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番外編 幼馴染とフィットネスゲームをやる話

「んぎぎぎ……!」


「あ、勝次こんなとこに居た……って何やってんの?」


「いらっしゃい康美……うぐぐう……!」


「一旦止めて?」 



 今俺がやってるのはループフィットアドベンチャー。

 捻転堂から発売された、専用のループコントローラーを使って遊ぶフィットネスゲーム。

 前ハードのViiフィットを更に発展させた本格的なフィットネスを楽しめると話題になり、一時期バズりにバズったゲームである。



「ふう、キツいな……」


「勝次がこういうゲームやるの意外ね。急にどうしたの?」


「前から少し体鍛えたいとは思ってたんだけど、これ面白そうだし丁度良い機会になるかなって思ってな」


「普通にジムとかに通ったりとかじゃなくて?」


「そういう本格的なのはすぐ辞めちゃいそうでな。本格的に体を鍛えたいっていうか、楽しむついでに鍛えられると良いかなって?」


「なるほどね」



 リアルだとそれほど興味の無い題材でも、それをテーマにしたゲームや漫画は楽しめることもある。

 ゲーム自体の出来の良さもさることながら、ループフィットはそんな心理を巧みに突いたゲームであったとも言えよう。

 しらんけど。



「と、いう訳で康美の分も用意してあるから一緒にやろうぜ」


「でもこれ二人用とかないゲームじゃなかった?」


「だからループコンとヨガマットをもうワンセット準備してあるんだ。ゲーム機本体は康美も持ってるだろ? 明日持ってきて同じ場所で一緒にやろうぜ」


「ブ、ブルジョワ……!」



 そんな訳で翌日俺んちで二人でやることにしたのだった。



 ――――――― 翌日 ―――――――



 広めのフローリングルームに二メートルほどの間隔を空けて横並びにモニターとマットを設置し、準備万端で康美を待つ。

 


「お邪魔しまーす」


「お、来たな。じゃあ始め……」


「あ、着替えるからちょっと待っててね」


「え?」



 そう言ってナップサックを持った康美は部屋の一つへ入っていく。

 そして5分ほど後。



「お待たせ」


「着替えとか本格的だな康……美!?」



 そこに居たのはタンクトップにショートスパッツ姿の康美だった。

 


「(うわヤッバ、体のライン丸わかりじゃん……! 肩とかお腹とか下腿とか肌色面積広っ! え、何この健康的エロスを振りまく生物は!?)康美、すごい気合入ってるじゃん」


「正直自分でも張り切り過ぎたかなって思ってる」


「いやでも似合ってるよ」


「ふふ、ありがと」



 いきなりのジャブで既にダウン寸前だったが、平静を保ちつつ康美のゲーム機をセットする。



「よし、これでOK。あとは最初に色々設定して開始だな」


「ありがとね。よし、じゃあやっていこうかな」


「俺は俺で昨日の続きやっていくから、何か分からないことがあれば聞いてくれ」


「うん」



 そう言いつつ、ぶっちゃけ俺は自分のゲームどころじゃなくなってた。

 俺はループフィットをやってるフリをしつつ、康美の方をチラ見し続けるだけの存在と成り果ててしまっていたのだ。



 ——————————



「ふっふっふ……んんんー……!」


「(なんか走る姿、というかその場の足踏みしてる姿可愛いな……。あとループコンを必死に押し込む姿も可愛いな……)」


「あ、敵と遭遇した。これどうするの?」


「ああ、表示されてるスキル(フィットネス)を選んで、それを既定の回数やるんだ。敵を倒せればその場で終わるけど」


「じゃあこのバックプレスで……んううー……!」


「(こ、これは! 脇と胸部が強調されて凄まじい威力だ! ダメだ、直視出来ない!)いいぞ、その調子だ! 頑張れ!」


「ふう、じゃあ次はこのプランクで行こうかな」


「それキツいって評判だから、無理するなよ」


「どれどれ……ぐうー、お腹が、背中が、体幹が……!」


「(お、お尻が! お尻が突き出されて! チラ見を調整しないと理性が一気に持って行かれる!)」


「はぁ、はぁ……いやあ、普段運動しないからキツいわ……」


「大丈夫か? キツかったら休めよ?」


「うん。もうちょっといけそうだから大丈夫。次は……えぇ、足を上げた状態で座って、足を閉じたり開いたりするの? ちょっと恥ずかしいわね」


「(無心)」



 ——————————



 そんなこんなで休憩を挟みつつ一時間ほどプレイ。

 各スキルで行われる運動はもちろんのこと、途中から康美の火照った姿や汗で濡れた肌や衣類にも目を奪われていたが、何とかしのぎ切ったぜ(?)。



「いやー、疲れた。けど楽しいわねコレ」


「だな。メインストーリーとかサイドイベントとかで適度に気を逸らしてくれるというか、もうちょっと、あとちょっとって続けちゃうんだよな」


「けど流石に今日はもう無理そう。こういうのは定期的に続けるのが大事だから、短時間でもこまめにやって行きたいわね」


「そうだな。とりあえずしばらくこの部屋をループフィット部屋にしとくから、気が向いた時に使ってくれ」


「本当? ありがとう。そうさせてもらうね」



 こうして俺の康美鑑賞会と化してしまったループフィット体験会は幕を閉じたのだった。



「よし、じゃあシャワー浴びて帰ろうかな」


「……え?」


「ちょっとシャワー借りるわね。いやー久しぶりにこんなに汗かいたわね」


「え、あ、おう?」



 ……前言撤回。風呂上がりの康美という延長戦に突入しちまうみたいだ。

 もう一踏ん張りしなきゃならんようだな。もってくれよ俺の理性……!


 全く。眼福もいいところだったとはいえ、筋肉より理性が鍛えられることになるとは思わなかったよ。

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