクくんたち優しいでしょ? ここらでミヤビも一発配信してみない?」ってミヤビを騙……説得してこの場を設けたって訳よ』

『えぇ……』


 :有能(有能)

 :草

 :今まで愉悦される側だったつぐみんが愉悦する側に……!?


『だ・か・ら・ね? ミヤビ、今日は楽しみましょうねえ~?』

『ひ、ひいぃ……!』


 :草

 :これは楽しみになってきやがったぜ……!

 :子供に見せられないシーンがこの後始まる(スック)



 こうして(当初の予定とは大分違う雰囲気を醸し出しつつ)服部ミヤビの初配信は幕を上げたのだった。

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