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<補記>
本書は王立図書館西棟改修時(1405年)に、書庫の隠し扉より発見された。丁寧な梱包によって保管されており、保存状態は非常に良好であった。巻末には、第六代国王・セドリック王(1262-1330年)による永久保管印が押印されている。
著者、執筆時期ともに不明。記述内容及び使用されている紙の材質より、執筆時期は発見年より110-130年前と推定されている。
セドリック王が少年時代に亡命生活を送った様子が書かれており、その史実は推定執筆時期と一致する。発見当時はセドリック王本人が書いた書物ではないかと言われたが、筆跡鑑定の結果、本文・補足紙ともに別人と結論が出ており著者不明のままである。
また、本書に記述のある「DWFの三文字、及びゴブリンとフェアリーの絵を組み合わせた意匠」は、ゴールドリーフ商会の商標意匠と同一である。
同商会は北の大森林から鉱山地帯を管理する大商会として有名であるが、創業期から続く小物細工においてもよく知られている。特に創業初期の精巧な細工物は、美術品としても価値が高い。外交の贈答品として用いられた王室記録も残されており、当時より同商会と王室との関係があったことが窺える。
しかし、同商会には創業期についての記録がほとんど残されておらず、本書との関係も不明である。
なお、王室養育係が代々引き継いでいる玩具のひとつに、同商会初期に作られたと見られる素朴な丸太小屋を模したドールハウスが含まれている。この型のドールハウスは1290年代に大流行し、一般家庭にも広く親しまれるようになり、今なお人気の高い子供用玩具として多くの工房で製造が続けられている。
(記録:王立図書館管理室・1407年)
<蔵書目録>
文書番号:00063732
表題 :不明(管理通称:森の日々 〜ゴブリンの手記〜)
著者 :不明
発行年 :不明(推定執筆時期1275-1300年頃)
保管庫 :王立図書館 西棟三階 七番書庫
閲覧制限:なし
持ち出し:不可
参考資料:ゴールドリーフ商会商標
特記事項:筆跡の異なる補足紙付(四枚)
保管期間:永久




